杉原です。

重複点テクニカルの実践者さんから「プライスアクション」について質問を頂き、共通性の高い内容だったため、この記事を通じて共有したいと思います。

基本的に重複点テクニカルでは、ローソク足の完成を待たずに「途中」の優位な位置でエントリーを行っています。

ただ、一部、エントリー条件として設定している「反転指数が4点」という条件の内、1点にピンバーを加算して良いとしていました。

その上で、プライスアクションは、トレンドラインや水平ライン、キリ番などとは異なり、

見ている時間足によって差が生じる

ということが避けられません。

そのため、トレンドラインや水平ライン、キリ番などとは違って「プライスアクションは優位性に欠けるのではないか?」という質問や「もし優位性があるのなら、逆向きのピンバーが出たら決済すべきか?」という質問を頂いたわけです。

このような趣旨の質問に対して、プライスアクションの有効性/優位性にも触れながら解説させて頂きました。

ピンバーについて

私自身、プライスアクション「だけ」でのトレードは特に推奨していません。

あくまでも「回避ルール(フィルター)」をすべてクリアした上で、かつ、反転指数が3点ある状態(条件である4点の内3点)でのピンバーのみを現時点で取り入れていました。

ロングの例で言えば、短期のトレーダーはもちろん、中長期のトレーダーにしても、

・回避ルールのクリア(フィルター)
・反転指数4点の内の3点をクリア

の時点で、多くのトレーダーが「売り注文」を避けて「買い注文」を出す傾向にあります。

そのような状況だからこそ、よりベストなタイミングを図る上で、ローソク足の形状=プライスアクションの有用性が発揮される傾向にあるわけです。

ですので、エントリー後に逆向きとなる5分足の逆向きとなる上向きピンバーが出ても、そのピンバー「のみ」に反応するトレーダーはほぼ皆無だと思います。

前述の通り、すでの多くのトレーダーが「売り注文」を避け「買い注文」を出す傾向にあるからです。

ですが、エントリー後に5分足で逆向きとなる上向きピンバーが出た際、それがレジスタンスラインと重複する際はそのタイミングで「買い注文」が減り「売り注文」が多くなり始め、逆行して下降トレンドになる始点に成り得るので注意が必要となります。

ただ、この注意が必要になる場合は、今書いたようにレジスタンスラインと重なる時であり、そもそもレジスタンスラインに触れる手前で「利確」しているはずなので、上記の事態は確実に避けられるはずです。

以上から、特に5分足で逆向きのピンバーが出ても、レジスタンスラインと重ならない限りは特に「売り注文」が減っていて「買い注文」が増えている状況は変わりないと捉えられるため、

「元のピンバーの有用性が無効になることは無い」

ので、特に撤退(決済)の必要性は無いとしています。

(ただ、1時間足のピンバーは単体でも意識される傾向が強く、非常に威力が高いので回避ルールに盛り込んでいた次第です。)

そもそもプライスアクションの有効性について

まず、5分足なら5分足、15分足なら15分足など、対象とする時間足でしかプライスアクションは意味を持たないことは否定できません。

すべてのトレーダーが同じ時間足しか見れないというルールがあれば、非常に有用性があるものの、

・1分足
・5分足
・15分足
・30分足
・1時間足

など、どんなチャートソフトにも上記のような時間足がデフォルトで入っているので、エントリーのタイミングを図る時間足はトレーダーによって一律ではないからです。

ですので、プライスアクション「単体」での使用は、私自身、推奨していませんでした。

もちろん、上記すべての時間足で下ヒゲピンバーになっている状況であれば、本当に大勢のトレーダーが下ヒゲピンバーを意識して、

・売り注文の減少
・買い注文の増加

が起こるかもしれません。

ただ、このような別の時間足同士による同じプライスアクションが発動するパターンは、
テストプログラム(インジケーター)を組んで試しましたが、本当に滅多に出現がありませんでした。

そのため、テストの母数が少なく信頼性のテストも十分にできないため、プライスアクションを単体で利用することは基本的に懐疑的だったんです。

以上を踏まえた上でロングを例にすれば、私がピンバーを導入してエントリーする条件としては、

・回避ルールをすべてクリア(フィルター)
・ピンバー以外ですでに反転指数4点の内3点以上

という条件であり、この条件を満たしている段階で、

・売り注文の減少
・買い注文の増加

が短期~中長期のトレーダーから見込まれる傾向にあります。

その上で「できる限り損失を避けたい」という大勢のトレーダーが持つ心理から、よりベストな価格(安い価格)でエントリーをしたいと大勢のトレーダーが買い注文のタイミングを図る傾向があり、その指針としてピンバーがあるわけです。

実際にピンバーだけでは効き目が薄いことは当然ですが、

・回避ルールをすべてクリア(フィルター)
・ピンバー以外ですでに反転指数が4点の内3点以上

の条件を満たしている時点で、すでに買い注文を出すタイミングを図るトレーダー大勢いるからこそピンバーの効力が一気に跳ね上がり、有効性/優位性が劇的に高まっていきます。

その上で、ピンバーの条件を「ヒゲが実体に対して3分の1以上」と定義しているのは、

・ピンバーのタイミングを知らせるインジケーター
・EA(自動売買ツール)やサインツール

で「ヒゲが実体に対して3分の1以上」というプログラムが大半で組まれており、手動でエントリーするトレーダーはもちろん、EAで自動発注される場合も含めて、この定義での反応率が極めて高まるからです。

また、ラインなどのサポートラインが重複している状況であるので、ピンバーの出現により、そのサポートラインの「確定」を意識するトレーダーも少なくありません。

トレンドラインや水平ライン、キリ番にしても、ローソク足との接触後、このまま下にブレイクしてしまう不安があり、買い注文を出せなかったトレーダーが、

ピンバーの出現でサポートラインの確定

を意識し、仮にそのトレーダーがプライスアクションに頼っていなくとも、買い注文を出し始める傾向にあります。

よって、サポートラインとの重複と回避ルールによる環境認識の条件を満たした時点で、

・プライスアクションを意識するトレーダー
・プライスアクションを意識しないトレーダー

からもピンバーの出現により「買い注文」が増え始めるので、高い有用性があるわけです。

プライスアクションの中でピンバーのみを使う理由

ただ、他のプライスアクションである、エンゴルフィンバーやスラストアップなどは導入せず、あくまでもピンバーのみを対象としていました。

もちろん、

・回避ルールをすべてクリア(フィルター)
・プライスアクション以外ですでに反転指数が4点の内3点以上

という条件であれば、エンゴルフィンバーやスラストアップも有用性が大幅に上がるため、ピンバーだけでなく、これらも導入すればエントリー回数が増ることは間違いありません。

しかし、エンゴルフィンバーやスラストアップは、すでにエントリー方向に進み始めているため、

・万一、そこから損切りになった際のリスク
・利確しても利幅が小さくなっている

という致命的なデメリットがあります。

仮にエントリー回数が増えても、このようにリスクが大きくなるので、エンゴルフィンバーやスラストアップなどのように、すでにエントリー方向に大きく進むパターンは、あえて取り入れていませんでした。

よって、ピンバーのみの導入としていた次第です。

以上、参考にして頂ければ幸いです。

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