杉原です。

FXをはじめとするトレードの世界では、

「コツコツと勝った後、一発でドカンと負けるトレーダーが多い」

とよく言われます。

特に、短い期間でコツコツと利益を積み上げたと思ったら、それまでの利益をたった1日で一気に失ってしまうというパターンが非常に多いです。

これが、いわゆる『コツコツドカン』という負けパターンになります。

今回の内容は、FXのデイトレードに特化して、そんなコツコツドカンが起こってしまう原因と、その根本的な要因から見た対策=解決策もあわせて解説していく講義です。

このコツコツドカンは、酷い場合にはわずか一回の負けで資金の大半を失ってしまう事も決して少なくありません。

そんな危険を回避するためにも、ぜひ本記事の内容を参考にして頂ければ幸いです。

それでは早速いってみましょう。

本記事では、すでに取り組んでいる有効なFXのデイトレ手法がある前提で話を進めていきます。

本来は有効であるはずの手法にも関わらず、手法のルールを無視してコツコツドカンをやってしまう原因および対策を解説していきます。

もし、取り組んでいるFXのデイトレ手法を忠実に実践しているものの、コツコツドカンが発生してしまうという場合は、そもそもの話トレーダー自身ではなく、そのデイトレ手法に問題があると言っても過言ではありません。

そのようなパターンの場合、ロジックそのものを改善しなければならないと思いますので、宜しければ以下の記事を参考になさってみてください。

>【決定版】勝てるトレード手法の開発法、ロジックやルールの作り方について

>最低限負けない。勝てるFXのデイトレード手法、ロジックの「最低ライン」について。

コツコツドカンで負ける原因、理屈とは

まずは、コツコツドカンで負けてしまう「原因」「理屈」を明確にしていきましょう。

コツコツドカンで負ける人のトレード特性として共通するのは、以下の項目になります。

  • 勝率はそれなりに高い
  • 利確が早い
  • 損切りが遅れる

要するに勝率は高いものの、損失:利益のリスクリワードが最悪だということです。

そもそも勝率が高いのは、利確が早い事が要因と言っても過言ではありません。

利確が早ければ早いほど、必然的に勝率は上がるため、「コツコツ」と小さな利益は積み上がっていきます。

特にデイトレードの場合、そもそも短時間での利確を狙うスタイルのため、エントリーしてすぐに含み益が一気に膨らむことが少なくありません。

その際に、取り組んでいるデイトレ手法のルールでは、まだ利確の条件になっていないにも関わらず、

「この含み益を無駄にしたくない」
「一気に逆向して、損切りになる前に利確してしまおう」

という心理から、その場で早くも利確してしまうデイトレーダーが多々いるようです。

そのようなデイトレードを行っていれば、必然的に勝率は上がり、小額ながらコツコツと利益を積み上げる事ができます。

ただ、このように普段取り組んでいるFXのデイトレ手法における、利確の条件を満たしてないにも関わらず、

目先の小さな利益のみ

に目がいき本来取れていた利幅を取れない事で、トータルの利益額は少なくなってしまうわけです。

これが、コツコツドカンにおける「コツコツ」の原因になります。

続いては、コツコツドカンの「ドカン」に関しても原因を見ていきましょう。

そもそもトレードの世界において勝率100%は、まず有り得ないため、必ず損切りになるトレードは避けて通れません。

取り組んでいるFXのデイトレ手法において、本来ならば損切りしなければならない場面であるものの、

「もしかしたら、エントリーした価格まで戻ってきてくれるかもしれない」
「今損切りしたら、後で利確できる可能性があるので、勿体ない」

などの心理が働き損切りを後回しにしてしまい、結果として最終的にはエントリーした価格まで戻るどころか、さらに含み損が膨らみ、

最終的に観念して大きな損切りを行う・・・

という流れで「ドカン」と負けてしまうわけです。

このように、自らの手で最終的に損切りができる場合はまだ「救い」があります。

最悪な事態としては、最後の最後まで反転して価格が戻ってくれる事を期待し、損切りをせず、取引口座側で強制ロスカットされてしまうパターンです。

このパターンでは資金の大半、もしくはほぼ全額をたった一回の負けで失ってしまうという、文字とおり「最悪のシナリオ」と言っても過言ではありません。

特にFXのデイトレードにおいては、当日中に決済することが基本であるものの、損切りを後回しにし続けた挙句、日をまたぐ、いわゆるオーバーナイトをしてしまうケースも少なくありません。

そんなオーバーナイトでは、朝の市場オープンと同時に、突発的な値動きが起こりやすくなります。

そのため、一気に含み損がなくなるという「ラッキー」な事が起こる可能性も0ではありません。

ただ、逆に損失が取り返しの付かないレベルに広がってしまうことも普通に有り得るので、その時点で強制ロスカットに巻き込まれる危険性も十分に考えられます。

以上、ここまで説明した、

「コツコツ」→早すぎる利確で小さな利益を積み重ねる
「ドカン」→損切りを後回しにして、最終的に大きな含み損でロスカットする

の双方が重なることで、コツコツドカンが完成してしまうわけです。

なぜ、ルールどおりの「利確」「損切り」ができないのか?

ここまでは、本来のトレードルールを無視した

「早すぎる利確」
「遅すぎる損切り」

によってコツコツドカンが生まれるという解説をしてきました。

では、そもそもルールどおりに「利確」「損切り」ができない要因は何なのかー

その辺りの深い部分に踏み込んでいくことで、コツコツドカンを防止する対策が見えてきますので、具体的な対策案の前に、まずはトレードのルールを破ってしまう原因を明確にしていきましょう。

コツコツドカンをやってしまうトレーダーが、トレードのルールを破る心理パターンとしては以下の2点が挙げられます。

  • 1.勝っていて余裕があるので、ちょっと試しにエントリーしてみようかな
  • 2.ミスをして本来受けるはずではなかった損失を受け、一気に取り返そうと考える

まず1のパターンでは「慢心」から、結果として、しっかりと検証していないロジックでトレードするという行動に走りやすくなります。

ただ、バックテストやフォワードテストで検証していない以上、そんなトレードは単なるギャンブルでしかありません。

そんなギャンブルのようなトレードでは、完全なる「運任せ」なので、どうしても思いとおりに利益(含み益)が出ず、最終的に含み損が広がり、先ほど説明したような「ドカン」に繋がってしまうわけです。

せっかく勝っていて積み上げていた利益も「すっからかん」になってしまいます。

対して、

2.ミスをして本来受けるはずではなかった損失を受け、一気に取り返そうと考える

のパターンでは、すでに確定した損失があり、その損失を取り返そうと「必至」になりやすいため、焦ってトレードできる場面を探し出す傾向にあります。

焦った結果、取り組んでいるデイトレ手法のルールを見落としてしまい、意図せずにルールを破ってしまう可能性も少なくありません。

以上、ルールを破ってしまうトレーダーの心理から生まれる行動をまとめると、

1.勝っていて余裕があるので、ちょっと試しにエントリーしてみようかな
→「慢性」から意図的にルールを破ってしまう

2.ミスをして本来受けるはずではなかった損失を受け、一気に取り返そうと考える
→「焦り」から意図せずルールを破ってしまう

ということが浮かび上がってきました。

以上を踏まえ、次章ではコツコツドカンを防ぐ根本的な解決策を解説していきたいと思います。

コツコツドカンの対策

ここまでは、コツコツドカンの根本的な原因として、以下のような要素を挙げて解説してきました。

  • 目先の小さな利益のみを求めて「早過ぎる利確」をしてしまう
  • 含み損が解消される事を期待して「遅すぎる損切り」をしてしまう
  • 「焦り」から意図せずルールを破ってしまう
  • 「慢性」から意図的にルールを破ってしまう

その上で、ここでは上記の要因を回避する対策を解説させて頂きます。

そんなコツコツドカンを防ぐ解決策は、以下の3つです。

  • チャンス以外はチャートを見ない
  • エントリーと同時に、指値注文と逆指値注文、またはアラートの設定を行う
  • 月間の利益率を常に考える

では、1つずつ掘り下げいきましょう。

コツコツドカンの対策1.チャンス以外はチャートを見ない

どんなデイトレ手法のルールでも、アラートなどを駆使すれば、チャンスが訪れる前段階で、パソコンやスマートフォンへ通知することができるはずです。

インジケーターの値などを利用すれば、チャンスの前にアラートで通知することは、普通に不可能ではありません。

その上で、そのアラート通知が来ない限りは、決してチャートを見ないようするーこれが1つ目のコツコツドカン防止策です。

仮に連勝して資金に余裕ができると、「慢心」から、

「ちょっとくらい試しにエントリーしてみようかな」

という心理が生まれてしまう可能性があります。

そこで、アラート通知が来ない限りは徹底してチャートを見なければ、取り組んでいるデイトレ手法のルール以外でのエントリーを必然的に防げるようになるわけです。

【実践者の実績や生の声】

コツコツドカンの対策2.エントリーと同時に、指値注文と逆指値注文、またはアラートの設定を行う

2つ目の対策としては、エントリーしたと同時に、

・利確の注文(指値)
・損切りの注文(逆指値)

を出してしまうことになります。

先に利確と損切りの注文を発注してしまえば、

「早すぎる利確」
「遅すぎる損切り」

の2つを回避することができるからです。

その際に、あわせて決済されたら通知が来るようなアラート設定を行い、決済が完了するまでは決してチャートを見ないようにします。(1つ目の対策と並行するため)

ただ、手法によっては、ライントレードなどでトレンドラインに触れたら決済するような場合、エントリーした時点では明確な「利確場所」「損切り場所」を設定できず、指値と逆差し値を出せないという場合も少なくありません。

そのような場合、決済対象となるトレンドラインにアラートの設定を行い、決済(利確または損切り)の場面になったらアラート通知が来るようにします。

そして、その通知が来たら、問答無用で利確または損切りを行うわけです。

その上で、当然ながらエントリーした時点で発注した指値と逆指値、もしくは設定したアラートは決して動かしてはなりません。

その指値と逆指値、アラートは、ルールどおりの決済であるため、それらを動かしてしまうということは、ルールを破る事と同じだからです。

ルールを破ることは「コツコツドカン」の始まりになる恐れがあるので、徹底してルールを守る必要があります。

コツコツドカンの対策3.月間の利益率を常に考える

まず前提の考え方として、仮に当日の収支が「負け」になる日が合っても、特に問題ありません。

なぜなら、最終的に月単位で見て、その日の負けを帳消しにして勝っていれば良いからです。

各自トレーダーごとに月間収支の目標がそれなりにあると思います。

結果として、その目標を達成すれば良いなので、仮にミスをして損失を被ったとしても、別にその日の内に取り返す必要はなく、月単位で取り返す事ができれば良いわけです。

そのように考えれていれば、当日中に損失を取り返そうとして「焦りにより意図せずルールを破る」という事態を防ぐことができます。

ただ、月末に「当月の目標までギリギリ届くかどうか」という際には、

「その日の内に勝たなければ」

という焦りが生まれてしまうかもしれません。

そんなギリギリの場合には、年単位での目標成績と照らし合わせ、当月が仮に目標に届かなくても、次月以降で帳尻を合わせていくように切り替えていくことを推奨していました。

また、そのようなケースが続く場合には、そもそもトレード手法に問題がある可能性が非常に高いので、

・そのロジックを見直す
・新たに別の手法を取り入れて並行してトレードを行う

というアプローチが有効になります。

関連記事1:【決定版】勝てるトレード手法の開発法、ロジックやルールの作り方について

関連記事2:最低限負けない。勝てるFXのデイトレード手法、ロジックの「最低ライン」について。

まとめ。デイトレのコツコツドカンで負ける原因と対策。

本記事では、FXのデイトレードに特化した上で、コツコツドカンで負ける原因と対策を解説してきました。

コツコツドカンで負ける根本の心理を踏まえた原因は、

目先の小さな利益のみを求めて「早過ぎる利確」をしてしまう
含み損が解消される事を期待して「遅すぎる損切り」をしてしまう
「焦り」から意図せずルールを破ってしまう
「慢性」から意図的にルールを破ってしまう

などが挙げられ、これらの予防策・解決策として、

1.チャンス以外はチャートを見ない
2.エントリーと同時に、指値注文と逆指値注文、またはアラートの設定を行う
3.月間の利益率を常に考える

という3点を解説させて頂きました。

ここで挙げた根本原因となる心理は「癖」になりやすく、コツコツドカンを何度と繰り返してしまう人も決して少なくありません。

何度も大事な資金を失わないように、本記事で解説した対策を取り入れて頂ければ幸いです。

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