杉原です。

読者さんから頂く相談の中で割と上位を占めるもので、

「FXでデイトレをしているのですが、何故かロットを上げると勝てません」
「今まで勝てていたのに、ロットを上げたら連敗して資金が一気に減ってしまいました」

という趣旨のものがあります。

FXは数百倍のレバレッジが使える海外口座を活用し、ロットを大きく上げ、その分だけ利益を一気に高める事も不可能ではありません。

ただ、どういうわけかロットを上げると、今まで勝てていたものの、急に勝てなくなり一気に資金を減らしてしまうというケースが多々見受けられていました。

そこで本記事では、ロットを上げると勝てない(負ける)原因と、それらの対策法を解説していきたいと思います。

本記事の内容を頭に入れる事で、ロットを上げても勝ち続け、さらに資金を短期間で増幅させられる「きっかけ」になると思いますので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。

FXでロットを上げると負けてしまう原因は、2つに分かれる

なぜかFXのデイトレでロットを上げると勝てなくなる原因としては、

精神面の問題
デイトレ手法の問題

という2つに分ける事ができます。

割とこの手の問題を議題にしているブログやサイトでは、前者の精神面のみをピックアップしていました。

ただ、意外にも急にロットを上げる事で勝てなくなるのは、「手法そのもの」に問題があるケースも実は少なくありません。

そこで本記事では「精神面」「手法面」に分けた上で、それぞれの根本原因を掘り下げながら、解決策もあわせて解説していきたいと思います。

【実践者の実績や生の声】

精神面の問題により、勝てなくなる場合

まず1つ目は精神面が要因となるケースです。

これは、普段取り組んでいるFXのデイトレ手法に、確固たる有効性があるという前提になります。

資金が増えてロットを上げていくと、その分だけ得られる利益が大きくなりますが、実はロットを上げて変わることはそれだけではありません。

ロットを上げていくことで起こる現象として、トレード途中の「含み損の桁が増える」というものがあります。

取引量(ロット数)に比例して、含み益も含み損も大きくなるので、これは避けようがありません。

桁が増える含み損により緊張することが根本の原因

そんな桁が増えてしまう含み損ですが、そもそも「含み損」はまだトレードの途中段階で確定していないものなので、これからプラ転し、利確できる可能性も普通にあるはずです。

ただ、今までにない桁の大きな含み損を目にすることで「緊張」してしまうというトレーダーも決して少なくないと思います。

プラ転して利確できれば良いですが、勝率100%は物理的にありません。

そのため、そんな桁が増えた含み損が、そのまま損切りになって自身の口座資金を減らすことになる可能性も普通にあるわけです。

そのような背景があり、見た事のない含み損を目にして緊張してしまうケースが少なくありません。

そして、そんな緊張によって、取り組んでいたデイトレ手法のルールを破り『早過ぎる決済』をしてしまう傾向が強くなります。

要は、桁違いになってしまった含み損が怖くなり、以下のような決済をしてしまう傾向があるわけです。

  • 後々、プラ転していたものの、早く損切りしてしまう事で含み損を確定させ損失を被る
  • また大きな含み損を目にしたくないために、まだ目標の利確場所まで来ていないのに、微益で利確してしまい利幅を減らす

結果、取り組んでいた有効性のあるデイトレ手法のルールを破ってしまうことになります。

今までは勝てていたのに、上記のように、

・勝率が下がる
・トータルの利幅が減る

ということにより、途端に資金が減少していくわけです。

このように、単に勝率が下がり勝てなくなるだけでなく、勝ちトレード時の利幅も減るため、資金の減少が加速してしまう傾向にあります。

精神面で勝てなくなる対処法、解決策

ロットを上げると精神面によって負けてしまう要因の対処法、解決策には、

・含み損の認識を改め金額では無くpipsを見る事
・自身が取り組むFXのデイトレ手法に確信を得る事

という2つあります。

含み損の認識を改め金額では無くpipsを見る事

そもそもトレードを行う上で「含み損」は避けては通れません。

スプレッドが存在している以上、エントリーした時点でマイナスの含み損スタートだからです。

さらに、いくら利確できる勝ちトレードであっても、エントリーした時点からまったく逆行せずに利確するということは稀だと思います。

一度は逆行して含み損が広がり、そこからチャートが波形を描きながら、含み損がプラ転して含み益になり、最終的に利確できる傾向が高いわけです。

また、デイトレにおいて、物理的に勝率100%は有り得ません。

そのため、広がった含み損がそのまま損切りになるケースも普通にあるわけです。

ですので、相応の含み損を目にすることは避けられません。

これはロットを上げてもまったく同じです。

その上で、ロットを上げても手法が同じであれば「平均的な含み損のpips」も変わることは有り得ません。

ただ、ロットを上げる分だけ、比例して含み損の「金額」は大きくなってしまいます。

そこで、金額ではなくpipsだけを見るようにすれば、余計な「不安」「緊張」は抑えられるはずです。

(MT4などの発注ツールでは収支の金額を見ず、チャートで確認できるpipsを見ていきます。)

これにより、ロットをいくら上げようとも、物理的に含み損の「金額」が見えなくなるので、緊張も不安もなく冷静にトレードができるはずです。

自身が取り組むFXのデイトレ手法に確信を得る事

緊張の根本は、

手法に絶対の確信を持っていない事
手法のルールどおりにできる確信がない事

が少なからずあると思います。

上記のような「確信」を持っていれば、たとえ桁が増えるほど含み損が大きくなっても、

・リスクリワード(損失幅:利益幅)
・勝率

は変わらないので、含み損を冷静に見つめ、決してルールを破る事ないはずだからです。

結果、今までと変わらずトレードができるので、取り組むFXのデイトレ手法に有効性があれば、いくらロットを上げたからと言って急に負ける事は基本的に有り得ません。

ただ、先ほど挙げた、

手法に絶対の確信を持っていない事
手法のルールどおりにできる確信がない事

などに該当するトレーダーは決して少なくないように思えます。

なぜ上記のような確信が持てないのか―

その辺りを掘り下げていきたいと思います。

FXのデイトレは、海外口座を使ってハイレバレッジで取り組む事により、ロットを上げられる事が可能です。

ですので、非常に短期間で資金を増やせる性質があるビジネスモデルになります。

そのため、デイトレードの「経験値」が少ない段階であるものの、一気に稼ぎが膨らむ事も少なくありません。

ただ、経験値が少ないということによって、

手法に絶対の確信を持てないまま、資金が増えてしまった
手法のルールどおり完全にできないまま、資金が増えてしまった

というパターンになるケースが割と多く見受けられます。

経験値が少なければ、それだけトレード回数が少ないので、その分だけ手法への「確信」が持てないからです。

ただ、経験値が多くなりトレード回数も比例して増えれば、上記の確信を得ることは自然にできると思います。(もちろん、取り組むFXのデイトレ手法に有効性があるという前提ですが)

そこで対策としては、

手法に対する絶対の確信
手法のルールどおりにできる確信

という2つを満たすまでは、心地良いロットで取り組む事を推奨していました。

心地良いロット=大きな含み損が発生してもまったく動じないロット数

このような確信はどうしてもトレーダー個人の「感覚」によるものなので、どのくらいの期間が必要かは人によって同じには成り得ません。

ですので、慣れてきた段階で、少しずつロットを上げ、心地良いロットの範囲を広げていき、最終的に理想のロット数までゆっくりと上げていくことがおすすめになります。

そもそもFXのデイトレ手法に問題があることで、ロットを上げると勝てなくなる場合

先ほども少し増れた、

手法に絶対の確信を持っている
手法のルールどおりにできる確信がある

という、これら2つは満たしており、含み損の桁が増えても動じないというケースであれば、もしかすると、取り組むFXのデイトレ手法そのものに問題があるかもしれません。

そこで、ここでは精神面には特に問題がないものの、そもそもFXのデイトレ手法に問題があるという場合について掘り下げて解説していきます。

精神面は無関係で、元から手法に問題がある

前述のとおり、FXのデイトレは、海外口座を使えばハイレバレッジでロットを上げられるので、非常に短期間で資金を増やせる可能性がある事は間違いありません。

その上で、取り組むFXのデイトレ手法にそもそも有効性が備わっていなくても、極めて短期間だけなら『偶然』に勝ててしまうケースは普通に有り得ます。

そのため、偶然に偶然が重なり、物凄い短期間で資金を増やせてしまうこともあるわけです。

ただ、そもそも実践しているFXのデイトレ手法に有効性がないわけですから、実践期間が長くなるにつれ、徐々に負けが増えるのは必然かと思います。

よって、短期間で資金が増えたことにともない、ロットを上げる時期に差し掛かり、実践するFXのデイトレ手法が本来の有効性(悪い意味で)を発揮して必然的に勝てなくなるというパターンに陥るわけです。

前述の精神面とはまったく異なり、単に最初は偶然勝てていただけで、元々が有効性のない手法に取り組んでいたという問題になります。

バックテストを十分に行わないと、割とこのケースに陥りがちなので要注意です。

実践する手法に「元から有効性がない」という場合の解決策

この対処法としては、十分なバックテストを行うことで、手法を検証すること以外にベストな方法はありません。

そもそもトレードは人間心理によって行われる売買から値動きが発生し、その値動きから今後の予測を立てるものになります。

そんな根底にある人間心理は、少なくとも変わることは考えられません。

よって、本当に有効な手法は、どの期間で実践しても同じく有効であるはずです。

ですので、十分な年数のバックテストを行い、その上で取り組む予定の手法が有効性を維持できるかどうかを、しっかりと検証すべきだと思います。

その際には、最低限、ドル円とユーロドル、ポンドドルなどの主要通貨ペアでは、同じように検証する事を推奨していました。

通貨ペアが異なることで有効性が薄れるようでは、先ほど触れた「人間心理」の面から見ても、手法の有効性として不十分だからです。

もちろん、どうしても値動きの大きさには通貨ペアごとに差異が生じるため、利益率には違いが生じるかもしれません。

(ポンド円の方がドル円やユーロドルよりも明らかに値動きが大きいなど)

ただ、値動きの大きさによる違いから、利益率に差が生じても、有効性のある手法ならば通貨ペアが異なっても「勝率」に大きな変化はないはずです。

ここまで触れたように、

・十分な年数
・複数の通貨ペア

でしっかりとバックテストの検証を行い、有効性の確認ができれば、そのデイトレ手法は高い有効性を維持することができる手法になります。

その上で、バックテストに加え、本番環境でのフォワードテストでも有効性の維持を確認し、合格できれば完璧です。

まとめ。FXのデイトレードでロットを上げると勝てない(負ける)原因。

本記事のまとめです。

FXのデイトレードでロットを上げると勝てない(負ける)原因としては、

精神面の問題
デイトレ手法の問題

に分かれます。

【精神面の問題】

ロットが上がる事で含み損の桁が増えて緊張することで、

・後々、プラ転していたものの、早く損切りしてしまう事で含み損を確定させ損失を被る
・また大きな含み損を目にしたくないために、まだ目標の利確場所まで来ていないのに、微益で利確してしまい利幅を減らす

という決済をして、徐々に資金が減ってしまいます。

対策としては、

・含み損の認識を改める事(金額ではなくpipsに着目する)
・自身が取り組むFXのデイトレ手法に確信を得る事(徐々にロットを上げながらトレード回数を増やしていく)

の2つを解説しました。

【デイトレ手法の問題】

海外口座を使えばハイレバレッジによってロットを上げられるため、本当は有効ではなかった手法でも極めて短期間だけならば偶然勝てていただけでも、資金を一気に増やす事ができます。

ただ、資金が増えてさらにロットを上げた時期と重なる時期に、徐々に本来の有効性(悪い意味)を発揮し、必然的に勝てなくなってくるわけです。

この対策法としては、十分な年数と複数の通貨ペアによるバックテストとフォワードテストを行い、本当に有効な手法を確立する事にほかなりません。

以上、本記事のまとめとなります。

当ブログでは実際に成果を出しているデイトレード手法について、エントリー場所も含めたロジックをいくつも公開していましたので、良ければ下記からご覧になってみてください。

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