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杉原です。
チャネルラインとトレンドラインは、どちらも斜めに引かれて「トレンド」を視覚化してくれる便利なテクニカル指標として多くのトレーダーに使われています。
実際にこのブログでも、チャネルラインやトレンドラインを使ったFXのデイトレード手法を公開していて、その影響からか「チャネルラインとトレンドラインの違いって何ですか?」という内容の質問を定期的に頂くことがありました。
確かに両方とも形状が似ているので、チャネルラインとトレンドラインの違いは分かりにくいかもしれません。
そこで当記事では、チャネルラインとトレンドラインの違いについて、
・そもそもの定義
・チャンスの多さや精度を含めた利点や欠点
・欠点を補う使い方の指針
などを含めながら比較、解説させて頂きたいと思います。
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チャネルラインとトレンドラインの違い~そもそもの定義~
まずチャネルラインとトレンドラインの違いとして明確な点は、チャネルラインは2本セットで1つということです。
下の図で示したように、チャネルラインはトレンドラインと、そのトレンドラインと平行に引いたアウトラインの2本セットが基本になります。
上図のようにチャネルラインは「トレンドライン + アウトライン」で構成されるため、必然的にチャネルラインにはトレンドラインも含まれるわけです。
そんなチャネルラインは高値と安値がほぼ同じ角度で平行に動く『N字の波形』を描き、トレンドラインと平行なアウトラインの中に相場(ローソク足)が収まるように引きます。
このようなN字波形を描くチャネルラインに対して、トレンドラインは特にN字の波形である必要はありません。
トレンドラインを引いて、そのトレンドラインと平行なアウトラインが引けて相場に収まる場合には、上図のようなチャネルラインになり、アウトラインが引けない場合は単なるトレンドラインになるという考え方が分かりやすいかと思います。
実際に、上昇のトレンドラインは引けたものの、平行なアウトラインが引けない(アウトラインで高値同士が結べない)ため、チャネルラインとして成立せず、ただのトレンドラインになったチャートが下の図です。
以上から、チャネルラインとトレンドラインの違いとして、定義のような形でまとめると、以下のようになります。
- チャネルライン
→ほぼ同じ角度で高値と安値が平行に動くN字波形で、トレンドラインと平行なアウトラインが引けること - チャネルラインではない単なるトレンドライン
→N字波形である必要な無く、アウトラインが引けなくても構わない
上記を踏まえたチャネルラインとトレンドラインの違いとして、続いては「チャンスの多さ」「精度の高さ」などを比較していきたいと思います。
必要に応じて参照頂ければ幸いです。
チャンスの多さから見たチャネルラインとトレンドラインの違い
チャネルラインは単純なトレンドラインとは異なり、トレンドラインと平行なアウトラインとセットでなければなりません。
よって、チャネルラインはそんな「条件」が厳しいため、トレンドラインよりもチャネルラインを引ける本数が必然的に減少します。
逆に単純なトレンドラインはアウトラインが平行に引けなくても構わないので、条件が緩く、引ける本数は多くなるわけです。
少なくとも、倍以上はチャネルラインよりもトレンドラインの方が、多くの本数を引けるかもしれません。
ただ、トレンドラインの方が倍以上の本数を引けると言っても、トレードのチャンスも倍以上になるとは言えないのが実際のところです。
仮に「ラインの反発」を狙うライントレードにおける王道ロジックで考えた場合、チャネルラインはトレンドラインよりも引ける本数は少ないですが、
『ローソク足とラインの接点』
は多くなります。
下の図にて黒丸で示したように、アウトラインとローソク足の接点もあるため、トレンドラインの倍近くチャネルラインにはローソク足とラインの接点があるわけです。
実際の相場では、チャネルラインは「トレンドライン」「アウトライン」それぞれとローソク足との接点を使い、
・順張り
・逆張り
の両方でチャンスを拾えるメリットがあります。
上昇のチャネルラインであれば、上昇トレンドに沿った「順張りの押し目買い」と、一時的な上昇トレンドの停止/逆行を利用した「逆張りのショート」が下図のように狙えるわけです。
上の図で見られるように、チャネルラインは1つのみでも複数のトレードチャンスがあります。
対して、N字波形ではない単純なトレンドラインの場合、上昇トレンドを例にすれば、下図のように「順張りの押し目買い」のみが実質的なチャンスになるため、引ける本数が多いからと言ってトレード頻度も多いわけではありません。
以上から、チャネルラインとトレンドラインの違いとして、トレードのチャンスはどちらが多いかという視点で比べると、
「引ける本数はチャネルラインよりトレンドラインの方が多いものの、ラインとローソク足の接点はチャネルラインの方が多いので、チャンスの頻度はそれほど変わらない」
というのが私の率直な考えでした。
ただ、チャネルラインにしてもトレンドラインにしても、使えるロジックは「ラインとローソク足の接触」だけではありません。
そのため、ロジックによってはチャンスの多さは増減があると思います。
ただ、どんなロジックを採用するにしても、ラインとローソク足の関係性は切り離せません。
そして、そんなラインとローソク足の関係は、接点からの展開で生まれるものです。
ですので、N字波形が条件のチャネルラインは、単純なトレンドラインに比べて引ける本数は少ないものの、トレンドラインとアウトラインがセットになる分だけ「接点」が高値と安値で約2倍近くになります。
よって、ここまで題材にした「ローソク足とラインの接触」という王道のロジック以外で見ても、チャンスの頻度という視点でチャネルラインとトレンドラインの違いはそれほど無いと考えていました。
「精度」で見たチャネルラインとトレンドラインの違い
続いてはテクニカル分析における効き目、いわゆる「精度」という視点でチャネルラインとトレンドラインの違いを解説させて頂きます。
そのポイントとなるのが「N字波形かどうか」です。
N字の波形は、高値も安値も平行にほぼ同じ角度で値動きが発生している、下図のような状態になります。
そんなN字波形が引ける状態は、非常にキレイなトレンドが認識できる相場です。
その上、高値も安値も平行にほぼ同じ角度で値動きが発生しているので、チャネルラインを引かないトレーダーからも、同じようにキレイなトレンドを認識できるようになります。
実際に下図は、チャネルラインを引いたチャートと、そのチャートからチャネルラインを取り除いたチャート図の比較です。
上の図をご覧の通り、チャネルラインを引かずとも、キレイなN字波形が見えるため、ラインを引かないトレーダーからも同じく上昇トレンドを意識されるわけです。
結果的に「ラインを引くトレーダー」と「引かないトレーダー」を合わせ、非常に大勢のトレーダーたちから同じトレンドを意識されるのがチャネルラインとなります。
そもそも相場の原理は、買いと売りで注文数の多い方へと値動きが発生するのが仕組みです。
ですのでテクニカル分析では、より大勢のトレーダーと同じ注文を出せる方が「精度」は高まります。
つまり、「ラインを引くトレーダー」と「引かないトレーダー」を合わせて大多数のトレーダーと同じトレンドの認識ができるチャネルラインは、テクニカル分析の精度が非常に高いということです。
対してN字波形が条件ではない単純なトレンドラインの場合、高値と安値が同じような角度で平行に動いていないので、ラインを引いていないトレーダーからは、チャネルラインほど同じトレンドを意識されません。
やはり、下図のような平行な値動きこそが、パッと見ただけで瞬間的にトレンドを認識できるからです。
実際の相場では、チャートは止まることなく動き続けます。
そのため、チャートの確認は「時間との闘い」と言っても過言ではありません。
だからこそ、多くのトレーダーは瞬時にトレンドの発生が分かるような、N字波形によってトレンドの認識を行う傾向にあるわけです。
以上から、精度の視点で見たチャネルラインとトレンドラインの違いを比較すると、チャネルラインの方が高精度になるというのが私の考えになります。
総括と共通する欠点に対する対策案
ここまではチャネルラインンとトレンドラインの違いとして、
・チャンスの多さは特に変わりない
・精度はチャネルラインの方が高い
という点を根本的ンな相場の原理を含め解説させて頂きました。
そんな両者に共通する利点と言えば、RSIやMACDをはじめとする一般的な指標と異なり、パラメータ(設定値)がないため、ラインを引くトレーダー同士でテクニカル分析の差が生じにくい点が挙げられます。
ただ、チャネルラインもトレンドラインも基本的にはトレーダー自身が手作業で引くため、描かれるラインにどうしても若干の違いが出るのは避けられません。
実際、ラインを使ったトレードで安定的に勝ち続けているトレーダーは、自身の手でラインを引くケースが大半のようです。
そんな手作業だからこそ微差が出るのが、チャネルラインもトレンドラインも同じく存在する欠点かもしれません。
そのため、ラインとローソク足の接触を利用する王道的なロジックにおいて、手作業で引いたラインに「ズレ」があり、思った以上の含み損が発生する危険性もあります。
そんな欠点を補う手段としては、以下のように複数のラインとの重複点を狙うというのが有効です。
- チャネルライン + キリ番(ラウンドナンバー)
- チャネルライン + 水平線(水平ライン)
- トレンドライン + チャネルライン(アウトライン)
- トレンドライン + キリ番(ラウンドナンバー)
- トレンドライン + 水平線(水平ライン)
以下が、上記の実例チャートになります。(チャート図の赤丸が重複点です)
『トレンドライン + キリ番(ラウンドナンバー)』と『トレンドライン + 水平線(水平ライン)』
以上のように、別のラインとの「重複点」を狙うことで、手作業で生じるズレの欠点を補えるので有効な手段にあります。
また、このようにラインの重複によって、よりトレードの精度(勝率)が高まるわけです。
結果的に「含み損」が極端に少なくなる上に、ラインをブレイクした場合すぐに損切りにすれば、安全にロットを上げられるメリットがあります。
ロットを上げつつ、損切りを早くできれば、利益率の大幅な向上も不可能ではありません。
実際に私がメインにしているデイトレ手法は、このようなラインの重複を狙ったロジックを体系化し、安全にロットを上げていることで1日あたり10%以上の利益率を出せるようになっています。
そんな重複点を狙ったデイトレード手法ですが、下記の記事にて、エントリー場所を含むロジックを公開していたので、良ければご覧になってみてください。
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