杉原です。

FXは取引対象となる銘柄(通貨ペア)が多数あるので、デイトレーダーによっては数多くの通貨ペアを同時に監視する場合も少なくありません。

逆に、取り組んでいるデイトレード手法によっては、最も有効性の高い通貨ペア1つに絞って取引するというトレーダーもおられます。

そこで当記事ではデイトレードの取引対象を、

・1つの通貨ペアに絞るべきか
・複数の通貨ペアに増やすべきか

をいくつかの視点で比較/検証していき、それぞれの優位性を明らかにしていく次第です。

長期的に見ても得られる収益を大きく左右する内容ですので、どうぞ最後までお付き合い頂ければと思います。

利益率を高める視点での比較/検証

ここでは、デイトレードにおける本来の目的である『利益率を高める』ためには、取引対象を1つの通貨ペアか、それとも複数の通貨ペアに増やすべきかを比較、検証していきたいと思います。

まず単純な計算で、取引対象の通貨ペアが多いほど、エントリーのチャンスが増えることは間違いありません。

その上で、すでに取り組んでいるデイトレード手法に有効性があるのであれば、トレード回数が多ければ多いほど、どんどん利益が積み上がっていくはずです。

ですので単純に考えて、複数の通貨ペアに取引対象を増やすほど、利益率は高まっていきます。

逆に、取引対象を1つの通貨ペアのみに絞ってしまうと、ドル円ならドル円、ポンド円ならポンド円など、対象の通貨ペア「だけ」にトレード回数がどうしても限られてしまうわけです。

よって、1つの通貨ペアだけに比べて複数の通貨ペアに増やしたパターンの方が、週間や月間、さらには年間など長い期間で見た場合、トレード回数の多さが比例して増え、その影響で利益率の大きな向上が見込めるようになります。

より利益率を高めるためのポイント

しっかりと有効性のあるデイトレード手法に取り組む前提であれば、取引する対象を複数の通貨ペアに増やせば増やすほど、自然とトレード回数が増えるので、当然ながら利益率は大幅に上昇します。

その上で、さらに利益率を高めるポイントがあるので、ここで簡潔に解説させてください。

そのポイントは、エントリーから利確までの早さ、いわゆる『ポジション保有時間』を短くすることです。

極端な例ですが、数日以上/場合によっては数週間ほど、エントリーから決済まで(ポジション保有時間)が長い「スイングトレード」の場合、別の通貨ペアでチャンスが来てもポジションを保有していることが多くなり、結局はトレード回数を増やせません。

そのため、いくら取引対象を増やしても、なかなか利益率を高められないわけです。

これは少し極端な例でしたが、デイトレードにおいても考え方は変わりません。

例えば、数時間単位でポジションを持つタイプのデイトレード手法よりも、スキャルピング寄りのデイトレ手法でエントリーから決済まで「数分単位」で済む方が当然ポジション保有時間が短くなります。

そして、ポジション保有中に別の通貨ペアでチャンスが発生しても、ポジション保有時間が短いデイトレ手法の方が、複数の通貨ペア同士でエントリーの重複が起こりにくいので、そのチャンスを逃さずにエントリーできるわけです。

逆に、すでにエントリー済みでポジションを持っていれば、新たに売買するための必要証拠金に余裕がないからこそ、別の通貨ペアにチャンスが生じてもエントリーができません。

以上から、ポジション保有時間の短いデイトレ手法であるほど、

ポジションを持っていない状態=必要証拠金に余裕がある状態

が長くなることで、複数の通貨ペアで生じるチャンスを逃さずに、よりトレード回数を増やせるようになります。

その結果、より利益率の向上が見込めるようになるわけです。

手間や労力の視点での比較/検証

ここまで解説したように『利益率』の視点で見れば、取引対象を1つの通貨ペアに絞るよりも、複数の通貨ペアに増やす方が利益率の向上を見込めます。

ただ、複数の通貨ペアを取引対象とすることで、EA(自動売買ツール)を使わない限り、複数の通貨ペアを自身で「監視」しなければなりません。

つまり、取引対象の通貨ペアを増やすほど、複数のチャートを同時に監視する「手間」「労力」が発生するということです。

対して、1つの通貨ペアしかデイトレードの対象にしない場合、基本的に1つのチャートのみを監視すれば良いので、上記にように「手間」「労力」が増えることはありません。

このように、稼げる金額は通貨ペアを増やすほど比例して増加するものの、その分だけ、どうしても手間/労力も大きくなるわけです。

ですが、取引対象とする通貨ペアを増やしても、今ここで挙げたような手間や労力を大幅に削減する方法もあります。

取引対象を増やしてもチャート監視の手間/労力を大きく減らすテクニック

私の場合、基本的に5つ以上ある取引対象のチャートを同時に監視しています。

また、トレンドラインやチャネルライン、キリ番や水平ラインなどを引く、いわゆる『ライントレード』を主体としているので、チャートの監視にそれなりの「手間」「労力」は避けられません。

ただ、エントリーや決済のチャンスに「アラート通知」がパソコンとスマートフォンの両方に来るように設定しているため、数十分に一度、ラインを引いたり修正したりする以外、特に手間や労力はありません。

ローソク足がラインと接触することがエントリーや決済の条件になる場合が多いものの、対象となるラインにローソク足が『触れる前段階』でアラートを鳴らすことができるので、アラート通知が来るまではチャートを見続ける必要がないからです。

私自身、デイトレードを始めたばかりの頃は、アラート機能を知らなかったため、数分に一度はチャートを常に見続けるようなスタイルで、多大な手間/労力が発生して日々のトレードが大きな苦痛になっていました。

ただ、愛用しているチャートソフト「TradingView(トレーディングビュー)」のアラート機能を使い始めてからは、チャート監視の苦痛が無くなり、別の作業をしながらデイトレードができるようになっています。

また、アラート機能があることで複数のディスプレイも必要が無いので、外出先やカフェ、ホテルなどでも、ノートパソコン1つでデイトレードを行っていました。

ここではライントレードを例にしましたが、インジケーターをエントリーや決済のサインとするデイトレ手法の場合も、同じようにアラート機能を付けられるはずです。

ですので、複数の通貨ペアに取引対象を増やしても、アラート機能を使うことで、その労力や手間が増えるデメリットは大幅に削減できるようになるので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

【緊急の補足】ファンダメンタルズの視点での比較/検証

最後に補足的になるのですが、1つの通貨ペアのみに絞る場合、仮に対象の通貨ペアに関わる国のファンダメンタルズ事情により、

・テクニカルが効きにくい荒れた相場
・値動きが極端に小さくなる相場

などに遭遇した際に、収入の低下が懸念されます。

例えば政府介入が入った際には、ドル円は数百pipsが数分で動くほど「荒れた相場」になるため、テクニカルの効き目が大きく低下し、勝率も低くなりがちです。

さらに、政府介入に巻き込まれることを恐れ、トレードそのものを避けるトレーダーが増加し、ドボラティリティ(値動き)は極めて小さく、利益を取りにくいパターンも少なくありません。

仮に、取引対象をドル円のみに絞っていた場合、この過剰に思える円安の状況や、それによって発生している政府介入による影響で、

・テクニカルが効きにくい荒れた相場
・値動きが極端に小さくなる相場

になり、今まで得られていた安定した利益を残すことが難しくなるわけです。

相場が落ち着くまでトレードを回避すれば良いですが、その間の収益が「0」になるのは大きな痛手かと思います。

ただ、普段からドル円に絞らず、複数の通貨ペアを取引対象としていれば、ユーロドルやポンド円、ポンドドルなどを取引すれば良いので、特にトレードを休む必要がありません。

よって、複数の通貨ペアを扱うことで、異常事態の相場でも、動じることなく安定した利益を積み上げることができるわけです。

ここでは円安による異常相場としてドル円を例にしましたが、これはユーロドルやポンドドルなど、他の通貨ペアが関わる国のファンダメンタルズ材料によっても発生する可能性が常にあります。

重要ポジションの政治家が突然辞任、選挙結果や経済指標など、あらゆるファンダメンタルズ要因によって、相場が不安定になる危険性があるわけです。

ですので、常に安定した利益を積み上げることを考える上では、1つの通貨ペアに絞らず、複数の通貨ペアを普段から取引する方が優位になってきます。

まとめ〜FXのデイトレで取引は1つの通貨ペア単体か、複数に増やすべきかの比較検証〜

以上この記事では「利益率」「手間/労力」などの視点で、FXのデイトレードでは取引対象を1つに絞るか/複数に増やすかを比較させて頂きました。

本来のデイトレードにおける目的である「利益率を高める」上では、トレード回数が増えるほど利益率も比例して増加するので、取引対象を複数の通貨ペアに増やすべきです。

ですが、1つの通貨ペアに絞る方が、基本的にチャート監視も1つのみですので、デイトレにおける手間/労力は少ない傾向にあります。

ただ、TradingView(トレーディングビュー)などのチャートソフトや、MT4を使えば、ラインやインジケーターでエントリー/決済のチャンスを『アラート通知』させることが可能です。

ですので、デイトレードの「利益率を高めるため」に取引対象を複数の通貨ペアに増やすとしても、デメリットであるチャート監視の「手間/労力」は、アラート通知の機能を使えば十分に回避できます。

また、最後に補足として解説したように、ファンダメンタルズ要因で『荒れた相場』『異常な低ボラティリティ相場』になることがあるので、1つの通貨ペアだけでは、利益率の安定化が図れない傾向にあるのでご注意ください。

以上から、FXのデイトレードにおける取引対象は、1つに絞るよりも複数の通貨ペアに増やすことを推奨させて頂く次第です。

その上で、どんな通貨ペアを対象にトレードすれば良いのかを「利益率」の観点で、実際に私がトレードして成果を上げている通貨ペアをランキング形式で解説させて頂きました。

そもそもデイトレードに適したFX通貨ペアの特徴など、根本的な部分から解説し、間違った通貨ペア選びで資金を失わないような講義となっているので、下記のリンクからご覧になってみてください。

>本当にポンド円?デイトレに適したFX通貨ぺアの特徴と上位6つを紹介

実際、私や私がデイトレ手法を継承した方々も、取引対象を5つ以上に増やしていることで、10%以上の利益率を1日単位で維持できるようになっています。

そんなデイトレ手法におけるエントリー場所を含めたロジックは、下記の記事でエントリーから利確・損切り、ロット設定まで実例で図解しているので、こちらも目を通して頂ければ幸いです。

>【17事例】1回で10%以上の利率も。fxやゴールドの勝ち方で『チャネルライン最強』デイトレ手法の図解。

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