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杉原です。
コツコツドカンで大きく負けるトレーダーが多いと言われる中、
『コツコツドカンの逆』
なら、トレードで大きく勝てるのでは?という考えを抱くトレーダーは少なくないと思います。
確かに、コツコツドカンの逆は多くの負けパターンとは「逆」なので、上手く実践ができれば勝てる見込みがあるかもしれません。
【実践者の実績や生の声】
そこで今回の記事では、コツコツドカンの逆トレードで勝つ事ができるのかを解説していきたいと思います。
ー前提となる「コツコツドカン」の定義についてー
『勝率』はそこそこ高く、「コツコツ」と少額の利益を積み重ねるものの、損失:利益の『リスクリワード』が最悪で、たった1回の損切りで大きな損失を「ドカン」と受けて大損してしまうパターンです。
それも、一度の負けで大事な資金を一気に溶かしてしまう「致命的」な負けも含みます。
上記がコツコツドカンの定義になります。
それでは早速、「コツコツドカンの逆」に関しての記事に入っていきましょう。
コツコツドカンの逆トレード例
コツコツドカンの逆をいくトレードについて掘り下げる前に、まずは多くのトレーダーが陥っているコツコツドカンの負けトレード例を示したいと思います。
まずは悲惨な例を先に示し、後に「逆コツコツドカン」の例を掘り下げた方が、深く理解しやすくなるので、説明順序に関してご了承ください。
コツコツドカンの負けパターン例
前述のとおり、先にコツコツドカンの例を挙げてみましょう。
(分かりやすいように、非常に極端な例にしました。)
- 勝率99%
- 平均の損切り100pips
- 平均の利確幅1pips
このコツコツドカン例では、仮に100回のトレード機会があった場合、非常に高い勝率で99回も勝つものの、1回あたりの利幅が1pipsしかないため、トータルで99pipsしか獲得した利幅はありません。
「損失:利益=99:1」なので、リスクリワードで見れば最悪です。
その上で、たった一度の負けにおける損失幅が100pipsなので、 99回も勝った利益分がマイナスになってしまいます。
そんな負けトレード(損切り)が「100回目」のトレードなら、まだ損失の被害はそこまで大きくはなりません。
トータルの損失幅は1pipsしかないからです。
ただ、仮に15回目のトレードで負けた場合、
・そこまでの勝ち利幅=14pips
・一度の損切り幅=100pips
となるため、マイナス86pips分の損失を受けてしまいます。
このように、たとえ勝率が高く「連勝する確率」が非常に高いとしても、勝率は決して100%ではないため、どうしても早い段階で負けトレードが来てしまう可能性も否定はできません。
そうなると、損失:利益=1:99という最悪なリスクリワードが影響し、このように大きな損失の被害を受けてしまうわけです。
このような流れが、多くのトレーダーがコツコツドカンで負けてしまうパターン例になります。
もちろん、連勝が異常に続き、120連勝する可能性も決して0ではありません。
その場合、121回目のトレードで初めて負けトレードとなるため、
・そこまでの勝ち利幅=120pips
・一度の損切り幅=100pips
なので、20pips分の利益幅が残る事となります。
しかし、120回も連勝することは非常に「稀」であり、そんな連勝が次も続くとはなかなか考えられません。
その反対に、121回目で初めて負けた後、150回目で再び負ける事も十分に有り得ます。
そうなると、
・最初の120連勝で残った利幅=20pips
・122回目~149回目の利幅=28pips
・一度の損切り幅(150回目の負け)=100pips
となるため、148回も勝ったものの、たった2回の負けで52pipsという大きな損失幅が残ってしまうということです。
このように、たとえ「コツコツ」と100回を超える連勝をしたとしても、1回あたりの損切り幅が「ドカン」と大きい事で、甚大な損失を受けてしまうのが「コツコツドカン」の負けパターンになります。
コツコツドカンの逆トレード例
続いては「本命」となるコツコツドカンの逆トレードについてです。
先ほどまで説明したコツコツドカンの「逆」なので、言い換えれば、
・勝率は極めて低い
・リスクリワードの損失:利益において利益の方が極めて高い
というトレード手法になります。
先ほど同様、分かりやすいように極端な例を見ていきましょう。
- 勝率1%
- 平均の損切り1pips
- 平均の利確幅100pips
これがコツコツドカンの逆トレードで、損失:利益=1:99となるのでリスクリワードで見ると非常に優秀です。
毎回の損切りは「コツコツ」と1pipsに抑え込む分、少しの逆行で損切りになるので、勝率は極めて低くなっています。
ただ、1回の利確で100pipsもの利幅を「ドカン」と取れるため、「コツコツ」と負けた分を1回のトレードで取り返せる可能性があるわけです。
仮に99連敗しても次のトレードで勝てば、
・そこまでの損失幅=99pips
・一度の利益幅=100pips
となるため、99連敗分のトータル損失を一発で「帳消し」にすることができます。
まさに、先ほど挙げたコツコツドカンの「逆」になるということです。
その上で、勝率が1%ということは負け率は99%となります。
そのため、99連敗以上の連敗も十分に考えられるはずです。
仮に120連敗し、121回目のトレードで勝ったとすると、
・そこまでの損失幅=120pips
・一度の利益幅=100pips
となり、20pips分のマイナスになってしまいます。
ただ、150回目に再び勝ったとすると、
・最初の120連敗で残った損失幅=20pips
・122回目~149回目の損失=28pips
・一度の利益幅(150回目の勝ち)=100pips
となるので、52pipsの利益幅が残るというわけです。
このように「コツコツドカンの逆トレード」では、仮に「コツコツ」と148回の負けがあっても、たった2回の「ドカン」とした勝ちトレードで十分な利益幅が残るようになります。
コツコツドカンの逆トレードに存在する「落とし穴」
ここまでは、
・コツコツドカンにおける悲惨な例
・コツコツドカンの逆トレードにおける利益幅が大きく残る例
を解説してきました。
その上で、コツコツドカンの逆をいく後者のトレード手法なら、勝率が低くともリスクリワードを極めて高く保つ事ができれば、十分に勝ちを見込めると感じるかもしれません。
しかし、そんなコツコツドカンの逆トレードには重大な欠点がありました。
ここでは、1日の中で完結する「デイトレード」と、日をまたぐ事が前提で数日以上のポジション保有時間を持つ「スイングトレード」に分けて、『コツコツドカンの逆トレード』の落とし穴について触れ、コツコツドカンの逆は本当に有効なのかを検証していきたいと思います。
FXのデイトレードにおける「コツコツドカンの逆トレード」
ここまで説明したコツコツドカンの逆トレードには、特にデイトレードの場合であれば、1日の中でトレードを完結するため、1日の値動き以上は利幅を取る事ができません。
つまり、仮に先の例で挙げた、
勝率1%
平均の損切り1pips
平均の利確幅100pips
という逆コツコツドカンにおいて、一度の利益幅が100pipsに届かない可能性が普通に有り得るということです。
ドル円やユーロドルと言った主要通貨ペアで見ると、100pipsも動く事はなかなかありません。
そのため、そもそもFXのデイトレードにおいて、ドル円やユーロドルと言った値動きがあまり大きくない通貨ペアでは、コツコツドカンの逆トレードは成立しにくいと言えるわけです。
ただ、1日の値動きが仮に100pipsあったとしても、そんな値動きの「天井と底」を根こそぎ取れる事は非常に難儀です。
少なくとも、1日に4,500pipsほど大きな値動き内がある中であれば、100pipsの利幅を取る事は十分に可能だと思います。
しかし、1日に200pips程度の値動きしかないとすると、1日の中で100pipsの利幅を取る事は物理的に考えて非常に難しいと言っても過言ではありません。
そもそも、トレードを開始する時間には、すでに150pipsほど動いており、エントリーしてから見込める値動きは50pipsほどしかないということも十分考えられるからです。
ちなみに、FXにおいて値動きが大きい部類とされる前述のポンド系列でも、200pips前後がだいたいの1日における値幅になります。
そのため、FXでは、コツコツドカンの逆トレードにおける一発で大きく勝つ「ドカン」が成立しない可能性が高いというわけです。
よって以上のことから、デイトレードにおいては、コツコツドカンの逆トレードは有効ではないと私は考えていました。
スイングトレードにおける「コツコツドカンの逆トレード」
先ほどのFXにおけるデイトレードの場合とは異なり、スイングトレードの場合であれば、100pipsの利幅は決して不可能ではありません。
そもそもスイングトレードはデイトレードのように1日で完結するのではなく、数日、場合によっては数週間ほどの期間を掛けて利幅を伸ばすのがトレードスタイルです。
そのため、1日の中で200pipsほどしか値動きなく、100pipsを取る事が難儀だとしても、仮に1週間単位(5営業日)で見れば
200pips×5営業日
という概算で1000pipsほどの値動きが期待できます。
よって、スイングトレードであれば、一度の利幅を100pipsほど取る事も可能性として十分に有り得るということです。
ただ、スイングトレードの場合、前述のとおりポジションを保有する期間が長いため、月に数回程度しかトレードを行いません。
そのため、仮に月に3回のトレード回数だとした場合、年間に換算すると、
月に3回×12か月=年間36回
のトレード回数しかない計算となります。
その上で、前述のような、
勝率1%
平均の損切り1pips
平均の利確幅100pips
という「コツコツドカンの逆トレード」の条件であれば、年間に36回しかトレード回数がないため、すべてが「負けトレード」という可能性も十分に考えられるわけです。
この例では「コツコツ」と負け小さなを積み重ねて、一発逆転を狙うものの、そもそもトレードの回数が少ないため、その逆転の「ドカン」という勝ちトレードが訪れないまま1年が終わってしまいます。
ゆえに、このコツコツドカンの逆トレードをスイングトレードで実装しようとすると、月間の収支だけではなく、年間の収支さえも非常に高い確率でマイナスになりがちだということです。
以上から、スイングトレードにおいても、デイトレードと同様に「コツコツドカンの逆トレード」は現実的ではないと私は考えていました。
補足として、スイングトレードには、
ポジションを保有している期間に、予期せぬ要因によって逆行する
そもそもトレード回数が少ないため、バックテストの精度が低い
など「致命的」な欠点があることで、そもそも、
勝率1%
平均の損切り1pips
平均の利確幅100pips
という「コツコツドカンの逆トレード」の条件を下回ってしまう可能性もあります。
勝率が0.5%になる可能性もありますし、利確幅が100pipsを下回る事も有り得るわけです。
そんなスイングトレードの致命的な欠点に関しては、スイングトレードとFXのデイトレードを比較した下記の記事にて解説していましたので、興味がありましたら、ぜひ目を通してみてください。
補足:勝率から考える「コツコツドカンの逆トレード」における落とし穴
先ほどは、FXにおけるデイトレードとスイングトレードに分けて「コツコツドカンの逆トレード」が現実的ではないという解説をしてきました。
ここでは、FXのデイトレードとスイングトレードの両方に共通し、「勝率」の面から考える「落とし穴」について補足説明をさせて頂きたく思います。
そんなコツコツドカンの逆トレードにおいては、損失:利益のリスクリワードが極めて高い反面、勝率は決して高くはありません。
むしろ、極めて低いと言えると思います。
その上で挙げられる「致命的な落とし穴」は、ロットを高められない事です。
いくら一発逆転で「ドカン」と利幅を大きく取れたとしても、ロット数が「矮小」であれば、獲得する収益も極めて小さなものになるため、ロットを上げられない点は致命的な落とし穴になるわけです。
まず、極めて勝率が低い時点で連敗は常に発生し続けると想定できます。
そのため、ロットを高く設定してトレードをしていれば、序盤の連敗時だけでも、資金がショートしてしまう可能性があるわけです。
よって、連敗を考慮した上で資金のショートを回避するためにも、ロットを非常に低く設定したトレードが欠かせません。
ただ、仮に勝率が1%しかなければ99連敗で済まず、さらに連敗が続く事もなくはありません。
そのため、99連敗以上の負けが続く事も考慮し、資金のショートを回避できるだけの低いロット数を設定する必要があるわけです。
このように、コツコツドカンの逆トレードにおいては、多くの連敗を想定して資金ショートを回避するための「矮小」なロット数でしかトレードができません。
ゆえに「コツコツ」と小さな負けを積み重ね、一発逆転で「ドカン」と大きく勝ったとしても、極めて低いロット数のトレードであるため、実際に得られる収益はそれほど大きくはないわけです。
以上から「勝率」の面で見た場合にも、コツコツドカンの逆トレードはあまり現実的ではないという見方ができました。
まとめ。勝率とリスクリワードの関係から見た「コツコツドカンの逆トレード」。
本記事では、勝率とリスクリワードの関係性から例を挙げ、コツコツドカンの逆トレードは現実的ではないという解説をしてきました。
以下が、その簡潔な理由です。
- デイトレードの場合はそもそも「ドカン」と勝つだけの利幅を、1日の中で取れない可能性が非常に高い
- スイングトレードの場合は、トレード回数が少な過ぎるため、月間だけではなく年間単位でも勝ちが来ないことでマイナス収支が普通に有り得る
- 連敗による資金ショートを回避するために普段のロットは極めて低く設定しておく必要があるので、ドカンと勝った時のpipsは大きいものの、得られる実際の収益はそれほど大きくはない
以上のような理由から、コツコツドカンの逆トレードは現実的ではなく、基本的に成立しないと、私自身は考えていました。
「コツコツドカン」で負ける人が多いのならば、その「逆」をいけば勝てるのでは?という発想は良かったのですが、トレードで勝つ事はそれほど単純ではないということです。
トレード勝つべくして勝つためには、トレードの本質部分から考え、手法・ロジックの考案をすべきだと思います。
このブログでは、トレード1回で2桁の利益率を現在進行系で出しているデイトレ手法を、記事の中で解説していました。
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杉原。