杉原です。
今回は、FXのデイトレードに限らずトレードをはじめる上で知っておくべき「強制ロスカット」に関する詳細を、その条件になる「証拠金維持率」とあわせて解説させて頂きます。
強制ロスカットとは
初めに強制ロスカットの意味合いに関して触れていきます。
まず、トレードにおいて、エントリーした後には必ず決済を行う事は間違いありません。
その上で決済は、
・利益を得る「利確」
・損失を確定する「損切り」
に分かれ、この2つはトレーダー自らの「意志」で行う注文です。
ですが、強制ロスカットは、その名のとおり「強制」的に口座側が損切りを行うため、トレーダーの意志とは関係ありません。
要するに、トレーダー側はロスカット(損切り)をする「つもり」がなくても、トレードに利用しているFX業者側(口座側)が定めた
「強制ロスカットの水準」
に触れた瞬間、トレーダー側の意志に関係なく『問答無用』で強制的にロスカット(損切り)されてしまうわけです。
そんな「強制ロスカットの水準」というルールに関わるものが「証拠金維持率」にほかなりません。
証拠金維持率とは
証拠金維持率とは、現時点で保有中のポジションが口座残高(トレード資金)に対し、どのくらい余裕があるかを示す数値になります。
基本的に、保有中のポジションにおける損失(含み損)が大きくなる程、「余裕」がなくなるため、証拠金維持率が低くなっていく仕組みです。
ただ実際のところ、そんな証拠金維持率は、トレードを行うツールである「MT4」や各社の取引ツール上で、自動で計算され表示されていますので、トレーダー自らが計算していく場面は基本的にありません。
そのため、トレーダー自身が詳しく証拠金維持率の計算方法を知っておく事は、特に必須ではないというわけです。
その上で、一応念のため、簡潔に計算方法を説明させて頂きます。
興味がある場合のみ目を通し、興味が無ければ次の項目である『証拠金維持率が何%で強制ロスカットになるのか』まで読み飛ばして頂ければ幸いです。
まず、
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
が基本的な計算方法です。
その中の有効証拠金は、
有効証拠金 = 純資産額 ― 注文証拠金
で表されます。
この「純資産額」は、トレーダーが口座に入れているトレード資金にほかなりません。
そして、注文証拠金が、まだ約定していない予約注文における必要な証拠金を指しています。
以上が『証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100』における「有効証拠金」における内側の話でした。
対して、有効証拠金で割り算を行う側の「必要証拠金」は、取引に際し、保有中のポジションにおける必要な証拠金の事を指します。
そんな必要証拠金は、
必要証拠金 = コントラクトサイズ × ロット数 ÷ レバレッジ
が計算方法です。
その上で、上記の内訳が以下になります。
- コントラクトサイズ
→1ロットあたりの通貨量で、基本的に海外FX業者の場合は1ロットあたり10万通貨、国内FX業者の場合は1ロットあたり1万通貨 -
- ロット数
→実際に注文を出すロットの数量(取引数量) -
- レバレッジ
→各業者の各口座に設定されているレバレッジで、国内FX業者は法律上25倍が上限、海外FX業者は各社が競い合い500倍以上が一般的
特にレバレッジに関しては、大きければ大きい程、必要証拠金が「安く」なるため、有利になります。
そんなレバレッジになりますが、私自身はもちろん、私がFXのデイトレ手法を継承した方々も使用しているFX業者では、最大で無制限という大きなメリットがあるため、最も推奨している業者です。
細かくレビューした記事がありますので、興味がありましたらあわせてご覧になってみてください。
証拠金維持率が何%で強制ロスカットになるのか
ここまでは、
・強制ロスカットの意味合い
・証拠金維持率の計算
に関して説明させて頂きました。
ただ、先程の証拠金維持率に関する計算は、MT4などの取引ツール側が常に自動で計算してくれており、トレーダーが計算する必要はないため、特に覚える必要はありません。
その上で、強制ロスカットの水準(条件)は、各FX業者が定める証拠金維持率の%によって異なるためご注意ください。
そんな強制ロスカット水準は、証拠金維持率が20%の業者もあれば100%の業者もあり、50%の業者も存在します。
そして、保有中のポジションにおける含み損が大きくなる程に証拠金維持率は低くなっていき、各社が定める強制ロスカット水準に触れた瞬間に自動的にロスカットが執行されるわけです。
ただ、どの業者も基本的に、強制ロスカットが行われる前段階で、
「証拠金維持率が下がっており、このままでは強制ロスカットされますよ」
という『アラート通知』をトレーダー側に行ってくれるため、何の前触れもなく強制ロスカットがされるという事ではありません。
MT4や各社が提供する取引ツール上でのアラート通知、また、設定によってはメールでの通知も行われます。
そのアラートをトレーダーが見た際に、証拠金を追加で口座に入金すれば、証拠金維持率の数値は大きくなるため、強制ロスカットされる確率は低くなるという仕組みです。
そんな証拠金維持率と強制ロスカット、そしてアラートの関係ですが、1つの図で表すと分かりやすいので、下図をご覧になってみてください。
下図が、国内FX業者の筆頭である「DMM」における、強制ロスカットまでの流れになります。
上図のDMMでは、
・アラートが証拠金維持率が70%
・強制ロスカットの水準が50%
という設定になっています。
この、「アラート条件」や「強制ロスカットの水準」は、前述のとおり各社によって異なるため、知らず知らずの内に強制ロスカットされないようにするべく、トレード前に確認することが欠かせません。
そんな「強制ロスカット水準」は低い方が、強制ロスカットがされにくいため、有利になります。
つまり、先ほど挙げたDMMの証拠金維持率50%という強制ロスカット水準よりも、証拠金維持率20%の方が有利だということです。
下記にExnessのレビュー記事を用意しましたので、興味がありましたらあわせてご覧になってみてください。
まとめ~強制ロスカットと証拠金維持率~
以上、今回は強制ロスカットと証拠金維持率について解説させて頂きました。
証拠金維持率に関しては計算が複雑ですが、MT4などの取引ツール側が常に自動で行ってくれ、ツール上で表示してくれているので、トレーダー側が特に計算する場面はありません。
そのため、特に計算方法を覚える必要はないわけです。
そんな証拠金維持率に関しては、
「含み損が大きくなる程、証拠金維持率は下がる」
「逆に利益(含み益)が大きくなる程、証拠金維持率は上がる」
「証拠金維持率が下がっても、追加で資金を入金すれば証拠金維持率を上げる事ができる」
と覚えておけば特に問題ありません。
その上で、証拠金維持率が下がる程、各FX業者が設定している強制ロスカット水準によって、強制ロスカットが執行されます。
その強制ロスカット水準は、証拠金維持率が50%の業者もあれば20%の業者もあり、低ければ低い程、強制的にロスカットされにくいため、有利となるわけです。
そんな強制ロスカットの水準が最も低い業者として、先程も紹介した私が推奨している「Exness」では、証拠金維持率0%が強制ロスカットの水準となっており、ちょっとの事では強制的にロスカットされる事はありません。
その上、「Exness」では、最大で無制限のレバレッジとなっている事に加え、非常に取引コストも安く済むため、本音で推奨している業者となっていますので、宜しければ一度レビュー記事だけでも目を通してみてください。