杉原です。

つい最近、読者の方々から、

「スイングトレードとFXのデイトレードはどちらが優れていますか?」

という内容の質問をいくつか頂きました。

実際のエントリーや決済など細かいトレードのロジックやルール以前に、トレードのスタイルそのものを悩んでいるとのことでした。

そして、そんな同じような悩みを抱えている方々は、決して少なくないと思います。

そこで今回は、

・数日~数週間かけて1回のトレードを行うスイングトレード
・数分~1日以内に1回のトレードを完了させるFXのデイトレード

では、どちらが優れたトレードスタイルかを、双方を「比較」しながら解説していく次第です。

ただ、本来トレードは「利益を稼ぐ事」が目的であるはずですし、どちらが「優れているか」の比較では、あまりに抽象的になってしまいますので、

『より利益率を高くできる可能性があるトレードスタイルはどちらか?』

という観点でスイングトレードとFXのデイトレードを比較しながら記事を進めさせて頂きます。

その上で、本記事における比較の「項目」は下記の2項目です。

  • リスクの大きさ
  • トレード手法の再現性

上記の2項目を、スイングトレードとFXのデイトレードで双方を比較しながら、最終的にどちらが「より高い利益率を出せる可能性があるトレードスタイルか」を明確に打ち出していきます。

それでは早速いってみましょう。

スイングトレードVSFXのデイトレード。「リスクの大きさ」。

この「リスクの大きさ」という観点は、スイングトレードとデイトレードの大きな違いとしても挙げられます。

基本的に、FXをはじめとするトレードにおいて、ポジションの保有時間が短いほど利益は伸ばせません。

その上で、スイングトレードは基本的に1日でポジションを解消せず、数日以上(手法によっては週単位)の時間をかけて利益を伸ばすスタイルです。

ですので、平均的な想定ができる利幅を比較すると、1日の中で基本的に決済を完了させるFXのデイトレードよりも、スイングトレードの利幅の方が当然ながら大きくなります。

しかし、1日で決済を終了せず、翌日以降にポジションを持ち越すというスイングトレードでは、『突発的に起こる異常な値動き』という大きなリスクが避けられません。

単純に、FXのデイトレードとは異なりスイングトレードはポジションを保有している時間が長いため、

・政治家をはじめ国家の重要な人物の発言
・大きな地震や事故、事件
・経済を揺るがす大きなニュース
・重要な経済指標

などによって起こる、「突発的な異常に大きな値動き」に遭遇する確率が必然的に高まってしまいます。

上記のような出来事から生まれる突発的な値動きは、テクニカル指標やインジケーターを用いる、いわゆるテクニカル分析では予測ができません。

つまり、これらの異常な値動きは、スイングトレードにおいて「想定外」の損失と成り得るわけです。

当然ながら、スイングトレードの手法を検証する際のバックテストでは、上記のような出来事を盛り込んだ上での成績は出す事はできません。

経済を揺るがすニュース、大地震や重要人物の発言などは、いつ遭遇するか分からないからです。

ただ、前述のとおり、ポジション保有の時間が長ければ長いほど、これらに遭遇する確率は当然ながら上がってしまいます。

つまり、ポジション保有時間が長いスイングトレードでは、そんな「想定外の損失」に遭遇する『リスク』が常に高い状態だということです。

そのため、単純に勝率が低くなってしまいます。

もちろん、大地震や大事件、政治的事件、経済を揺るがす大きなニュースなどは、そうそう頻繫に起こるものではありません。

数年に一度あるかどうか、というレベルの確率と言えると思います。

ただ、「想定外の損失」に直結しやすい突発的な値動きを生む『経済指標』に関しては、1週間の内、何度もある出来事です。

当然ながら、テクニカル分析のような「統計」とは異なり、そんな経済指標によって相場が上がるか下がるかは想定のしようがありません。

そのため、突発的な値動きに遭遇し、本来の手法では予測していなかった「想定外の損失」を受ける可能性が割と高い頻度であるというわけです。

以上から、スイングトレードでは必然的にバックテスト時では想定ができない負けが起こり、検証時よりも勝率が下がる傾向にあると言えると思います。

対してFXのデイトレードでは、スイングトレードのように日をまたぐ、いわゆる「オーバーナイト」をすることはありません。

1日の中で決済(利確または損切り)を完了させるので、必然的に「想定外の損失」への遭遇確率は大きく下がるということです。

もちろん、FXのデイトレードでもスイングトレードと同様、ポジション中に経済を揺るがすニュース、大地震や重要人物の発言などに遭遇する可能性は決して0ではありません。

ただ、ポジション中は相場状況から離れるスイングトレードとは異なり、FXのデイトレードはいつでもポジションの決済ができるように相場状況の確認が可能な状態でいます。

そのため、FXのデイトレードにおいて、ポジション保有中に万が一、

・政治家をはじめ国家の重要な人物の発言
・大きな地震や事故、事件
・経済を揺るがす大きなニュース
・重要な経済指標

などが影響する「突発的な値動き」が発生しても、すぐに持っているポジションを解消(決済)することが可能です。

上記の出来事を知った時点で、即座にポジションの解消ができます。

つまり、スイングトレードとは異なり、FXのデイトレードでは想定外の「突発的な値動き」が起きたとしても、「想定外の損失」を普通に回避することができるということです。

以上、ここまで説明しましたように、FXのデイトレードでは避けられる『想定外の損失』を、スイングトレードでは割と高い頻度で受けてしまいがちになります。

そのため、スイングトレードでは、バックテストでは想定ができなかった負けが増え、バックテスト時よりも低い勝率に成り得る可能性が高いということです。

スイングトレードVSFXのデイトレード。「トレード手法の再現性」。

ここで言う再現性は、バックテスト時と同じようなパフォーマンスを、実際の相場におけるトレードでも同様に出せるか=再現できるかという観点です。

まず、スイングトレードにおいては、先ほど挙げた「突発的な値動き」による『想定外の損失』を受けやすくなる時点で、バックテスト時と比べると勝率は低下しがちになります。

つまり、スイングトレードはこの時点でトレード手法の再現性が低くなるということです。

また、そのような「想定外の出来事」による損失を度外視したとしても、スイングトレードがバックテスト時よりもパフォーマンスが下がる要因があります。

それは、バックテストの精度=「統計」です。

まず、月単位、年単位で見た際に、スイングトレードはFXのデイトレードと比較し、トレード回数が圧倒的に少ないと言えます。

基本的に1日の中で何度かトレードするFXのデイトレードに対し、数日~場合によっては数週間に1回のトレード頻度であるスイングトレードでは、月単位・年単位でトレード回数を総計した際、トレードの回数そのものが非常に少ないわけです。

仮に、平均して、

・FXのデイトレード=1日3回
・スイングトレード=週に1回

というトレード回数だとして、バックテストの精度を比較してみましょう。

たとえば、月に「21営業日」「4週間」の計算で考えると、バックテストにおけるトレード回数は以下のようになります。

・1か月あたり
→FXのデイトレード63回
→スイングトレード=4回

・1年あたり
→FXのデイトレード=756回
→スイングトレード=48回

・10年あたり
→FXのデイトレード=7,560回
→スイングトレード=480回

以上のように、トレード回数は圧倒的にデイトレードの方が多くなっている事がお分かり頂けるかと思います。

もちろん、上記は概算でしかありません。

ただ、それでもスイングトレードのトレード回数が明らかに、「桁違い」に少ない事は確かです。

その上で、スイングトレードのようにトレード回数が少ないバックテストの精度は、確率・統計で言えば分母が少ないため、当然ながら低くなってしまいます。

要するに、スイングトレードではバックテストの精度が低く、バックテストと同じようなパフォーマンスを残せるかという点が怪しくなってしまうということです。

先ほどのバックテスト10年あたりのトレード回数で言えば、

・FXのデイトレード=7,560回
・スイングトレード=480回

なので、スイングトレードに比べてデイトレードの方が確率・統計で言う分母が約20倍になります。

分母の数が大きい方が、いわゆる試行回数が多いので、単純にバックテストで検証した手法の確率・統計における信ぴょう性が高いということです。

試行回数=トレード回数がデイトレードのように多ければ多いほど、勝率はもちろん、得られる利幅、想定される損失額など、、、バックテスト時に検証した、あらゆる要素の信ぴょう性が高まります。

対してスイングトレードは、数日~長くて数週間という期間でポジションを持つ事でトレード回数が少ない傾向にあるため、そんなFXのデイトレードと比較し、試行回数が少ない事で、バックテスト時の信ぴょう性が低いと言わざるを得ません。

つまり、スイングトレードはそもそも試行回数が少ない信ぴょう性が欠けるバックテストになりがちなので、いくらスイングトレードのバックテストで勝てていたとしても、実際の相場でも同じように通用する可能性は低くなってしまうというわけです。

以上から、実際のトレードでもバックテスト時のパフォーマンスを維持できるかという「再現性」に関しては、デイトレードの方が明らかに「高い」と言えると思います。

まとめ。スイングトレードとデイトレードの比較

以上、FXのデイトレードとスイングトレードに関して、

・リスクの大きさ
・トレード手法の再現性
という2つの観点から双方を比較してきました。

以下、双方のまとめになります。

●スイングトレードのまとめ

  • ポジション保有時間が長いため、想定外の損失を被る可能性があるという大きなリスクを常に抱えている
  • そもそもトレード回数が少ないため、バックテストの精度が低い
  • そのため、バックテストでいくら勝てていたとしても「偶然」の可能性があり、それが実際の相場で同じように再現できる可能性が低い

●デイトレードのまとめ

  • ポジション保有時間が数分単位~と短いため、想定外の出来事による予想外の損失に遭遇しにくい
  • また、仮にポジション中に想定外の出来事に遭遇したとしても、基本的に相場を見れる環境にあるため、即座に対応し、予想外の損失を回避できる
  • スイングトレードと比べて10年単位で見れば約20倍ほど試行回数が多いため、バックテストの精度も比例して高い
  • よって、バックテストのパフォーマンスが偶然とは考えにくく、バックテスト時の有効性を実際の相場でも維持できる可能性が非常に高い

以上を踏まえ、私の結論としては、

・想定外の損失を受けにくい
・バックテスト時のパフォーマンスを維持しやすい

というデイトレードの方が、スイングトレードよりも「より利益率を高めらえる余地がある」という判断をさせて頂きます。

追伸

私としては利益率の面で見て、スイングトレードではなくFXのデイトレードを推奨しているわけですが、決してスイングトレードを全体的に否定するわけではありません。

スイングトレードは、ポジション保有中の長時間は何もする必要がないため、「ある程度の不労所得化が可能」という大きなメリットがあり、たとえ利益率が下がったとしても、不労所得化の方を優先したいというトレーダーであれば、スイングトレードを取り組む事は良いと思います。

特に、仕事でトレード時間が確保しにくい兼業トレーダーの方にとっては、そもそも相場をなかなか見る事ができないとなれば、デイトレードの実践自体を諦めてしまうかもしれません。

ただ、デイトレードの場合であっても、日本の21時以降である、いわゆる「ニューヨーク時間」だけでも、十分に稼ぐことは可能です。

実際に私自身は専業デイトレーダーですが、基本的にこのニューヨーク時間のみで十分な利益率(1日あたり10%台)を取れています。

ニューヨーク時間は日本時間で言えば21時頃~なので、日中の時間帯に働く多くの兼業トレーダーにとっても、十分に実践が可能ではないかと思います。

私自身のデイトレード手法は、専業デイトレーダーと言っても、21時頃~翌2時頃という極めて短時間のみのトレードです。

実際に手法を継承したクライアントの方々も、元々は普通の会社員で日中は仕事をしている場合が大半でした。

ですが、21時~となれば、帰宅後でも十分に私のデイトレ手法を可能だったため、それなりのリターンを得ることができたわけです。

兼業トレーダーにも推奨ができる私のデイトレード手法は、下記の『専業FXデイトレーダーの会』公式メールマガジンにて、順を追って解説しています。

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以上、ここまでお読み頂きありがとうございました。

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