杉原です。

この記事を書いている今、ついにドル円は32年振りに147円台の過剰に思える円安にあります。

このようなFX相場の状況を受けて、

「デイトレードにはどのような影響がありますか?」
「デイトレードには悪影響がありますか?」

という相談をメルマガ読者さんから数多く寄せらていたこともあって、この記事を介して共有しようと思い文章を書いている次第です。

その上で早速の結論ですが、デイトレードにおける稼ぎの指針である『利益率』には、特に悪影響は無いというのが私の持論となります。

実際、私自身としては過剰に感じるレベルの円安相場でも、特に利益率は以前と変わりありません。

その根拠としてこの記事では、過剰に思えるような円安相場がデイトレードに及ぼす影響を挙げながら、メリットとデメリットを解説させて頂きます。

メリットとデメリットが混ざっている影響があるため、理解しやすくする上で、あえてメリットとデメリットで分けずに、円安がデイトレに与える影響の項目を挙げていく流れになることをご了承ください。

円安が及ぼすデイトレへの影響1.ボラティリティが大きくなる

まずデイトレードへの目立つ影響としては、ボラティリティ、いわゆる値動きが大きくなる点です。

ドル円(USD/JPY)はもちろん、ポンド円(GBP/JPY)やユーロ円(EUR/JPY)、オージー円(AUD/JPY)もドル円の影響を受けるため、同じく値動きが大きくなる傾向にあることは間違いありません。

そもそも上記の「クロス円」はドル円から成る合成通貨ペアだからです。

ちなみに、ポンド円やユーロ円に比べるとオージー円はマイナーですが、普段は80円前後を推移していたものの、ドル円の影響を受けて90円台まで上昇していました。

その上で、ボラティリティ(値動き)が大きくなると、デイトレードの利益率にはどのような影響があるかのかと考えると、まずは利幅が広がるというメリットに繋がっていきます。

円安が進む前の今まで以上に、獲得できる利幅が大きくなるということは、そのまま利益率の向上になるということです。

もちろん、利幅広がることとは逆に、逆行する際の「含み損」「損切り幅」が広がってしまうデメリットも否定できません。

ボラティリティ(値動き)が大きくなるということは、エントリー方向とは逆方向への値動きも、等しく大きくなるはずだからです。

ですが、この「含み損」「損切り幅」が広がるというデメリットは、取り組むデイトレード手法によって、

・回避すること
・抑え込むこと

が可能と言えます。

なぜなら、損切りのタイミングはトレーダー自身が決めれますし、含み損を抑えたまま勝率を上げるロジックの開発もトレーダーの努力次第になり、つまりはデイトレ手法によってカバーできると言えるからです。

含み損を徹底的に抑え込みながら勝率を大きく上げているロジックとして、下記の記事でエントリー場所を含めてデイトレード手法を解説していますので、良ければ下記もお読みになってみてください。

>含み損ほぼなし。キリ番を利用した聖杯に近いFXのデイトレ手法。

以上から『円安が及ぼすデイトレへの影響1.ボラティリティが大きくなる』による影響は、利幅が広がることで利益率の向上に繋がるメリットがあり、トレーダー次第で「含み損」「損切り幅」が広がるデメリットを防げることから、メリットの方が明らかに大きいと私は考えています。

円安が及ぼすデイトレへの影響2.必要証拠金が高くなる

まずドル円のレートが上がる以上、必然的にドル円は必要証拠金が高くなります。

そもそも必要証拠金は、

必要証拠金 = 通貨単位 × レート ÷ レバレッジ

という計算式であり『レート』に比例して高くなっていくからです。

そんな必要証拠金が高くなると、どんなレバレッジだろうと関係なく、証拠金維持率が不利(低下)になります。

証拠金維持率が下がるため、取り組むデイトレード手法によっては、普段よりもロットを下げなければ、各FX業者が設定している『強制ロスカット』が執行され、強制的に行われる損切りによって大損を受けるかもしれません。

要するに、必要証拠金が高くなる分だけ、証拠金維持率が下がって強制ロスカットが執行される危険性が普段より高まるということです。

ただ、海外FX業者を利用したゼロカットを前提として取引で、よほどギリギリまでロットを上げてトレードしない限り、それほど強制ロスカットになる可能性が今までと比べて高まることはありません。

また、仮にそのようなゼロカットを前提としたロットを極限まで上げるデイトレ手法であっても、ゼロカットの条件が『証拠金維持率0%』であれば、特に強制ロスカットになる確率が高まらないようになっています。

と言いますのも、まず証拠金維持率20%などの条件であれば、証拠金維持率が20%を下回るタイミングを自動計算されてロスカットが強制で執行されるものの、

そもそも証拠金維持率0%という条件は「証拠金」が0円になった段階になることで強制労働が発動する

という仕組みだからです。

ですので、必要証拠金の値段が高くなっても「証拠金が0円になる」というタイミングは証拠金維持率に関係がなくなるので、円安で必要証拠金が高くなっても、証拠金維持率0%というロスカット条件であれば、特に今までと比べて強制ロスカットになる確率が高まらないようになっています。

そんな強制ロスカット条件が「証拠金維持率0%」という設定をしていながら、最高レバレッジが21『億』倍になっている海外FX業者として、Exness(エクスネス)を推奨していました。

実際に私自身が使い込んでいる業者さんで、下記の記事で詳しい紹介をしているので、興味がありましたら一度お読みになってみてください。

以上、必要証拠金が高まる影響で「強制ロスカットされる危険性」が高まるケースは、そもそもゼロカットを前提にトレードをするような手法に限られ、仮にそのような手法であっても「証拠金維持率0%」がロスカット条件の海外FX業者を選べば、特にデメリットにはならないという解説になります。

補足〜ドル円以外の場合〜

ここでは円安によってドル円のレートが上がるため、ドル円の必要証拠金が高くなるという前提で解説をしてきました。

ただ、必要証拠金の高騰はドル円に限らず、ドル円のレート上昇に影響されてポンド円/ユーロ円などのクロス円もレートが上昇して必要証拠金が高くなることがあります。

特にクロス円のオージー円は、ここ数年は普段70円台や80円前後が長く続いていたものの、この記事を書いている現在では90円台までレートが上昇しており、それに比例して必要証拠金が高くなったわけです。

しかし、ポンド円で言えば、合成元のポンドドルのレートが異常に下がったことで、160円台から150円台まで下がり、特に普段と変わらない必要証拠金になっていました。

(もちろん今後、再び160円台まで上昇し、必要証拠金が高まる可能性もあります。)

以上、必要証拠金が高まる通貨ペアはドル円だけではなく、クロス円も該当する可能性が十分にあるという補足でした。

円安が及ぼすデイトレへの影響3.円関連の通貨ペア以外でボラティリティが下がることがある

円安相場で円の売りが激しくなると、ドル円をはじめクロス円などを含めて『円』が関わる通貨ペアが、普段よりも多く取引される傾向にあります。

先ほども書いたように、円関連の通貨ペアのボラティリティ(値動き)が大きくなることで、トレード対象にするトレーダーが増えるからです。

そのため、普段はユーロドルなどのドルストレートに流れていた資金が、ドル円やクロス円に流れていくようになります。

その結果、ユーロドルをはじめとするドルストレートなどの円以外の通貨ペアでは、ボラティリティが一時的に低下して、普段よりも獲得できる利幅が少なくなる傾向があるわけです。

円以外のドルストレートなどをメインに取引していた場合、このような、

ボラティリティの低下→利幅の低下

という流れはデメリットになるかもしれません。

ただ、ドル円やポンド円、ユーロ円など、逆にボラティリティが高まっている通貨ペアでは「反対に利幅が増える傾向にある」ことは間違いないです。

ですので、仮にドルストレートなどの通貨ペアで、円安の影響からボラティリティの低下→利幅の現状が起きても、ドル円やクロス円で利幅が広がっていれば、利幅の増減はプラスマイナス0に近くなります。

よって、ドルストレートだけに限らずドル円やクロス円など、複数の通貨ペアを取引するれば、特にデメリットにはならないわけです。

逆に、ボラティリティが大きくなることで利幅が広がる円関連の通貨ペアを取引すれば、デメリットではなくメリットに繋がっていくと思います。

まとめ:FXのデイトレにおける円安の影響〜メリットとデメリット〜

以上この記事では、円安が与えるFXのデイトレードへの影響から、メリットとデメリットを考察いたしました。

その上で、円安が特にFXのデイトレードに対して「悪影響」は無いという結論をさせて頂いた次第です。

以下が当記事のまとめになります。

  • 1.ボラティリティが大きくなる→利幅が大きくなるメリット(「含み損」「損切り幅も大きくなるが、デイトレ手法のロジック次第で回避できる)
  • 2.必要証拠金が高くなる→証拠金維持率が下がるものの、ゼロカット前提で異常に大きなロットで取引しない限り特に影響はない(そんなハイレバレッジで取引しても、強制ロスカット条件が「証拠金維持率0%」の業者であれば証拠金維持率の低下は関係がなくなる)
  • 3.円関連の通貨ペア以外でボラティリティが下がることがある→ドル円やクロス円など、ボラティリティが高くなり利幅を多く取れるような通貨ペアに、取引対象を切り替えれば、デメリットではなくメリットになる

3つ目のドルストレートなどでボラティリティが下がる可能性がある影響では、普段からドルストレート限定でしか取引していないトレーダーにとっては、もしかするとデメリットになるかもしれません。

しかし、特定の通貨ペアのみにトレード対象を限定していると、2022年に起きている過剰に思える円安相場のような、異常な相場になった際には、ボラティリティの増減により普段なら取れていた利幅が取れずに利益率の低下に繋がる可能性が大いにあります。

今回の例で言えば、ユーロドルしか普段は取引していない場合、ドルストレートのボラティリティが下がることで平均的な獲得できる利幅が狭くなり、利益率が普段よりも下がってしまうということです。

ですので、常に安定して利益率を維持していきたい場合、普段から特定の通貨ペアだけにトレード対象を限定せず、複数の通貨ペアを扱っていくことを推奨していました。

含み損が少ないロジックを徹底しつつ、相場状況に応じてボラティリティが高い通貨ペアを取引すれば、利幅を普段よりも多く取れ、それが利益率の向上に繋がるメリットになっていきます。

基本的に、FXの相場は、

・米ドル
・ポンド
・円
・ユーロ
・オージードル

など、常にどこかの通貨にお金が流れているので、特定の通貨ペアが普段よりボラティリティが低くても、逆に別の通貨ペアが大きな値動きになってチャンスとなるケースも少なくありません。

(正月やお盆、日本時間の深夜〜早朝など、参加トレーダーが少ない状況はボラティリティが低下するので除きます)

以上から、FXのデイトレードで安定した利益率を狙うためには、普段から複数の通貨ペアでも不変的に通用するデイトレ手法に取り組み、ボラティリティが高い通貨ペアを狙っていくことが重要となるわけです。

ただ、ボラティリティ=値動きが大きくなると、利幅が広がる分、逆行した際の「含み損」や「損切り幅」も広がるリスク=デメリットがあることは否定できません。

しかし、そんな含み損/損切り幅が広がることは、取り組むデイトレ手法のロジック次第で、いくらでも回避ができます。

実際、私自身が1日換算で10%以上の利益率を安定的に出しているデイトレ手法では、複数の通貨ペアを扱い「含み損」を限りなく抑えたロジックを組み込んでいました。

具体的なエントリー場所を含めたロジックを公開していますので、良ければご覧になってみてください。

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杉原。

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