杉原です。

本日のデイトレード講座では、値動きを予測する上で多くのトレーダーが用いる2つの分析法である、

・テクニカル分析
・ファンダメンタルズ分析

において、FXのデイトレにファンダメンタルズ分析は不要であるという理由を、相場の原理原則を踏まえて解説していきたいと思います。

少なくとも私自身は、FXを中心としたFXのデイトレで生計を立てているものの、国の財政状況などを筆頭とする「投資対象の価値」を計るファンダメンタルズ分析は一切気にしていません。

そのため、ファンダメンタルズ分析を無視した上で「テクニカル分析のみ」で値動きの予測を行い、日々の利益を相場から拾っているわけです。

ただ、特にファンダメンタルズ分析が「嫌い」「苦手」というわけではなく、FXのデイトレードにおいて明確に『ファンダメンタルズ分析が必要ない』と断言ができる確固たる理由があるからこそ、あえてファンダメンタルズ分析に手を出していませんでした。

本記事では、その辺りを相場の原理原則を踏まえて解説させて頂きますので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。

FXのデイトレードで勝つためにファンダメンタルズ分析が不要な理由

ファンダメンタルズ分析がFXのデイトレに不要な理由としては、トレーダーごとに得られるファンダメンタルズ材料の情報が平等ではないことです。

この「平等ではない」という意味合いは、

・同じ時間に得られない
・同じ内容を得られない

ということになります。

同じ時間帯に得られない

テクニカル分析のようにチャートから得られる情報の場合、すべてのトレーダーが「同時」に情報を得られます。

初心者トレーダーだろうが、専業トレーダーだろうが、金融機関のディーラーとして活動するトレーダーでさえも、テクニカル分析に関する情報は同時に得られるわけです。

対して、ファンダメンタルズ分析における財政をはじめとする「投資対象の価値」に関する情報は、全トレーダーにとって同時に得られる情報ではありません。

指標の発表によって得られるケースもあるものの、その指標が発表される「前」から情報を持っている人はすでに持っています。

同様に、ニュースなどから得られる場合の情報であっても、情報網を確立しているトレーダーであれば、放送前の時点で情報を得ていることも少なくありません。

金融機関のディーラーなどであれば、値動きに大きな影響を及ぼすと考えられるファンダメンタルズ材料の情報は、いち早く情報を得ているはずです。

以上のように、すべてのトレーダーが同じ時間にファンダメンタルズ分析に関する情報を得ることはできないわけです。

情報網を確立しているファンドであったり、金融機関のディーラーには、一般個人のトレーダーが情報を得られるスピードで敵いません。

その上で、仮にファンダメンタルズを頼りにFXのデイトレを行う場合、情報を得られるスピードが「遅い」ため、その時点で「不利」な価格でエントリーしてしまうことになります。

要するに、自分がファンダメンタルズ情報を得てエントリーをしようとした時には、すでにエントリー方向に値動きが始まっていることで、得られる利幅が少なくなるわけです。

場合によっては、すでに利幅を取れないくらい価格が伸び切っていることも少なくありません。

以上のことから、ファンダメンタルズを頼りにしたFXのデイトレードは「不利」でしかないというわけです。

これが、FXのデイトレにファンダメンタルズ分析は不要という理由の1つになります。

加えて、前述のとおり、同時に情報を得られないという点から、徐々にそのファンダメンタル材料が値動きに反映されていきます。

つまり、ファンダメンタルズ要素による値動きは、その都度チャートに盛り込まれていると考えられるわけです。

ですので、特にファンダメンタルズ分析に頼らずとも、チャートから情報を分析するテクニカル分析によって、ファンダメンタルズ分析も「包括」ができると私は考えていました。

このような視点で考えても、FXのデイトレで勝つためにはテクニカル分析に頼ることはあっても、ファンダメンタルズ分析は不要だと私は思います。

同じ内容を得られない

まず、ファンダメンタルズ分析と対称にあるテクニカル分析は、チャートから得られる情報をもとに分析を行います。

そんなチャートから得られる情報は、金融機関のディーラーだろうと、ファンドのトレーダーであろうと、初心者を含めた一般の個人トレーダーだろうと何一つ変わりません。

つまり、テクニカル分析において得られる情報は、すべてのトレーダーが「平等」に同じというわけです。

対してファンダメンタルズ分析において得られる情報は、先ほどの「早さ」の面だけではなく、「質」に関してもトレーダーによって得られるものがまったく異なります。

特に、金融機関のディーラークラスであったり、ファンドなどであれば、入ってくる情報が一般の個人トレーダーとは桁違いの「質」になるわけです。

ですので、自分が得た情報によって投資対象がこの後に「上がる」と思っても、別の「より詳しい情報」を得ているディーラーやファンドのトレーダー勢は逆に「下がる」と予想するかもしれません。

少なくとも彼らの方が資金量は圧倒的に大きいため、彼らの注文と逆にエントリーしてしまえば、たちまち大きな逆行に巻き込まれて損失を出してしまう事態が考えられるわけです。

このように、ファンダメンタルズ分析においては得られる情報の「質」が異なることからも、FXのデイトレードにおいては「不利」に働くからこそ、私としてはファンダメンタルズ分析は不要だと考えていました。

その上で、前述のとおり、ファンダメンタルズ分析による値動きは、徐々にチャート上に盛り込まれるため、テクニカル分析によってファンダメンタルズ分析も「包括」して分析ができるわけです。

ですので、やはりFXのデイトレで勝つためにはテクニカル分析を頼りにすれば良く、ファンダメンタルズ分析の必要性はあまり感じられないというのが率直なところになります。

追記:ファンダメンタルズ分析はバックテストができない

ここまでは、ファンダメンタルズ分析の情報が、

・同じ時間に得られない
・同じ内容を得られない

という点で、ファンダメンタルズ分析に頼るトレードでは、あらゆる視点で「不利」になるという解説をしてきました。

そんな「不利」に働く要素として、もう1つ挙げられるものがあったので、追記という形で解説させて頂きたいと思います。

基本的に、相場の原理原則は、売買注文によって値動きが発生するものにほかなりません。

買い注文が売り注文より多ければ「上昇」、逆に売り注文の方が買い注文よりも多ければ「下落」となるわけです。

その上で、注文を出すのは人間(トレーダー)になります。

もちろん、自動売買ツールであるEAはプログラミングによって自動的に注文が出されるため、その場合は注文を出すのは人間(トレーダー)ではありません。

ただ、実際のところ、そんな自動売買ツール(EA)を作っているのは人間にほかなりません。

つまり、EAはプログラミングによる自動的な注文が行われるものの、その注文を出す条件などのタイミングは、すべて同じ人間である制作者が予め意図したものになるわけです。

ゆえに、相場に売買の注文を出しているのは人間であると書かせて頂きました。

人間であるトレーダーが注文を出し、その注文によって売買注文の強弱が生じ、それにより値動きが発生するということです。

その上で、トレーダーが出す注文は、

「上がりそうだからロング(買い)しよう」
「そろそろ下がりそうだからショート(売り)しよう」

など、トレーダー自身の「思考」が関与していることは間違いありません。

そして、そんな「思考」は「心理」から生まれるている事は紛れもない事実だと思います。

心理から思考が生じ、その思考が注文に影響を与え、最終的に値動きにも影響を及ぼしているので、つまりは人間心理が値動きそのものを作っているわけです。

その上で、そんな人間心理は「不変性」があります。

不変ということは、過去も現在も、そして未来も大きく変わることがありません。

よって、過去のチャートを用いるバックテストによる検証で導かれた規則性、ロジックは現在のチャート、今後のチャートの値動きにも不変的に通用する可能性が非常に高くなります。

だからこそ、バックテストができるテクニカル分析によって作られるトレード手法・ロジックは有効性が高いというわけです。

ですが、ファンダメンタルズ分析は、前述のとおり、分析材料となる情報を、

・同じ時間に得られない
・同じ内容を得られない

という特性があり、それは過去においても変わりません。

そのため、ファンダメンタルズ分析によるバックテストはしっかりとできないわけです。

ですので、ファンダメンタルズ分析を頼りに行うトレード手法は、そもそも高い精度を生み出せない傾向にあると私は思います。

以上から、バックテストを行えないファンダメンタルズ分析は、FXのデイトレで勝つためには不要かと考えていた次第です。

まとめ。FXのデイトレードにファンダメンタルズ分析は不要だという理由

本記事のまとめです。

ファンダメンタルズ分析は、

・同じ時間に情報を得られない
・同じ内容の情報を得られない

という避けようがない性質があるため、トレードを行う上で「不利」に働いてしまいます。

その上、ファンダメンタルズ分析はバックテストができないため、高い精度でトレードを行うことが難しいわけです。

以上から、ファンダメンタルズ分析はFXのデイトレにおいて「不利」でしかないと考えられるため、私としては「不要」な存在かと考えていました。

その上で前述のとおり、ファンダメンタルズ材料の情報は、トレーダーごとに得るタイミングが異なるため、その情報を得て売買の注文を行うタイミングも違いがあるわけです。

ですので、ファンダメンタルズ材料によって生じる値動きは、常にチャート上に徐々に盛り込まれていると考えられます。

そして、そもそもテクニカル分析はチャートの情報から分析を行うものなので、ファンダメンタルズ分析をテクニカル分析で「包括」することができるわけです。

何より、

・同じ時間に情報を得られない
・同じ内容の情報を得られない

そんなファンダメンタルズ分析とは異なり、テクニカル分析は全トレーダーが平等に見られる「チャート」をもとに分析するため、テクニカル分析は、

・まったく同じ時間に情報を得られる
・まったく同じ内容の情報を得られる

という性質があります。

そのため、金融機関に所属している敏腕トレーダーだろうが、昨日今日FXを知ったような初心者トレーダーだろうが、テクニカル分析だけは完全に「平等な土俵」で勝負ができるということです。

対してファンダメンタルズ分析は、ここまで説明したように、トレーダーによって「あらゆる差」が生じるため、「不利」な条件でのトレードになることは避けられません。

だからこそ私は、FXのデイトレにおいて、テクニカル分析のみに注力し、ファンダメンタルズ分析は「不要」だと考えているわけなんです。

以上、ここまでお読み頂きありがとうございました。

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杉原。

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