杉原です。
今回は読者さんからのレビュー依頼があった、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」というFX系の情報商材を取り扱っていきます。
販売URL:https://kokuchou-fx.com/
この「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」は黒鳥さんが講師を務め、株式会社CAN(佐々木 健一)さんが販売している商材で、FX系の情報商材には非常に珍しく「ファンダメンタルズ分析」に注力していました。
私自身、FXのデイトレードを専業にしているものの、基本的にファンダメンタルズ分析には、
・バックテストによる確固たる検証ができない
・得られる情報の質が人によって異なる
などの性質があるため「懐疑的」な意見を持っています。
そんな背景もあり、ファンダメンタルズ分析を軸にしている、この「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で語られるFXトレード手法に興味を持ちながら教材を紐解いていきました。
「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で語られるファンダメンタルズ分析
冒頭でも申し上げたとおり、ファンダメンタルズ分析を軸としている情報商材は非常に珍しい事は間違いありません。
大半の情報商材はテクニカル分析を軸として、
・EA(自動売買ツール)
・サインツールを含むインジケーター
を付属させているものが多いからです。
その上で、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」のファンダメンタルズ分析を軸としたトレード手法には、業界内でも相応の注目がありました。
そんな「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で解説されているファンダメンタルズ分析は、主に以下の要素がどう相場に影響を及ぼすかというものです。
- 金融政策
- 経済指標
- 要人発言
- アナリストレポート
- 経済ニュース
以上の要素が与える値動きへの影響が、それなりに体系化されて解説されていました。
ただ、これらはファンダメンタルズ分析の基礎や基本に過ぎません。
正直に申しまして、書籍やネットを使って調べれば1日で得られる情報です。
「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」でファンダメンタルズ分析の基本は学べるものの、購入費用である35,000円を払って得られる知識/情報にしては少し物足りなさを感じた購入者は少なくないと思います。
少なくとも私は、書籍やネットで得られる情報で十分かと感じました。
要するに「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で解説されるファンダメンタルズ分析に関しては、内容的に「乏しさ」が感じられたわけです。
そもそも、人間心理に基づく事で「不変性」があるテクニカル分析とは異なり、ファンダメンタルズ分析は常に変化する「生もの」にほかなりません。
そのため、基本や基礎を叩き込んでも、常に新しい情報を「どう活かすか」の視点がない限り、ファンダメンタルズ分析をトレードに有効な形で活かす事は難しいと思うわけです。
ですが、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」では昔ながらの変わらないファンダメンタルズ分析の基本が主軸となっており、特に新しい情報を使っていくということには触れていなかったため、私としては有効性があまり高くないトレード手法ではないかと率直に感じました。
そもそもファンダメンタルズ分析は、
金融政策
経済指標
要人発言
経済ニュース
アナリストレポート
などの情報から値動きを分析する手法であり、その上でこれらの情報は
トレーダーによって得られる内容が異なる
トレーダーによって得られるスピードが異なる
という致命的な一面が避けられません。
要するに、完全にトレーダーの裁量判断となってしまい、トレーダーの実力次第になるわけです。
そんなトレーダーの実力次第になりがちなファンダメンタルズ分析を軸にしたトレード手法ですが、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」の講師・黒鳥さんは、テクニカル分析も織り交ぜる事で手法の有効性を高めるように目論んでいました。
要は、「環境認識」のようにファンダメンタルズ分析で相場の対局を把握し、その上でテクニカル分析も用いて有効性を高めるというわけです。
「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で黒鳥さんが解説するトレード手法
そんな黒鳥さんが「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」内で語るトレード手法は、以下のような5つのロジックとなっています。
- 指標スキャル
- ファンダメンタルトラップリピートbyスイング
- ファンダメンタルトラップリピートbyスキャル
- 巻き込み狙い
- 大相場狙い
ハッキリ言って、ロジック自体は無料で情報収集しても辿り着くレベルであり、決して目新しさや斬新さはありません。
指標スキャルの是非について
特に「指標スキャル」に至っては、雇用統計などの経済指標発表時における「激しい値動き」で繰り返し数pips(3~5程度)の利幅を取っていくというノウハウで、ギャンブル要素が高く再現性も低いと思いました。
そもそも、そんな値動きの荒さが予測される指標発表の前後では、大抵のFX業者が「スプレッド」を大幅に広げています。
そのため、3~5pips程度の利幅では、「スプレッド負け」が十分に考えられるわけです。
その上、異常に値動きが荒くなるため、狙った価格(レート)で注文が通らず、「不利」な価格で約定してしまうことも普通にあります。
以上を踏まえ、黒鳥さんが「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で語る指標スキャルに関しては、再現性と有効性が極めて低い「ギャンブル」のようなトレードだと感じた次第です。
繰り返し行うナンピン
そんな指標スキャル以外では、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」のトレード手法として、
スイングトレード
FXのデイトレード
ともに、ナンピンを繰り返す手法が解説されていました。
私自身、決してナンピンを否定するわけではないものの、せめて1回のトレードに対して一度や二度までが限度だと考えています。
仮に5,6回も一度のトレードでナンピンをしてしまえば、最終的に損切りする際には非常に大きな損失を被るため、一気に多大なドローダウンが生じてしまうからです。
現に、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」の販売ページ内で掲載されていた黒鳥さんのトレード実績には、非常に大きな「億単位」のドローダウンが見受けられました。
まずは、販売ページ内にあった黒鳥さんのトレード実績を抜粋した下図をご覧ください。(大きなドローダウンの証明は2つございます)
左から「スワップポイント」「トレード損益」「口座残高」
上図は、赤点線で図示した箇所が「トレード損益」になっており、一千万を超える損切りから始まり、計17件もの損切りが「連続」で発生しています。
その結果、3憶6千万だった口座残高が2億6千万まで大きくドローダウンしていました。
また、下図も同様に大きな損切りが連発している事がお分かり頂けるかと思います。
すべて悠に1千万を超える損切りが連続し、2億5千万の口座残高が1憶3千万までドローダウンしています。
以上のように、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」で解説されるナンピンを繰り返す手法により、約40%ほどのドローダウンが発生しているわけです。
まさに繰り返すナンピンをした際に、すべて損切りとなる場合に生じる大きなドローダウンが生んでいる悲劇にほかなりません。
ただ、そんな黒鳥さんの誠実さは置いておいて、1回のトレードでナンピンを繰り返した挙句に3~40%のドローダウンをしてしまう手法は、そもそも有効性以前の問題かと思います。
「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」のレビュー総括
以上、「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」のトレード手法としては、下記のような問題点が浮かび上がりました。
- ファンダメンタルズ分析がトレーダーの実力次第になってしまう
- 指標発表時のスキャルピングは「スプレッド負け」や「不利な約定」が発生する
- 繰り返すナンピンにより損切り時に3~40%の大きなドローダウンが生じる
以上のような致命的とも取れる大きな問題点があるため、残念ながら、この「BLACK SWAN FX CLUB-黒鳥FX倶楽部」は推奨はできません。
特に40%のドローダウンがが有り得るにも関わらず、月利は6%(月の利益率)しかないというのは、35,000円まで払って手にするトレード手法としては「お粗末」かと率直に思いました。
また、一部のデイトレードに応用した手法では、月利14%があるとのことでしたが、FXのデイトレにおいて月の利益率が10%台と言うのは低過ぎです。
下記の関連記事にあるように、FXのデイトレードであればロジック次第で十分に1日単位でも10%台の利益率を普通に出せます。
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