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杉原です。
以前の記事では『高勝率の「窓埋め」を利用したFXのデイトレード手法』と題して、窓埋めを狙ったFXのデイトレ手法を、理論を踏まえた上でエントリーから決済までの詳細な条件を解説させて頂きました。
窓埋めに関しての基本的な解説は、上記の記事で図解していますので、必要に応じて参照なさってください。
対して今回の記事では、「窓が埋まった後」の値動きを狙ったFXのデイトレ手法を解説していこうと思います。
上記の記事で解説している手法とあわせて、
・窓埋め前
・窓埋め後
をダブルで取れるようになるので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。
窓が埋まった後に逆方向に発生する「トレンドの初動」を狙ったFXのデイトレ手法
まず、窓に関しては、
「埋まらない窓はない」
と相場の世界で言われるほど、非常に高確率(8,9割)でその日の内に窓が埋まる傾向にあります。
FXで言えば、通常の平日は取引が24時間続いているため、週末明け月曜の早朝にのみ「窓」が発生し、大抵の場合が月曜の内にその窓は埋まっていく傾向です。
私自身が実践および提唱している、窓埋めを利用したデイトレ手法の中でも、本記事では、
「窓が埋まった後、逆方向に始まる『トレンドの初動』を狙う」
というFXのデイトレード手法になります。
エントリー条件
まずは、下図のように窓が埋まる事を確認します。
図(5分足チャート)において、白の太線は窓が埋まる価格帯ですが、『1.ヒゲで戻される』で図示したように、窓が埋まると思いきやヒゲで戻されている事が分かると思います。
この段階では、ヒゲでしか窓が埋まっていない事でまだ窓の埋まりが弱いため、まだまだ窓埋めの方向(図で言えば上昇)に対して意識するトレーダーが少なくありません。
その上で、今回狙う場面は前述のとおり、窓が埋まり切った後の「逆方向」です。
ですので、まずは完全に窓が埋まり、多くのトレーダーが窓埋め方向(上昇)の意識がなくなり、ロング(買い)狙いのトレーダーがいなくなるレベルまで「待ち」ます。
その後、下図のように『2.実体で窓埋めが確定』において、ヒゲではなく実体でしっかり窓を埋めました。
ここで初めて窓埋めの確定を認識するわけです。
ヒゲだけではなく実体でも窓が埋まる事で、多くのトレーダーが
「すでに窓は埋まり切った」
と判断し、窓埋め方向(上昇トレンド)への意識が一気に少なくなります。
ただ、だからと言って、この時点ですぐに逆張りでエントリーしてしまうのは、理に適っていません。
なぜなら、まだ窓が埋まった事でロング(買い)が減っただけに過ぎず、決してショート(売り)を意識するトレーダーが増えたわけではないからです。
そこで、買いを意識するトレーダーが、窓埋めの完了で一時的に減った事に合わせ、続いては売りを意識するトレーダーが増えるまで待ちます。
そんなショート(売り)を意識するトレーダーが増えるには、明確な下降トレンドの発生を確認することがベストです。
その後、下図『3.前回の高値と、前回の安値がともに切り下がっている「下降トレンド」の発生』で図示したように、明確な下降トレンドが発生した事の確認ができました。
対して上昇トレンドの定義は、高値同士、安値同士がそれぞれ下図のように切り上がっていることです。
この段階で、多くのトレーダーが上昇トレンドが終わり、下降トレンドが発生し始めた事を認識しだします。
ただ、この段階ではまだ、ダウ理論に基づいたトレンド定義が成立しただけに過ぎません。
もちろん、多くのトレーダーがショート(売り)を意識するような状況になってはいます。
しかし、より精度を高めるためにも、さらに多くのトレーダーがショート(売り)を意識しているかどうかを確認した方が無難です。
そこで、より多くのトレーダーがそのトレンドを意識しているかどうかを明確に判断することができる指標として、「トレンドライン」を推奨していました。(図の『4.トレンドライン』を参照ください)
明確にトレンドラインが引ける事によって、多くのトレーダーがそのトレンドを意識することになります。
その結果、ショート(売り)を意識をするトレーダーが一気に増え出し、下降方向へと高確率で値動きが発生するわけです。
その上で、さらにトレンドラインが「チャネルライン」として引ける状況をベストとしていました。(図の『5.チャネルライン』を参照ください)
チャネルラインは図示してあるとおり、トレンドラインと平行なラインが引いて綺麗なN字にチャートが動いている事を認識できます。
N字の値動きはチャートパターンとして非常に多くのトレーダーに意識されるパターンにほかなりません。
そのため、単にトレンドラインが引ける状況よりもチャネルラインが引ける事により、遥かに多くのトレーダーがそのトレンドを意識するようになります。
よって、チャネルラインが引ける方が、図で言うところのショート(売り)を意識するトレーダーが劇的に増えるため、ショートでのエントリーが高勝率になるというわけです。
最後に下図『6.エントリー』にあるとおり、チャネルラインが成立した最初の頂点(高値)でショートをします。
以上がエントリー条件と、その背景にある具体的な理論でした。
ここまでの流れを下記にまとめましたので、改めてご確認頂ければと思います。
- 窓埋めが完了した事でロング(買い)を意識するトレーダーが減った
- 窓が埋まった後に高値同士と安値同士がともに切り下がり、ダウ理論に基づく下降トレンドが発生した事で、ショート(売り)を意識するトレーダーが増えた
- さらに下降トレンドとしてトレンドラインを引ける事で、より多くのトレーダーがショート(売り)を意識する
- それに加え、下降トレンドのチャネルラインが引ける事により、綺麗なN字が目視され、より多くのトレーダーがショート(売り)を意識するようになる
- チャネルラインが成立した最初の頂点でショート
以上がエントリーのまとめでした。
続いては、利確と損切りについて解説させて頂きたいと思います。
利確の条件
チャネルラインが成立している以上、相対するラインに触れるまではポジションを持ち続けるというトレーダーが決して少なくありません。
ただ、前回安値の地点で、一旦ポジションを解消するトレーダーが少なからず現れ始めます。
押し目買いや戻り売りにおいて、前回の高値や安値で一度、利確をするというのが一般的な戦略となっている傾向にあるからです。
ですので、下図で言えば前回安値として引いた白太線で、一旦、売り優勢の状況が弱まるため、この時点で『7.利確』にあるとおり利確してしまいます。
図では、前回安値を超えて、トレンドラインと相対する平行なライン(アウトライン)まで下降しているものの、先ほど触れたとおり、前回安値の時点でポジションを解消するトレーダーが現れ始めるため、一旦下げの優勢が弱まる事は確かです。
そのため、
・前回安値で利確
・アウトラインで利確
する場合では、明らかに前者の「前回安値で利確」した方が勝率が高まるというわけです。
もちろん、アウトラインまでポジションを持てば、その分だけ利幅は広がるものの、利確までに掛かる時間が非常に長くなることは避けられません。
早く利確してしまえば、その後、別のデイトレ手法でチャンスが来た際に、すぐさまエントリーができるので、トータルの利益率を向上させられる事が見込めます。
また、「前回安値」と「アウトライン」で利確した場合でも、それほど大きく利幅に差が出るわけではありません。
以上を踏まえ、前回安値で利確することがベストとして推奨していた次第です。
損切りの条件
続いては、利確に対して損切りについての解説です。
エントリーに利用したチャネルライン(トレンドライン)が実体でブレイクした段階で「損切り」します。
少なくとも、チャネルラインが崩れた時点で、この下降トレンドを意識するトレーダーが一気に減り始めるからです。
仮にトレンドラインが上昇方向にブレイクされ始めれば、
・下降トレンドを意識するトレーダーが減る
・逆に上昇トレンドの初動をとらえようとするトレーダーが増える
ということが考えられるため、その後、一気に上昇トレンドが始まりだす危険性があります。
そこで、トレンドラインが上昇方向にブレイクされた段階で、即座に損切りをしておけば、これから始める上昇トレンドの波に巻き込まれて大損する事を避けられるわけです。
何より、損失幅を限りなく少なくできるため、リスクリワード(損失:利益)で見ても1:2~3は見込めます。
その上、損切りになる場合は、エントリーから早い段階でラインがブレイクされて損切り条件になるため、
・勝率
・リスクリワード
に加えて、時間効率も悪くありません。
前述のとおり、短い時間でトレードを完結できれば、別のデイトレ手法でチャンスが来た場合に、すぐさまエントリーし、トータルの利益率を高められるという大きなメリットがあります。
以上を踏まえた上で、チャネルライン(トレンドライン)が逆方向に実体でブレイクした段階で「損切り」するというのが、損切り条件としてベストだと考えていました。
ヒゲではなく「実体」としているのは、ヒゲでブレイクしただけでは、まだラインの中に戻ってくる可能性があるため、5分足の実体でブレイクが確定した時点を損切り条件としていた次第です。
まとめ。窓埋め後を狙った高勝率のデイトレード手法。
本記事では、窓埋め後にトレンドが反転した際の「初動」を狙ったFXのデイトレ手法を解説してきました。
下記に、エントリーから決済までの流れをまとめますので、ぜひ上図とあわせてご確認ください。
- 窓埋めが完了した事でロング(買い)を意識するトレーダーが減った
- 窓が埋まった後に高値同士と安値同士がともに切り下がり、ダウ理論に基づく下降トレンドが発生した事で、ショート(売り)を意識するトレーダーが増えた
- さらに下降トレンドとしてトレンドラインを引ける事で、より多くのトレーダーがショート(売り)を意識する
- それに加え、下降トレンドのチャネルラインが引ける事により、綺麗なN字が目視され、より多くのトレーダーがショート(売り)を意識するようになる
- チャネルラインが成立した最初の頂点でショート
- 前回の安値で利確
- チャネルライン(トレンドライン)を逆方向(上昇方向)に5分足の実体でブレイクされた時点で損切り
以上がエントリーのまとめです。
本記事の例ではショートでしたが、ロングの場合は「売りと買い」「上昇と下降」が逆になるだけで、まったく同じ流れになります。
今回の記事で使った「トレンドライン」に関して、ラインの反発ではなく「ブレイク」によって大きな利益を出すデイトレ手法を確立し、記事の中でエントリーから決済までの図解を公開していました。
良ければ下記のリンクからご覧になってみてください。