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杉原です。
今回の記事では、読者さんから寄せられたレビュー依頼の中で、『マックス岩本1秒スキャルFX』という情報商材を取り扱っていきたいと思います。(販売ページURL:http://max-trader.s3.amazonaws.com/top/it.html)
この『マックス岩本1秒スキャルFX』は、クロスリテイリング株式会社から販売されている、スキャルピング関連のツール+教材になっており、デイトレードのトレードロジックです。
実際にコンテンツを見ても、デイトレードの中でも秒単位のトレードスタイルであるスキャルピングに特化しているものでした。
ただ、FXのデイトレードで稼ぎたい、専業デイトレーダーを目指したいという場合は、この『マックス岩本1秒スキャルFX』という情報商材は決してオススメができません。
以下が、率直な理由です。
- トレードロジックが破綻している点
- 意味不明な実績が公開されている点
今回の記事では、上記2つを主として、『マックス岩本1秒スキャルFX(クロスリテイリング株式会社)』のレビューを行っていきたいと思います。
ほかのデイトレード手法を検討されたり、ご自身でFXのデイトレード手法・ロジックを考える際にも参考になると思いますので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。
それでは早速いってみましょう。
トレード手法・ロジックが破綻?マックス岩本1秒スキャルFX(クロスリテイリング株式会社)
冒頭でも触れたとおり、『マックス岩本1秒スキャルFX』で語られているトレード手法・トレードロジックは「破綻」していると私は率直に感じました。
『マックス岩本1秒スキャルFX』ではトレードのエントリー判断に使えるツールとして、下記の独自インジケーターが用意されています。
- マックス・ジャッジメント
- マックス・アベレージ・キャンドル
- マックス・シングル・ボリンジャー
こらら3つの独自インジケーターによって、エントリーの判断を行うというのが、『マックス岩本1秒スキャルFX』におけるトレードの戦略になるわけです。
一見すると、「有効そうな名前」が付けられた独自インジケーターですが、それぞれ3つがロジックの「破綻」を生んでいるという印象を受けました。
1つずつの独自インジケーターを掘り下げつつ解説いたします。
マックス・ジャッジメント~通貨の強弱判定~
まず1つ目の独自インジケーターですが、下図のように通貨の強弱を判定するものになります。
強いほど「上昇トレンド」の傾向があり、逆に弱いほど「下降トレンド」の傾向があるので、強い通貨ペアをロングのエントリー候補とし、その反対に、弱い通貨ペアをショートのエントリー候補としていくわけです。
FXのデイトレードを行う通貨ペアを選ぶ段階から慎重にいくわけなので、この時点では「有効そう」と思われるかもしれません。
ただ、いざFXのデイトレードを行う際に、この『マックス・ジャッジメント』で選定した通貨ペアのトレンドはすでに終わりを迎えている可能性があります。
なぜなら、『マックス・ジャッジメント』の強弱判定では、
強い通貨ペア(ロングでFXのデイトレを行う候補)
弱い通貨ペア(ショートでFXのデイトレを行う候補)
を割り出す仕組みであり、
強ければ強いほど上昇トレンドが過渡期
弱ければ弱いほど下降トレンドが過渡期
である可能性が非常に高くなるからです。
つまり、すでにトレンドが終わりに近い通貨ペアを選定してしまう危険性があります。
トレンドが終焉に近い通貨ペアは、大きな反転により逆行する可能性が高まるため、そんな通貨ペアを選定する時点で『マックス岩本1秒スキャルFX』はロジックが破綻していると言っても過言ではありません。
加えて、トレンドが過渡期になっている場合、その通貨ペアでエントリーするトレーダーは少なくなる傾向にあるため、テクニカル分析の優位性が薄くなってしまいます。
そもそも、テクニカル分析は「統計」であり、その通貨ペアをトレードしようとするトレーダーが少ないほど、統計で言う分母=母数が少ないという事なので、テクニカル分析が効きにくくなるからです。
よって、すでにトレンドが終わりに近い通貨ペアを選んでしまうだけではなく、そもそもテクニカル分析の効き目が弱い通貨ペアを選んでしまう危険性があるので、デイトレードの対象とする通貨ペアの選定段階で『マックス岩本1秒スキャルFX』のロジックが破綻していると感じました。
マックス・アベレージ・キャンドル~平均足ベースの押し目買い・戻り売り狙い~
この『マックス・アベレージ・キャンドル』は、下図のように平均足をベースとしている独自インジケーターです。
ただ、独自インジケーターと言っている割には、通常の移動平均線(MA)とほぼ同じ機能に過ぎません。
これはほかのブロガーさんが検証しており、下図のように『マックス・アベレージ・キャンドル』と短期(20本~25本)の移動平均線を同時に表示させると、移動平均線に『マックス・アベレージ・キャンドル』がほぼ一致しています。
参照(https://tousikaxkondou.com/?p=741)
要するに、独自性をアピールしているものの、この『マックス・アベレージ・キャンドル』はただの短期移動平均線と同等のインジケーターでしかないということですね。
また、下図のように色が変わるタイミングがエントリーのチャンスという謳い文句があります。
ただ、この色の変化に関しましても、改めて先ほどの図(再度、下に示します)をご覧頂ける分かると思いますが、単に移動平均線の向きが変わるタイミングで、『マックス・アベレージ・キャンドル』の色も合せて変わっているに過ぎません。
もちろん、移動平均線の向きに対して順張りのデイトレードを行う視点で、色が変わるタイミングに合わせ、押し目買いや戻り売りを行うロジックはそれなりに有効性があります。
しかし、トレンドが出ていなければ色の変化は頻繁に次々と起こってしまうため、「明らかなトレンド相場の時だけ」でしか、有効には成り得ません。
そのため、FXのデイトレードを行う上で避けられないスプレッドを含めて、繰り返し損切りを行わざるを得ない状況が想定されるわけです。
細かい利確をしようとしても、結局はスプレッドがあるため、利益になるどころか逆に損切りになる可能性も否定できません。
要するに、この『マックス・アベレージ・キャンドル』の色が変わるタイミングでのデイトレは効果がある可能性があるものの、明確なトレンドが出ている時のみだということです。
そもそも相場の7割以上はレンジ相場と言われるだけあり、そんなトレンド相場は3割程度の遭遇率でしかありません。
つまり、FXのデイトレードを行う上で相場の3割程度でしか、この『マックス・アベレージ・キャンドル』をもとにした『マックス岩本1秒スキャルFX』のトレード手法・ロジックは使えないということです。
もちろん、その3割の相場状況を狙っていく事は不可能ではないと思います。
しかし、前述した1つ目の独自インジケーターである『マックス・ジャッジメント』で選定した、FXのデイトレ対象とする通貨ペアは、「すでにトレンドが終焉である可能性が高い通貨ペア」です。
ですので、余計にこの『マックス・アベレージ・キャンドル』の色が変わるタイミングでのデイトレ手法・ロジックは、有効性が低いと感じました。
販売ページを見れば、下図のようなトレンドが出ている画像が貼り付けられており、一見すると「勝てそう」に感じるかもしれません。
販売ページから拝借した上図を見れば有効そうに感じられなくもないですが、このような明確なトレンドは滅多に現れず、この画像は、上手くトレンドが発生している際の状況を引っ張てきただけでしかないと率直に思います。
加えて、『マックス・ジャッジメント』で選定した通貨ペアはすでにトレンドが終わりに近い可能性が高いため、余計に上図のような明確なトレンド相場には巡り合わない可能性が高いということです。
そして、そんな明確なトレンド相場に巡り合えなければ、『マックス・アベレージ・キャンドル』をベースにした『マックス岩本1秒スキャルFX』のトレードロジックはほぼ破綻しているのではないかと感じました。
マックス・シングル・ボリンジャー~デイトレのエントリーポイントを絞り込む~
3つ目の独自インジケーターである『マックス・シングル・ボリンジャー』ですが、実際にFXのデイトレードを行う上で、先ほどの『マックス・アベレージ・キャンドル』で割り出した、
押し目買い
戻り売り
のエントリーチャンスを絞り込む役割になっています。
要するに、『マックス岩本1秒スキャルFX』のトレードロジックは、
1.『マックス・ジャッジメント』でFXのデイトレ対象の通貨ペアを選定
2.『マックス・アベレージ・キャンドル』で押し目買いまたは戻り売りのチャンスを判定
という流れを経た上で、この3つ目のインジケーターである『マックス・シングル・ボリンジャー』で、最終的な判断を下すようです。
下図が、『マックス・シングル・ボリンジャー』を表したものになります。
その上で、『マックス・シングル・ボリンジャー』は、既存のボリンジャーバンドから一部機能を切り取ってレベルのインジケーターでしかありません。
一目均衡表などのような複雑で機能が多いテクニカル指標であれば、一部機能を切り取る事も有効かもしれませんが、そもそもボリンジャーバンドは非常にシンプルなテクニカル指標です。
ですので、すでに無駄がそぎ落とされているシンプルなテクニカル指標をさらに切り取っているという『マックス・シングル・ボリンジャー』には特に優位性を感じません。
そのため、逆に『マックス・シングル・ボリンジャー』を使わず、通常のボリンジャーバンドを使った方が良いのでは?と思うほどです。
単純に販売側であるクロスリテイリング株式会社さんは、インジケーターの独自性をアピールすることで、この『マックス岩本1秒スキャルFX』の売れ行きを伸ばそうとしたのかもしれません。
ただ、実際のデイトレードにおいては、すでにシンプル過ぎる通常のボリンジャーバンドから、あえて機能を切り取るようなことは「無意味」どころか「逆効果」ではないかと率直に感じた次第です。
FXのデイトレにおけるエントリー場所を絞り込むために『マックス・シングル・ボリンジャー』を使うようですが、ベースにあるボリンジャーバンドの機能を上手く使えていないため、エントリー場所を有効に見つける事が難しくなっていると思いました。
マックス岩本1秒スキャルFXの実績が意味不明?
私はこの『マックス岩本1秒スキャルFX』の販売ページを目にした段階で、実績が率直に意味不明と感じました。
まず、下図のように月間約500万のトレード収益を大々的にアピールしているものの、トレード資金がいくらかは明確に明かされていません。
結局のところ、いくら稼いだかよりも、いくらの資金で達成しているかによる「利益率」の方が重要になります。
なぜなら、「月500万を稼ぎました」と言っても、8,000万のトレード資金での達成であれば、単に月の利益率は10%以下でしかありません。
もし、その程度の利益率であれば、ハッキリ言って情報商材として約3万の価格で売り出す価値はないと思いました。
もちろん、実際のトレード資金は「不明」ですが、ここまで大々的にアピールするのであれば、特にトレード資金を隠す意味がありません。
少ないトレード資金で、月にどれくらい稼げているかをアピールする方が、『マックス岩本1秒スキャルFX』の売れ行きは単純に上がると考えられるからです。
また、何人か実践者と「自称」されている方々の顔写真がコメントとあわせて販売ページ冒頭に掲載されていましたが、特にどれくらい稼げたかの実績がありません。
販売ページ上ではツールによって「学ぶ前に稼げる」と豪語しているにも関わらず、冒頭で顔出ししている実践者の声では一切の実績がないわけです。
ですので、『マックス岩本1秒スキャルFX』が実際に稼げないという事を販売側であるクロスリテイリング株式会社さんも認識しているからこそ、実践者に対して実績を求めなかったのかもしれません。
ただ、クロスリテイリング株式会社さんは、従業員やバイトを雇い、顔出しをさせているという「都市伝説」もあり、そもそも販売ページにある実践者の声は単なる「でっち上げ」の可能性もあるということです。
また、月500万の実績、顔出しコメントに加え、下図のように表計算ソフト「Excel」で作ったかのような意味不明な実績も掲げられていました。
当然ながら、Excelで実績をアピールしようとも、いくらでも販売側が「作れる」ため、トレード実績を証明するものには成り得ません。
要するに、架空のトレード実績である可能性が高いということです。
さらに、下図のようにチャートに獲得pipsを掲載した画像も販売ページで大々的にアピールされていました。
これも残念ながら、実際のトレード実績とは言えないもので、後からチャートを振り返った上で、
「この状況なら、これくらいのPipsが獲得できた」
という後付けでしかないと思います。
もちろん、この画像が、『マックス岩本1秒スキャルFX』のロジックを使ったFXのデイトレード実績の可能性を完全に否定するわけではありません。
客観的に見れば後付け画像でしかないものの、本当かどうかは販売側でしか分からないからです。
ですが、売れ行きを伸ばしたいはずのクロスリテイリング株式会社さんからすれば、チャートに獲得pipsを掲載する際に、その時のトレード実績をあわせて掲載すれば良い話だと思います。
そうした方が、明らかに購入を検討する側からすれば、『マックス岩本1秒スキャルFX』への信用が高まる事で購入意欲が増し、この情報商材の売れ行きが伸びると想定できるからです。
にも関わらず、単にチャートに獲得pipsを書き込むだけのアピールを行うということは、
「実際のトレード実績ではないからなのか」
と私は率直に感じました。
総括。マックス岩本1秒スキャルFX(クロスリテイリング株式会社)のレビュー
以上、クロスリテイリング株式会社さんが販売している『マックス岩本1秒スキャルFX』の率直なレビューでした。
記事内容のまとめになります。
まず、
マックス・ジャッジメント
マックス・アベレージ・キャンドル
マックス・シングル・ボリンジャー
などの独自インジケーターをもとにするFXのデイトレード手法であるものの、これらのインジケーターそのものの有効性が極めて「低い」いと解説いたしました。
『マックス・ジャッジメント』にて通貨ペアを選定する段階ではすでに「トレンドが終わっている」可能性が高くなります。
そして、そんな通貨ペアに対して、『マックス・アベレージ・キャンドル』では明確なトレンド相場でしか通用しないロジックを展開しており、トレードロジックそのものが破綻していると感じた次第です。
さらに『マックス・シングル・ボリンジャー』ではエントリー場所を絞り込むわけですが、これは既存のボリンジャーバンドから機能を一部切り取った程度の独自インジケーターでしかありません。
元々がシンプルなテクニカル指標であるボリンジャーバンドから、一部を切り取るという意味はなく、それどころか「逆効果」に成り得るため、エントリー場所を絞り込む事が上手くできない可能性が非常に高くなるわけです。
以上から、そもそも『マックス岩本1秒スキャルFX』のトレード手法・ロジックが破綻しているという印象を抱きました。
加えて、FXのデイトレード実績も意味不明な点が多数あり、クロスリテイリング株式会社からすれば、『マックス岩本1秒スキャルFX』は単に売るためだけに「付け焼き刃」で作り上げた情報商材でしかないのかもしれません。
稼ぐFXのデイトレード手法を提供するという目的であるならば、納得して購入して頂くために意味不明な実績画像は掲載しないと思いますし、そもそも本記事で解説したようなトレード手法・ロジックの破綻がないものを提供するはずだからです。
『マックス岩本1秒スキャルFX』の購入価値はあるのか?
実際のマニュアルにおいて、最終的なエントリー判断は、トレーダー任せの部分がありました。
要するに、購入者側から「稼げません」と言われても良いように、販売側のクロスリテイリング株式会社さんは意図的に「逃げ道」を作っているのではないかと感じた次第です。
ハッキリ言って、最終的なエントリー判断を購入者(トレーダー)任せにするツール有りきの情報商材は、価値がないのではないかと私は思います。
そもそも『マックス岩本1秒スキャルFX』は販売ページで、
「学ぶ前に稼げてしまう」
という事を豪語しているわけですから。
その時点で、エントリー判断をトレーダー任せにすることは、論理が破綻している気がします。
もちろん、そうは言っても、『マックス岩本1秒スキャルFX』の価値が完全に0というわけではありません。
この『マックス岩本1秒スキャルFX』をベースに、ご自身でデイトレード手法の構築を行う事は決して不可能ではないからです。
しかし、この情報商材においてメインとなっている付属ツールの、
マックス・ジャッジメント
マックス・アベレージ・キャンドル
マックス・シングル・ボリンジャー
という独自インジケーターは、下記のように、「無料」で代替が可能になります。
- マックス・ジャッジメント
→ネット上にある無料の「通貨強弱判定ツール」 - マックス・アベレージ・キャンドル
→20本や25本移動平均線 - マックス・シングル・ボリンジャー
→普通のボリンジャーバンド
要するに、わざわざ『マックス岩本1秒スキャルFX』を3万ほどの「資金」を払ってまで、上記の独自インジケーターを手にする必要はないということです。
その上、ベースとなる手法は、本記事で明かしたとおりですので、特に『マックス岩本1秒スキャルFX』を購入する価値はないのかな、というのが私の率直な意見になります。
以上、今回は『マックス岩本1秒スキャルFX』のレビューを行いました。
この情報商材は一見すると使えそうな独自ツールが付属していますが、すべて無料で代替可能な上に、語られているFXのデイトレード手法・ロジックがそもそも破綻しているという事で、決して推奨はできません。
実際に稼げているのは購入したトレーダー側ではなく、商材の販売収益が入る販売側のクロスリテイリング株式会社さんや、『マックス岩本1秒スキャルFX』をアフィリエイト(紹介)して紹介料を貰っているブロガー・アフィリエイターに限られているのではないかと思いました。
この『マックス岩本1秒スキャルFX』は、多くのブログなどで推奨されているからこそ有名な情報商材になっていますが、本記事で明かした内容が実態かと思います。
当ブログでは、10%前後の利益率をトレード1回あたりで出しているデイトレ手法を、記事の中で解説していました。
実際のチャートを使って、エントリーから決済まで図解しているので、ぜひ以下の記事も併せてご覧になってみてください。
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