杉原です。

トレード1回あたりの収益は『利幅(pips)×ロット(取引数量)』という掛け算になるため、ロットを上げるほど得られる収入が高まることは間違いありません。

ただ、ロットを上げる分だけ、損切り(負けトレード)の場合の損失が高くなってしまう点がデメリットです。

そこで当記事では、そんなデメリットを抑えつつ、利益率の向上へと繋がる適切な「ロットを上げるタイミング」について解説させて頂きたいと思います。

利益率を高める最適なロットの決め方に関しては、下記の記事で解説していますので、必要に応じてご覧頂ければ幸いです。

>FXのデイトレードで利益率を高める「ロットの決め方」とは

ロットを上げるタイミングの「前提」

まず大前提として、どんなデイトレード手法にしても、慣れない内はロットを下げて取り組むべきと思います。

そもそも実践する手法に慣れていないと、

・エントリーしてはいけない場面でトレードする
・決済しなければならない場面で決済しない
・エントリーすべき場所で見逃がす

このような「ミス」を犯すことで、勝率が下がる上にチャンスを逃すことで、本来なら得られるはずだった収益を手に出来ない事態になるからです。

ですので、もしもロットを上げて実践していた場合、ミスによって利確(勝ちトレード)よりも損切り(負けトレード)が増えるため、損失によるドローダウンが大きくなって資金が大幅に減ってしまいます。

場合によっては、資金の喪失、いわゆる資金のショートも発生しかねません。

だからこそ、取り組むデイトレード手法に慣れない内は、ロットを下げて実践すべきだと私は思います。

その上で、取り組むデイトレード手法への「慣れ」「習得」を感じてきた時期が、ロットを上げるタイミングとして必要な条件です。

とは言っても、慣れや習得度合いの感じ方は人それぞれですので、感覚的になってしまい、実はまだ習得できていないのにロットを上げて大きなドローダウンになる危険性も否定できません。

そこで続いては、感覚的な要素を抜きにして、デメリット/リスクを抑え無理なくロットを上げるタイミング、その具体的な判断方法について解説させて頂きます。

ロットを上げるタイミングの判断方法

実践されるデイトレード手法で推奨されているような、本来の数字までロットを上げるタイミングの判断方法についてですが、その手法を習得(マスター)できた段階がベストです。

そんな習得度を確かめる判断方法としては、

・バックテスト
・フォワードテスト

などの方法があります。

これらの検証において、取り組まれるデイトレード手法のロジック通りに実践できているかが習得度の判断方法ということです。

その上で、バックテストやフォワードテストで、下記の項目も合わせてチェックしていくことで、習得レベルをより具体的に把握できます。

  • 勝率
  • リスクリワード
  • 含み損
  • エントリー頻度

これらの項目が、取り組む手法の見込み通りであれば、高いレベルで習得できている証拠に他なりません。

勝率やリスクリワード、含み損は、まさに正しい場所でエントリーできているかのチェックに繋がります。

もしも手法の条件通りにエントリーできていなければ、想定よりも勝率やリスクリワードが悪くなる上に、含み損も大きくなり得るからです。

また、エントリー頻度に関しては「本来ならエントリーすべき条件なのに、チャンスを見逃している」というミスを防ぐべきチェック項目として有効になります。

以上のような、

・勝率
・リスクリワード
・含み損
・エントリー頻度

をバックテストやフォワードテストで確かめていき、取り組むデイトレード手法における想定内に収まれば、十分に習得できていると考えて問題ありません。

逆に、想定内に収まらない場合は、その手法通りの条件でトレードできていない可能性があるので、バックテストやフォワードテストをもう少し取り組むべきと思います。

バックテストだけでロットを上げるタイミングの判断はNGか?

過去のチャートを使うバックテストは、自分のペースで取り組めるため、ペースを早めて習得度を短期間で高めることも不可能ではありません。

そのため、バックテストだけで見れば早く習得できるので、バックテストだけでもロットを上げるタイミングを見つけやすいと感じるかもしれません。

ただ、実際の時間通りに動いているリアルなチャートとは、バックテストとの『時間感覚』がまったく異なります。

仮に、取り組むデイトレード手法が平均して20分のポジション保有時間だとしても、バックテストでは、すぐに結果を見ることができるので、20分も待つ必要がありません。

このような時間間隔のズレが、バックテストと実際のトレード(フォワードテスト)にはあります。

そのため、実際のリアルなチャートを使ったフォワードテストで「ポジションを持ったままの時間が長くて耐えられない」という精神状態になり、本来よりも早く決済してしまう可能性があるわけです。

つまり、手法通りのトレードができていないので、

・勝率
・リスクリワード

への悪影響へと繋がってしまいます。

その結果、以下のようにロットを上げると危険な状況に成りかねません。

  • 負けトレードの増加
  • 利幅の減少
  • 損切り幅の増加

以上から、実際の時間感覚で動いているリアルなチャートを使ったフォワードテストで、手法通りの「エントリー」「決済」ができることが、ロットを上げるタイミングとして安全だと私は思います。

まとめ~FXのデイトレで「ロットを上げるタイミング」

以上、この記事ではFXのデイトレードでロットを上げるタイミングとして、

・バックテスト
・フォワードテスト

で手法の習得度によって判断する方法を解説いたしました。

その上で、習得の度合いを計るために、

・勝率
・リスクリワード
・含み損
・エントリー頻度

のチェック項目を使うことで、エントリーの見逃し防止や、正しい条件でトレードできているかの確認が可能です。

ここで解説した方法であれば、取り組まれるデイトレード手法で推奨されている数値までロットを上げるタイミングとしては最適かと思います。

ただ、実践する手法で、もしも資金あたりのロット数への設定がない場合、ご自身でロットの決め方を考えなければなりません。

そんなロットの決め方ですが、

・勝率
・リスクリワード
・含み損
・エントリー分割の有無

などにより変わるため、デイトレード手法によって最適なロットは異なります。

そのため、どんな手法にも共通するような「ロットの決め方に関する計算式」は存在しません。

そこで、ロットの決め方に関して、計算式ではありませんが、具体的な指針を明確に打ち出した記事を執筆しましたので、ぜひ下記の記事もご覧になってみてください。

>FXのデイトレードで利益率を高める「ロットの決め方」とは

【推奨記事】

>トレンドラインとキリ番を使った聖杯に近いFXのデイトレード必勝法

>資金1万から500万に少額から一気に増やしたデイトレ手法の解説

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