この補足講義は、

・資金を守るストップロス
・勝率を下げないスプレッド異常

この2つに関して解説させて頂く重要な内容となっています。

非常に重要な要素を含みますので、ぜひ取り入れた上でトレードに臨んで頂ければ幸いです。

 1.万が一のストップロス

実際の現場(相場)に長く関わると、損切りを確定する前に数十pipsを超えるなど異常な数値の逆行が起こる危険性も0ではありません。

その場合、損切り判断を下す前に、膨大に膨らんだ含み損で強制ロスカットされ資金を失う可能性もあるので注意が必要です。

そこで大事な資金を守るべく、そんな「万が一」に関しての対策を補足していきたいと思います。

環境認識の段階でエントリーと逆方向に作用するラインを徹底して避けている上で、厳しいエントリー条件を満たした場合のみエントリーするので、テクニカルベースで見れば、そのような異常な逆行は基本的に有り得ないはずです。

また、トレードのルール上、重要な経済指標の発表前後を避けているはずなので、指標が絡む異常な値動きも回避できることは間違いないと思います。

ただ、予測できず突発的に発生する、重要な政治的なニュースを含むファンダメンタルズ要因による影響から、異常な逆行を受ける危険性は0ではありません。

いくら重要な経済指標を徹底して避けていても、このように予測のできないファンダメンタルズ要因は回避しようがないわけです。

そんな避けようのない事象への対策としては、テクニカルベースで見た上での、

「これ以上の逆行はエントリー方向に戻ってこない」

そのような含み損の段階で損切りが自動で行われるように、ストップロスの注文をエントリー後すぐに出しておく方針が有効となります。

その数値的な判断は、ルール通りに理想的なエントリー場所から最大で約20pips程度が目安です。

15pipsほどの値動きは1分足レベルにおいて、テクニカル要因で発生するケースは0ではありません。

もちろん、トレードルールを徹底的に遵守している上では、基本的にそのような逆行は有り得ない話ではあります。

ただ、先ほど触れたような不可避のファンダメンタルズ要因が起きる可能性は0ではありません。

そのため、万が一に備え、エントリー直後、すぐにストップロスの注文を出しておくことが有効となります。

その際には同時に利確を自動で行ってくれるテイクプロフィットの注文も出しておくと、利益の取りこぼしを防げるので便利です。

 2.スプレッド異常

参加トレーダーが少ない閑散時間、そして重要な経済指標の発表前後、これらを避けていればスプレッドの広がりは回避できる傾向にあります。

しかし、

・未発表のファンダメンタルズ要因
・突発的に起こる荒れ相場

これらの際には、通常よりもスプレッドが広がることが避けられません。

そのため、上記2つの状況が起こっている時には、

・勝った際の利益が減る
・損切り時の損失が大きくなる

このようなデメリットが生じます。

その上、未発表のファンダメンタルズ要因にしても、突発的に起こる荒れ相場にしても、いずれの状況も「テクニカルが効きにくい」ことは間違いありません。

以上のように、勝っても負けてもデメリットがある上に、そもそもテクニカルが効きにくい状況なので、スプレッドが通常よりも大きく広がっている場合にはエントリーを避けることを推奨していました。

もちろん、スプレッドは基本的に変動するので、0.~pips程度の変化は避けられません。

ただ、それが業者側が公式サイトなどで公表している、各銘柄の平均スプレッド値より約1pips近く広がるようならば、

・未発表のファンダメンタルズ要因
・突発的に起こる荒れ相場

上記いずれかに該当する可能性が高く、

・勝っても負けてもデメリットが大きい
・そもそもテクニカルが効きにくい

この2点を考慮して、いくらトレード条件が完璧であっても、トレードは避けた方が賢明です。

実際の事例で、重複点テクニカルにおける絶好のエントリー場面だった下図の赤縦線ですが、ポンドオージーのスプレッドが1pips近く平均よりも広がっていて、エントリーしていた場合すぐに損切りになっていました。

スプレッド異常

この当時、私は丁度ポンドオージーのチャートを見ていて、重複点テクニカルで特にチャンスの場面で待ち構えていました。

青線とキリ番の黒線というサポートラインに対して、トレンドラインとアウトラインもサポートラインとして作用するので、4つのサポートラインが重複する絶好のチャンスだったわけです。

ですので、キリ番のタッチで買いポジションを持とうと考えていたのですが、その直前にはスプレッドが平均値よりも1pips近く急に広がり出し、一気にキリ番を下にブレイクしていきました。

ここで解説したスプレッド異常に該当するからこそ、エントリーを避けて「命拾い」した例になります。

もちろん、それでも利確できることが無いわけではありません。

トレード回数がまだ少ない時期であれば、利確できることは確率的には普通にあります。

しかし、長くトレードを続けるほど、このような場面でのトレードにおいて、

・勝率の低下
・損失時の大きなドローダウン

これらに遭遇する危険性はどんどん高まるので、長期的な視点を含めて、このスプレッド異常への対策は徹底されることを推奨させて頂く次第です。

MT4を使う場合には、下記の記事で紹介しているように現在のスプレッドを確認できるので参考にしてみてください。

>MT4で現在の正確なスプレッドを調べる(測定する)方法

以上、補足の講義でした。