杉原です。
この記事では、FXやゴールドの取引におけるキリ番(ラウンドナンバー)がどうして有効性が高いか、その根本的な理由から、キリ番の中でも特にトレンド転換しやすい具体的な価格帯まで解説しています。
FXの為替通貨ペアでもゴールドでも、そのトレンド転換が起こりやすい価格帯には、周期的に到達するので、その価格帯を狙った逆張りのデイトレードがとても有効です。
また、記事の最後には、キリ番を使ったデイトレ手法も事例として挙げ、エントリーから決済までのロジックを細かく図解しているので、ぜひ最後までお読みになってみてください。
世界中のトレーダーから「インジケーター」「指標」に関係なくエントリーや決済の目安として意識されるキリ番の有効性
まずキリ番は「ラウンドナンバー」とも呼ばれ、
・利確や損切り
・押し目買いや戻り売り
・ナンピンやピラミッティング
・反転狙いの逆張り
などの目安として世界中のトレーダーから意識されやすい「キリが良い価格帯」を指しています。
そんなキリ番は、各トレーダーが使っている「インジケーター」「指標」などに関係なく、常に明確な価格帯として存在しているからこそ、
大勢から新規注文や決済注文を出すタイミングとして意識されて反転しやすい
そんな傾向があることは確かです。
その上で、分かりやすくドル円で言えば「111.000円-111.100円-111.200円…111.900円-112.000円」のように、キリ番は10pips刻みの価格帯として認識しているトレーダーも少なくありません。
しかし、そんな10pips間隔のキリ番すべてが、単純に反転(トレンド転換)しやすいわけではない、というのが実際のところです。
では、具体的にキリ番の中でもトレンド転換=反転が起きやすい、そんな価格帯は何なのか、その辺りを掘り下げて解説させて頂きます。
キリ番の中でも「異常」にトレンド転換(反転)しやすい具体的な価格帯とは
前提として相場は、買いと売り、それぞれの注文数が多い方向に値動きが起こる「需要と供給」の上に成り立っている仕組みです。
ですので、キリ番の中でも「よりトレンド転換する確率」が高いキリ番の条件は、さらに多くのトレーダーから新規または決済の注文が出されやすい価格帯に他なりません。
よって、他のキリ番に比べて、
・注目度が高く目立つこと
・短期だけではなく中長期からも意識されること
このような性質を持ち合わせて、大勢から新規や決済の注文を出されるような価格帯こそが、キリ番の中でも「トレンド転換する精度が高いキリ番」になるわけです。
そして、そんな「注目度が高い」「短期~中長期まで意識される」という性質を持つキリ番こそが、
・110.000円のようなトリプル0
・110.500のようなトリプル0の中間地点
という「50pips区切りのキリ番」になってきます。
短期だけでなく中長期の視点でも反転が意識されるからこそ、50pips間隔のキリ番はトレンド転換の確率が極めて高い
キリ番の中でもドル円で言う111.000円のような、いわゆるトリプル0と、111.500円のようにトリプル0の中間地点に位置する、50pips間隔のキリ番こそが、高いトレンド転換の精度となっています。
なぜなら、これらのキリ番は他に比べて際立って目立つことで、
・スキャルピングやデイトレードなどの短期視点
・スイングトレードなどの中長期の視点
などを含め、あらゆるスタイルの手法でも等しく注目されるからです。
以下のチャート図における黒線が、実際の「50pips間隔のキリ番」となっています。(特に断りがない限り、この記事のチャート図は5分足です)
もちろん、111.200円や111.400円なども注目されないキリ番ではありません。
ただ、そんな111.200円や111.400円などは50pips区切りのキリ番に比べると「半端」であり、短期・中長期の視点に関わらず注目度は薄いのが実際のところです。
特に中長期の視点で大きな値幅を狙うトレーダーにとっては、そんな「半端」なキリ番よりも、50pips区切りのキリ番こそが指値や逆指値などで注文を出しやすいので、大勢から意識される価格帯になることは間違いありません。
結果として、この50pips間隔のキリ番は、短期だけではなく中長期の視点でも多くの注文が出されることで、トレンド転換=反転の精度が高まるということです。
続いては、なぜ50pips間隔のキリ番でトレンド転換の発生に繋がりやすいのか、相場の絶対的な原理に沿ってトレーダーの動向も踏まえて解説を掘り下げていきますので、引き続きお付き合い頂ければと思います。
トリプル0や中間、50pipsのキリ番(ラウンドナンバー)でトレンド転換しやすい原理
実際に、この50pips間隔のキリ番に向かって価格が上昇してくる時には「反転に有利な現象」として、以下のような注文状況が発生します。
- キリ番より安い価格で買いポジションを持っていたトレーダーによる利確の売り注文
- 逆張りを狙う短期トレーダーから売り注文
- 中長期トレーダーから順張りの戻り売り注文
- キリ番と同価格帯で買いポジションを持っていて含み損がプラスになった(プラ転)トレーダーから利確の売り注文
このように売り注文が増大し、そんな状況から反転による下落を恐れ、新規の買い注文を避けるトレーダーが少なくありません。
その結果として買い注文が減り、売り注文が大量に増えることで、この50pips間隔のキリ番に向かって上昇した際には、上昇トレンドから転換し下落しやすくなります。
要するに、逆張りショートの精度が大幅に高まるということです。
反対に50pips間隔のキリ番に向かって下降してきた時には、下記のように真逆の注文状況になります。
- キリ番より高い価格で売りポジションを持っていたトレーダーによる利確の買い注文
- 逆張りを狙う短期トレーダーから買い注文
- 中長期トレーダーから順張りの押し目買い注文
- キリ番と同価格帯で売りポジションを持っていて含み損がプラスになった(プラ転)トレーダーから利確の買い注文
このような状況に加え、下降から上昇へのトレンド転換による上昇を警戒する多くのトレーダーからは、新規の売り注文が避けられます。
結果的に、売り注文が減って買い注文が大量に増えるからこそ、反転による上昇が高確率で期待できるということです。
ですので、50pips間隔のキリ番に向かう下落時は、逆張りロングの精度が非常に高まっていきます。
キリ番を使ったデイトレ手法の事例
最後に、キリ番を使ったデイトレ手法を事例として挙げ、エントリーから決済までのロジックを細かく図解していきたいと思います。
この記事で挙げた、トレンド転換が起きやすい50pips間隔のキリ番でエントリーした場合、エントリー方向に伸びずにキリ番を逆にブレイクされれば、その時点ですぐに「損切り」することでリスクは極めて限定的です。
結果的に「含み損」も「損切り幅」も最小限で抑えられるからこそ、ロットを大きく張って、一度の取引で利益率を大幅に高めることも不可能ではありません。
そんな「おいしいトレード」が、この記事で解説してきた50pips間隔のキリ番を利用することで実現できてきます。
実際に高い利益率(10%以上)を取引1回で出すデイトレ手法の事例として、3パターンの事例に分け下記の記事で実演させて頂きました。
FXの為替通貨ペアはもちろん、ゴールド(XAU/USD)でも、そのまま使えるデイトレ手法です。
エントリーから決済までの図解を含めて解説しているので、ぜひご覧になってみてください。
>【初動テクニカル】トレンドラインとキリ番を使った聖杯に近いFXのデイトレード必勝法