杉原です。

ピンバーは「押し目買い」「戻り売り」や、トレンド転換の際に有効なサインとなっているため、デイトレード手法にピンバーを取り入れて精度を高めたいと考えるトレーダーも少なくありません。

ピンバー

ただ、単純にピンバーを使うだけでは思うように機能しない、いわゆる「だまし」もあるので、ピンバー単体でトレードを行うことは、あまり推奨できません。

そこで当記事では、ピンバーのだましを防ぐべく、水平線(水平ライン)を組み合わせて、含み損と損切り幅を徹底して抑え込んでいるデイトレード手法を解説させて頂きます。

このデイトレ手法は精度(勝率)が高いことに加えて、トレードの「含み損」「損切り幅」を限りなく小さくできるので、ロットを上げて利益率を大幅に高められるロジックです。

実際に当ブログの記事「最初のご挨拶と実績の紹介」や「資金1万から500万に少額から一気に増やしたデイトレ手法の解説」で掲載していた実績にある、1日平均10%以上の利益率を出すデイトレード手法の一部が当記事の内容になります。

過去のトレード事例を使い、エントリー条件から利確の場所、損切りになる目安のポイントまで根本的な理屈/理論を含めて解説していくので、ぜひ最後までお読み頂ければ幸いです。

ピンバーの「だまし」を防ぐ水平線を使ったデイトレ手法

ロングもショートも原理は一緒になるため、分かりやすくロングの例に絞っていくことをご了承ください。

まず、ピンバーの「だまし」を防ぐために、水平線(水平ライン)と組み合わせて下ヒゲピンバーが出た次のローソク足でのエントリーを行います。

ピンバー

より効き目のあるピンバーの定義に関して、

・長い側のヒゲと実体の割合
・ローソク足全体の長さ
・短い側のヒゲと実体の割合

などを含めた複数の視点で解説した記事を下記に用意しているので、必要に応じてご覧ください。

>効き目あるピンバーの定義「ヒゲは実体の何倍?」有効な出現場所と欠点も解説

その他、似ている形状であるピンバーとスパイクの違い、合成ピンバーとの違いについては下記の記事で解説していました。

>ピンバーとスパイクの違い、合成ピンバーの定義や違いを解説

以下が、私が実際に行っているピンバーと水平線を組み合わせるデイトレード手法のエントリーから決済を示したチャート図です。

(特に指定が無い限り、掲載するチャート図はこの先も下図のように5分足チャートで、すべて画像をクリック/タップすると拡大されます)

ピンバーと水平線を組み合わせるデイトレード手法の全体像

ピンバーの「だまし」を防ぐために組み合わせる水平線ですが、MACDやRCI,RSIのような多くのテクニカル指標に存在するパラメータ(設定値)がありません。

そのため、設定値によるトレーダー同士の「違い」が出ないことで、テクニカル指標としての精度が高い特徴が、水平線にはあります。

ただ、下ヒゲピンバーと組み合わせるのは、単純な水平線ではなく、より大勢のトレーダーから意識され、注文が殺到しやすいように「複数の機能を持った水平線」であることが条件です。

条件1.キリ番と重複する水平線であること

精度の高いデイトレ手法において、ピンバーと組み合わせている水平線、その1つ目の条件は「キリ番」と価格帯がほぼ重なるような水平ラインになります。

キリ番は「ラウンドナンバー」と言われ、150.000円や150.500円のようにキリが良く、大勢のトレーダーによって、

・決済の注文
・逆張りエントリーの注文

などが殺到しやすい価格帯です。

実際に、今回のエントリー事例では、ポンド円において165.500円に近い位置に引かれていた水平線でした。

水平線がキリ番とほぼ重複

キリ番と言うと、165.200円や165.700円など、00円ならば効きやすいと考えるトレーダーもいるかもしれません。

ただ、~.200円や~.700円のように「半端」な価格帯ではなく、より大勢のトレーダーに意識される~.500円や~.000円のような節目にあたる価格帯でなければ効き目が弱まるので、キリ番を使う際には注意が必要です。

そんな大きな節目になる~.500円や~.000円のようなキリ番は、水平線を引いていないトレーダーにも、明確な価格帯として認識されます。

そのため水平線を引かないトレーダーたちからも、持っていた売りポジションの利確となる「買い注文」はもちろん、

・押し目買いのロング
・逆張りロング

など新規の「買い注文」も入りやすくなるため、結果的に水平線を引くトレーダーたちからの注文と重なり、大勢から非常に多くの「買い注文」が殺到するわけです。

その上、キリ番に近付くことで、キリ番での反発を恐れ、新規の「売り注文」を出すトレーダーが大幅に減少する傾向にあります。

相場の原理原則は、

・買いが売りより多ければ上昇
・買いが売りより少なければ下落

という絶対的な仕組みに他なりません。

その上で、ここまで説明したように「売り注文」が減少し、逆に「買い注文」が殺到するので、水平線とキリ番と重複する価格帯で、上昇する可能性が極めて高くなるわけです。

そして、そこにピンバーが加わることで、この水平線とキリ番での反発が「確定」したと考えるトレーダーが多くなり、ここからの上昇がさらに見込めるようになります。(「だまし」の防止)

以上から、下の図で示したように水平線とキリ番が重なる価格帯が、ピンバーを使うデイトレ手法の精度を大きく高めるために、採用する水平線における1つ目の条件だということです。

水平線がキリ番とほぼ重複

条件2.ロールリバーサル(サポレジ転換)対象であること

ピンバーを使う高精度なデイトレ手法において、水平線として採用する2つ目の条件は、エントリーする際にロールリバーサルになることです。

ロールリバーサル、いわゆるサポレジ転換がピンバーで発生し、次のローソク足でエントリーできる形が理想的になります。

具体的なイメージを示したものが下図です。

ロールリバーサル(サポレジ転換)

ピンバーが出現するまで、短い期間ながらも短期的な上昇トレンドが発生していました。

その上で、青丸がレジスタンスラインとなり、波を作っています。

そんなレジスタンスラインに対して、ブレイクした後すぐにサポートラインに「転換」されるようにピンバーが出現しました。

このようにサポレジ転換=ロールリバーサルが発生するタイミングは、下図のように赤丸からスタートし始めた上昇トレンドの「確定」を強める意味を持ちます。

上昇トレンドのスタート

もちろん、青の水平ラインでのサポレジ転換が果たせず、その水平ラインを下回れば、赤丸スタートの上昇トレンドを支持するトレーダーが減ってしまうことは避けられません。(ピンバーのだまし)

ただ逆に、青の水平ラインでサポレジ転換が果たされると、この上昇トレンドを支持するトレーダーが一気に増加するので、

・売り注文の減少
・買い注文の増加

が見込めるようになります。

その上、ピンバーによる反発が加わることで、よりサポレジ転換を認識し、上昇トレンドを支持するトレーダーが非常に増えることは間違いありません。

また、このサポレジ転換は、直近の高値に対して発生しており、特に水平線を引かないトレーダーにとっても、目視で上昇トレンドの強さを意識できるので、ピンバーのだまし防止に繋がるということです。

ですので、水平線を引いてロールリバーサルを狙うトレーダーからの「買い注文」はもちろん、水平線を引かないトレーダーからも同じように上昇トレンドを支持されて「買い注文」が殺到しやすくなります。

当然ながら、このピンバーは上昇トレンドが強まった時点になるので、ここで新規の「売り注文」を出そうと考えるトレーダーはほぼいないと考えられますし、多くのトレーダーもこのように考えやすいタイミングです。

以上から、ピンバーによって直近のロールリバーサル(サポレジ転換)が成立することが、上昇の精度が大幅に高まるからこそ、ピンバーの「だまし」を防ぐべく水平線として2つ目の条件となります。

条件3.N字波形と重なること

最後、3つ目としてピンバーのだましを防ぎ、精度を上げるデイトレ手法として採用すべき水平線の条件は「N字波形と重なること」です。

以下がそんなN字波形を表すチャート図になります。

N字の波形

図で示したように、高値と安値がほぼ同じような角度で平行に上昇しています。

そのため、キレイなN字波形を描きながら上昇トレンドを形成しており、この黄緑のようなチャネルラインを引かないトレーダーからも、ピンバーの時点では「上昇トレンド」を強く意識されるわけです。

あらゆるテクニカル指標の起源ともされ、非常に大多数のトレーダーから世界中で意識される「ダウ理論」では、上昇トレンドは高値と安値がともに更新されて上回ることと定義されています。

その上で、先ほど掲載した下図のように、高値も安値も「ほぼ同じ角度」「平行」に更新されていることで、誰が見てもキレイな上昇トレンドを直感させるため、ラインを引く/引かないに関わらず、本当に大多数のトレーダーから上昇トレンドを支持されるわけです。

N字の波形

以上から、ここまで説明した、

条件1.キリ番と重なること
条件2.ロールリバーサル対象であること

とは別に、キリ番やロールリバーサルのような価格帯でのトレードを意識しないようなトレーダーからも、N字波形による上昇トレンドの強い支持がされることで、ピンバーの「だまし」をより防げるような水平線を組み合わせるデイトレ手法になっていきます。

まとめ~ピンバーの「だまし」を防ぐ水平線を使ったデイトレ手法~

ここまでは、ピンバーを使う際に「だまし」を防ぐべく、水平線との組み合わせによるロジックを解説してきました。

水平線はRSIやMACD、RCIのような多くのテクニカル指標とは異なり、パラメータ(設定値)がありません。

そのため、設定値によるトレーダー同士の差がないことで、精度の高いテクニカル指標になりやすいものが、この水平線です。

その上で、採用すべき水平線として、図解してきたように下記の3つが条件になります。

  • 条件1.キリ番と重複する水平線であること
  • 条件2.ロールリバーサル(サポレジ転換)対象であること
  • 条件3.N字波形と重なること

元々引けた水平線に、これら3つの条件が重なることで、ピンバーのだましを限りなく防げる高精度なデイトレードが可能になります。

以下が、今回の事例を1つにまとめた図です。

ピンバーの「だまし」を防ぐ水平線を使ったデイトレ手法

この原理としては、条件1と2では、ラインを引くトレーダーだけでなく引かないトレーダーからも、

・キリ番を狙った逆張りの「買い注文」が増える
・上昇トレンドのサポレジ転換を狙う押し目買いの「買い注文」が増える
・サポレジ転換やキリ番による反発を恐れ「売り注文」が減少する

このような状況になって、売り注文より買い注文の方が大幅に殺到します。

加えて、条件3のN字波形との重複により、ラインを引かないトレーダーからを含めた大勢のトレーダーから、ハッキリとした「上昇トレンド」が意識され新規の「売り注文」が避けられ、押し目買いの「買い注文」が殺到するわけです。

そして、このような条件1~3に、ピンバーが加わることで、水平線での反発が「より確定的」になるので、これ以上の逆行がほぼ有り得ない高精度(勝率)のデイトレードが実現できました。

改めて、全体像をまとめたものが下の図です。

ピンバーの「だまし」を防ぐ水平線を使ったデイトレ手法

何よりも、高精度でありながら、含み損や損切り幅を大幅に抑えられるため、安全にロットを大きくできるメリットが、このピンバーと水平線を組み合わせるデイトレ手法にはあります。

結局のところ、トレードの収益は『利幅(pips)×ロット(取引数量)』で計算できるため、ロットを上げられるほど、より利益率を高められる利点があるということです。

もちろん、ロットを上げる分、負けた際の損失も大きくなるリスクも否定できません。

ただ、この記事で解説したピンバーと水平線を組み合わせるデイトレ手法のように、

・含み損
・損切り幅

これらを極限まで抑え込めた上で、高い精度(勝率)を出せるロジックであれば、ロットを上げるリスクを避けられるわけです。

その上で、ロットを上げて、利確で得られる大きな利益率の恩恵を受けられるようになります。

実際に、いくつかの条件が「重複」するラインを狙うことで「含み損」「損切り幅」を徹底して抑えつつも、高い精度(勝率)を維持できるロジックによって、下記で掲載していたように1日あたりで10%台以上の利益率を出せていました。

>最初のご挨拶と実績の紹介

私のデイトレ手法を継承した方々も、同じく下記で紹介しているように10%台を超える利益率を1日単位で出せています。

>私のデイトレ手法を使って成果を出された方々の実績と感想

この記事で解説してきた、ピンバーを使うパターンはそれほど出現率がそれほど高くありません。

そのため、この手法のみでは、安定的に2桁台の利率を1日単位で出し続けることは難しいのが実情です。

ただ、ラインの「重複」を狙うパターンは他にいくつもあり、そんな複数のパターンを実践することで、平均して1日に2桁以上の利率を安定して出せていました。

この重複点を狙うデイトレード手法は、下記の無料メールマガジンで1通目にエントリー場所を含めた細かなロジックを、案内資料として公開していますので、ぜひメルマガ登録をご検討頂ければ幸いです。

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以上、最後までお読み頂きありがとうございました。

専業デイトレーダーの会 杉原。

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