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杉原です。
今回は「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)というサインツール付きの情報商材をレビューしていきたいと思います。
この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)で語られるFXのデイトレ手法は、1分足による売買判断を用いたスキャルピング寄りのデイトレードです。
その上で、記事タイトルにも書いたとおり、「勝率100%」という明らかな誇大広告に加え、そのロジックが実践不可能?と言えるような、まさに「机上の空論」という印象のものでした。
「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)のデイトレ(スキャル)手法とは
この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)で語られているロジックは、前述のとおり、スキャルピング寄りのデイトレードで、まずは、
・ダウ理論
・ラインによる判断
をベースにした上で、上位足の筆頭である「4時間足」を使って対局を掴みます。
いわゆる環境認識ですね。
4時間足を使った環境認識が曖昧過ぎる?
ダウ理論もラインによる判断も、多くのトレーダーが意識している部分なので、有効性がないわけではありません。
ただ、「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)における、この環境認識の部分は、トレードの回避(フィルター)に利用されており、その上で、非常に判断が曖昧で抽象的になっています。
そんな曖昧さ、抽象さは、
「10人のトレーダーがいれば、7,8人は違う判断をするのでは?」
と思うほどです。
この4時間足による環境認識の部分がトレード回避に大きく関わっているため、勝率にも大きく影響してくる事は避けられません。
ただ、この環境認識の部分があまりにも曖昧過ぎるため、あえて各トレーダーに完全に任せるように仕向けている印象を受けました。
あえて曖昧かつ、抽象的な表現にしていれば、購入者(トレーダー)からの勝てませんという報告が来ても、
「環境認識の部分で、このような観点で見れば、この場面はエントリーを回避する判断が下せます」
など、販売側の逃げ道が作れるからです。
さらに、この逃げ道は核心のエントリー判断にも用意されていました。
1分足を使ったエントリー判断も曖昧?
4時間足で環境認識を行い、トレードの回避を踏まえたフィルターを行った後は、1分足にて、
・RSIのダイバージェンス
・MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
・ボリンジャーバンドの開き具合
を用いて、エントリーを判断します。
実際のところ、これらのテクニカル分析は王道と言えるもので、割と多くのトレーダーが意識するため、使い方によっては有効性がある事は間違いありません。
ただ、先ほど触れた環境認識の部分と同様に曖昧さが非常に目立ちます。
曖昧で、抽象的過ぎるため、環境認識と同じく、トレーダーごとにまったく違う「答え」を出してしまう印象を受けました。
そのため、エントリーして負けが続き、販売元である「一般社団法人 日本投資家育成機構」に相談しても、
「あぁ、この部分は逆にこういう判断が下せる場所ですので、エントリーしてはダメな場所です」
「逆に、見逃していた、この部分は勝てていた場面ですよ」
と、ここでも販売側の「逃げ道」があるわけです。
「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)のロジックは机上の空論か。
また、前述のとおり1分足にて、
RSIのダイバージェンス
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
ボリンジャーバンドの開き具合
を判断するには、スピードが問題になります。
1分ごとに新たなローソク足が生成され続ける1分足チャートを見つつ、上記の判断を瞬時に下さなくてはなりません。
要するに、スピード感に追い付けずに、ルールどおり(それも曖昧過ぎますが)にトレードができない可能性が非常に高いわけです。
仮に絶妙な判断を下せるような分かりやすい状況だとしても、1分足のスピードが早く判断が間に合わずに、エントリーや決済をルールどおりにできないということも否めません。
そうなれば、実践不可能なFXのデイトレ手法(スキャルピング手法)、ロジックであり、ただの「机上の空論」ととらえられます。
それを物語るかのように、下図のような「勝率100%」という明らかな誇大広告が販売ページに掲げられていました。
いくら勝ちやすい場面だけに絞り込み(フィルター)をかけたとしても、物理的に100%の勝率は有り得ません。
10回、20回程度のトレード回数なら可能性は0ではないものの、相応のトレード回数を踏まえた上での勝率100%は明らかな誇大広告です。
現に、上図は表計算ソフトエクセルで作ったような実績画像で、何の実績証拠にもなっていません(笑)
ただ単純に、販売側であるクロスリテイリング株式会社さん(のスタッフさん?)がエクセルに数字を打ち込み、
「勝ちやすい相場を集中して狙うから勝率100%」
という謳い文句を記しただけですから。
それが許されるなら何度もありですよ(笑)
これに関して私としては、ちょっと度が過ぎると思いました。
1日100回のチャンスは有り得ない。
また、販売ページ上には、1日100回のチャンスがあるというアピールがされていました。
ハッキリ言って、これは嘘と言っても過言ではありません。
結局のところ、前述のとおり、
ダウ理論やラインを用いた4時間足によるフィルターを行った後、1分足にて、
RSIのダイバージェンス
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
ボリンジャーバンドの開き具合
を確認するロジックになっており、その上でバックテストおよびフォワードテストを行ってみても、トレード回数はまったく100回には遠くおよびませんでした。
販売側も、
「わざわざ検証する人はいないだろう」
と思い、
「100回もトレード回数があれば、魅力的に見え、購入者が増えて儲かるだろう」
という見込みで、このような誇大広告を掲げているのだと思いました。(あくまでも予想ですが)
その上で、前述のとおり、エントリー判断が非常に曖昧かつ抽象的過ぎるため、こちら側が
「100回もチャンスなんてなかったですよ」
と訴えれば、
「この部分は逆にエントリーチャンスにできるので、見逃している部分がいくつもありますよ」
というように、後付けで幾らでも判断を誤魔化されてしまえます。
ただ、この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)にはサインツールが付いており、そんな曖昧さを帳消しにできる可能性があると思い、このサインツールに関しても検証してみました。
「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)のサインツールについて
販売ページ上では、
「チャンスを自動でお知らせ」
「利益チャンスを逃す心配はありません」
というアピール文にて、サインツールを紹介していました。
チャンスを逃さないと言いつつも、サインツールによってアラート通知が発生した後に、各トレーダーがそこから先ほど触れたような
RSIのダイバージェンス
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
ボリンジャーバンドの開き具合
などの判断を細かく見ていきます。
そのため、サインツールは、
「チャンスになるかもよ」
というレベルのもので、決して、
「チャンスを自動でお知らせ」
「利益チャンスを逃す心配はありません」
という事を実現するものではないわけです。
前述のとおり、多くの裁量判断が必要なので、実質的にサインツールの意味がそれほど感じられませんでした。
裁量判断の曖昧さをなくすほどのサインツールでない限り、完全にトレーダーの「実力次第」なところがあるため、販売ページで掲げていた勝率100%はもちろん、9割8割も厳しいロジックだと思います。
まとめ。「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)。
そもそも、この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)で強みとされている「4時間足と1分足を使ったロジック」の有効性は薄いと思いました。
極端な話、1分足で数秒~数分単位となるスキャルピング寄りのデイトレードを行う場合、そこまで細かく4時間足を見る必要はありません。
4時間足ベースの値動きへの影響は即座に反映されるものではないからです。
少なくとも、短期トレーダーにとっては4時間足は環境認識に用いる程度で、売買判断に用いることは大抵ありません。
だからこそ、最終的にRSIのダイバージェンスとMACDのゴールデンクロスやデッドクロス、ボリンジャーバンドの開き具合によるロジックに対し、4時間足による環境認識が精度向上に役立ってはいないと思えるわけです。
ノウハウのオリジナリティ、目新しさについても、
RSIのダイバージェンス
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
ボリンジャーバンドの開き具合
は、王道と言えば王道になるため、そこまで斬新なものではありません。
少しでもテクニカル分析を学んだ経験があるトレーダーにとっては、
・オリジナリティ
・目新しさ
は皆無だと思います。
ただ、まったくの初心者で、これからテクニカル分析を本格的に学ぶという人にとっては「新しさ」を感じるかもしれません。
しかし、これからテクニカル分析を学びたいという初心者層であっても、
RSIのダイバージェンス
MACDのゴールデンクロスとデッドクロス
ボリンジャーバンドの開き具合
は大抵の書籍やサイトでも「当たり前」に取り扱われているレベルの情報に過ぎません。
そのため、特別な理由がない限り、この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)を購入する意義はないのではないかと思います。
少なくとも、この「超」秒速スキャルFX・成功のイデア(鈴木克佳)は4万以上もするわけですから・・・
その上、ここまで何度か触れてきたように、ロジックの判断基準があまりにも曖昧かつ抽象的過ぎるので、出せる成績はトレーダーの実力次第になると思います。
私自身、自らが実際にデイトレードを行う上で、曖昧さを無くしてシンプルにしていくことを意識し、トレンドラインのみを使った利益率に特化したデイトレ手法を確立していました。
そんなラインを使ったデイトレ手法は、リスクになる「含み損」と「損切り幅」が極めて小さくなる場面でのエントリーになるため、低リスクでレバレッジを効かせることが可能となっています。
そのため、5分足を使った一度のデイトレードでも2桁台の利益率を出すことができていました。
実際のエントリーから決済(利確・損切り)までの流れを含めたロジックを、下記の記事にて図解していますので、良ければご覧になってみてください。
・トレンドラインのブレイクを狙うデイトレ手法
>取引1回で2桁の利益率〜トレンドラインのブレイク手法『加速点テクニカル』〜
・トレンドライン反発の初動を狙うデイトレ手法
>トレンドラインとキリ番を使った聖杯に近いデイトレード必勝法『初動テクニカル』