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杉原です。
ここ最近、当ブログ『専業FXデイトレーダーの会』の読者さんから、
「どうすれば勝ち続けられる有効なトレード手法やロジック、ルールを作れますか?」
という内容の質問を連続して頂いた事もあり、今回の記事はトレード手法、ロジック・ルールの作り方について解説していきたいと思います。
一応、本記事で解説する作成方法によって私が開発したトレード手法では、1日あたり10%台の利益率を出せていましたので、
「自分で勝てる手法を作ってみたい」
という考えを少しでもお持ちでしたら、それなりのトレードロジック・ルールを開発できる可能性があるので、非常に有意義な記事になると思います。
【実践者の実績や生の声】
勝てるトレード手法、ロジックやルールの作成方法とは
実際に私が提唱するトレード手法の構築法ですが、以下の5段階を経た上で、実際に本番とおりの資金量でトレードを行っていました。
- 第1段階 ~考案~
- 第2段階 ~検証~
- 第3段階 ~再考~
- 第4段階 ~再検証~
- 第5段階 ~試運転~
要するに、上記5つの段階すべてがトレード手法、ロジック・ルールの開発手順そのものだということです。
この5段階の開発手順は、基本的に上から順に段階を経ていく流れになります。
それでは早速、各段階1つずつを詳しくみていきましょう。
スイングトレードやそのほかのスタイルでもまったく同じ手順でロジックの開発が可能です。
ロジック開発の第1段階~考案~
まず最初の段階では、以下のようなトレードのルールを「暫定的」に決めます。
- エントリーの条件
- 利確の条件
- 損切りの条件
- 取引ロット数
- 分割注文の有無
まだ考案の段階なので、文字とおり「案」を出していくのみです。
また、当然ながら「勝率」や想定される「含み損」などは、この段階ではまだまだ未知であるので、この時点でのロット数は確定ではなく「未定」で問題ありません。
ここでの主なメインは、
エントリー条件
利確の条件
損切りの条件
というロジックにおける重要な部分です。
どんなテクニカル指標を使い、上記3つの条件案を出すかはトレーダーによってまったく異なる上に、星の数ほど膨大に案は出せます。
そもどもテクニカル指標そのものが数多くありますし、テクニカル指標を複数使うとなれば、その組み合わせによっても膨大な案が生まれるわけです。
また、仮に同じテクニカル指標を使うとしても、エントリーと決済(利確、損切り)の条件も「無数」に考えつく事ができます。
そのため、ここで出すロジック案に関しては文字とおり
「星の数」
ほど出せてしまうので、この段階で大きく迷ってしまい、次の段階になかなか進めなくなってしまうかもしれません。
そこで推奨したいのが、まずは「順張り」か「逆張り」かを思い切って決めてしまうという考え方になります。
その上で、使用するテクニカル指標が絞れるので、迷いにくくなるからです。
ここで、1つの手法に両極端の
「順張り」
「逆張り」
を混ぜてしまうと、エントリーや決済などの条件がなかなか定まりにくい傾向にあり、この第1段階だけでも膨大な時間が掛かってしまいます。
そのため、仮に「順張り」と「逆張り」の両方を目指したいという場合であっても、まずはどちらか一方のみに特化してトレード手法の開発を進める事を推奨していました。
どちらか一方の手法が完成した際に、最初の手法が順張りだったならば次は逆張り、というように切り分けて開発していくことで、ロジック開発期間の短縮が可能になるわけです。
順張りか逆張りかを決めたならば、続いては、
エントリー
利確
損切り
の条件に使っていくテクニカル指標を考えます。
トレンド系やオシレーター系をはじめ、テクニカル指標は数多く存在するので、どんな指標を使えば勝てるトレード手法になるのか迷ってしまうかもしれません。
そんなテクニカル指標を決める際、トレードのパフォーマンスを上げやすい有効な考え方としては、より多くのトレーダーが使っている指標を選ぶ方法になります。
使っているトレーダーが多いテクニカル指標であるほど、統計の観点から見て、その指標による分析の精度が高まるからです。
使用者数が多いテクニカル指標の例としては、以下のようなものがあります。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- MACD
- RSI
- 水平ライン
- トレンドライン
- ストキャスティクス
- 一目均衡表
まずは上記の中から1つを選び、エントリーと決済(利確・損切り)の条件を暫定的に決めてしまうことをおすすめします。
最初から複数のテクニカル指標を扱うと、その時点でエントリーや決済の条件が複雑になり過ぎて、条件の決定に時間が掛かってしまう可能性があるからです。
ですので、まずは1つのテクニカル指標を選び、その指標を使ってエントリーと決済の条件を決めてしまいます。
移動平均線ならば移動平均線のみに特化し、売買の暫定的なルールを考えるということです。
その上で、ほかのテクニカル指標も組み合わせたい場合は、仮に決めたエントリーと決済の条件をもとに、ほかの指標も組み合わせていきます。
この流れによって、売買ルールをスムーズに決めやすくなるので、頭が混乱して進めなくなる事態を避けやすくなるわけです。
ロジック開発の第2段階~検証~
この第2段階では、第1段階で暫定的に決めた仮のロジックを、過去のチャートで検証していきます。
いわゆるバックテストという作業です。
そんなバックテストで検証すべき点は下記になります。
- (1)勝率
- (2)利幅
- (3)損切り幅
- (4)含み損
(1)の勝率は、『勝ちトレードの回数/トレード回数』で求められるものです。
(2)利幅と(3)損切り幅、そして(4)勝ちトレード時の含み損は、全トレードごとに記録すべき要素になります。
バックテストソフトを使うか、手動でエクセルなどの表計算ソフトを用いて記録するなど、どのような方法でも問題ありません。
そして、これらを検証していくことで、適切なロット数が見えてきます。
トレードの収益は、『トータルの利幅×ロット数』であり、ロット数が高いほど収入も高くなるため、トレードの利益率を向上するためには、いかにしてロット数を上げられるかという試みが欠かせません。
(3)損切り幅だけではなく、(4)のような勝ちトレード時に発生する「含み損」も忘れずに検証すべき点になります。
この(3)損切り幅(4)含み損が低いほどロット数を上げられますが、逆にこれら(3)(4)が高ければロット数を上げる事ができません。
(3)損切り幅(4)含み損が高いにも関わらずロット数を上げ過ぎると、
・ドローダウンが大きくなって資金の増加が遅れる
・場合によっては口座側から強制ロスカットされる
という危険性があるからです。
ですので、このような危険性を回避するべく適切なロット数を判断するためにも、これらの検証は欠かせません。
その上でしっかりと(1)~(4)までを検証することで、ロット数をどこまで上げられるかが見えてくるので、高い利益率を出せるトレード手法を開発するためにも、このプロセスは必要不可欠になります。
その上で、ロット数を決定することで利益率の算出ができるわけです。
そして、この時点で満足のいく利益率(パフォーマンス)ならば、第3段階に進んで問題ありません。
ただ、バックテストの結果が納得いく成績でない場合、再び第1段階からやり直します。
もし、やり直しを検討する場合、以下のいずれかが推奨の考え方です。(移動平均線を使ったロジックという例にした場合)
- 1.テクニカル指標のパラメータはそのままで、単にルールを変更する
→移動平均線に触れた段階でエントリーしていたが、ローソク足が確定しプライスアクションで有効なサインが出たらエントリーする方針に変更する - 2.テクニカル指標のパラメータを変更し、ルールを変更する
→移動平均線の本数を20から25に変更
→移動平均線の時間足を5分足から15分足に変更 - 3.テクニカル指標は変えず、同じ指標を複数個使ってエントリーと決済の条件を変更する
→複数の移動平均線を導入する(5分足20本、15分足20本、4時間足20本など) - 4.現状のテクニカル指標に別のテクニカル指標を組み合わせた上で、ルールを変更する
→移動平均線に加え、MACDを組み合わせる
→移動平均線に加え、ボリンジャーバンドを組み合わせる - 5.そもそもテクニカル指標そのものを変え、1からルールを考案し直す
→移動平均線をなくし、MACDやボリンジャーバンドに変更する
多少は複雑になるものの、2~4は組み合わせる形でも問題ありません。
上記の考え方に沿って、再び第1段階からやり直した後、第2段階で再度バックテストで検証していきます。
その上で納得いく成績が出るようになったら、この第2段階を終えて次の第3段階へ進んでいきましょう。
この第2段階におけるバックテストでは、
・期間をできる限り長くする
・複数の銘柄(通貨ペアなど)で検証する
という点を意識してください。
そもそもテクニカル分析の本質は、トレーダーの「心理」から生まれる「統計」にほかなりません。
そんな心理と統計に関しては、バックテストの「期間」「銘柄」が違っても、有効性は変わらないはずです。
ですので、可能な限り数年以上の長い期間で、複数の銘柄(通貨ペアなど)で検証する必要があります。
その上で、有効性が保てていることで、はじめて優秀なトレード手法が作られていくわけです。
ロジック開発の第3段階~再考~
第2段階を経て合格点を見込めるトレード手法に対し、さらにパフォーマンスを高めていく作業がこの第3段階になります。
先ほど説明した第2段階の時点で、
エントリー
利確
損切り
に関しての条件はクリアしているはずなので、この第3段階では変更しません。
ここでは、勝率が下がる特定のパターンがあれば、そのパターンを避けるルールを作ります。
私はこのようなルールを『回避ルール』と呼んでいました。
この回避ルールは、極めて勝率が下がってしまうエントリーのパターンを見つけ出し、その特定パターンになったら、エントリー条件が成立していようとも、強制的にエントリーを回避するというルールになります。
この回避ルールによって、負けトレードの数を大きく減らせるため、必然的に勝率を高める事ができるわけです。
結果として、回避ルールの設定によって利益率そのものが向上していきます。
このように、第2段階を経たロジックが大きく成績の飛躍が可能なため、私自身はこの第3段階を非常に重要視していました。
ロジック開発の第4段階~再検証~
第3段階にて再考したものを踏まえ、再び第2段階とまったく同じ検証を行い、パフォーマンスがどれだけ向上するかを見る作業が、この第4段階になります。
よほどの事がない限り、第3段階の回避ルールによって、基本的に勝率は大きく高まるはずです。
ですが、回避ルールの導入により、勝ちトレードも大きく減らしてしまえば、意味がありません。
そのため、回避ルールの影響で本当に利益率が向上しているかを確認する必要があるわけです。
その際、第2段階のバックテストとまったく同じ検証を行うことで、回避ルールによるロジックの向上を検証していく流れになります。
ロジック開発の第5段階~試運転~
この最後の第5段階は、いわゆるフォワードテストという、実際の相場でもロジックが通用するかのテストを行います。
第1段階~第4段階を経たロジック(トレード手法)は、少なくともバックテストにおいて、
・複数の銘柄(通貨ペアなど)による検証
・特定の年度だけではない長期間の検証
を経ているため、基本的に有効性は問題ありません。
ただ、止まっている過去のチャートによるバックテストでは良い成績が出せても、いざ資金を入れてリアルトレードになると、バックテストのような好成績が出なくなる可能性があるので注意が必要です。
そんな要因の筆頭としては、
・スプレッドやスリッページが急に広がる
・トレードの実践が困難
ということが挙げられます。
どうしてもスプレッドやスリッページに関しては避けることができないため、これは仕方ありません。
ただ、2点目のトレードの実践そのものが困難というのは、改善しなければならないポイントです。
まず「実践が困難」というのは、テクニカル指標をいくつも使うことで、売買の判断に時間が掛かり、エントリーや決済に間に合わないなどが例になります。
この例の場合、バックテストのような止まっているチャートならば、ゆっくり時間を掛けて売買の判断ができる上に、そもそもチャートが動いていないのでエントリーや決済に間に合わないかどうかは分かりません。
そこで、バックテストと同じように、フォワードテストでも実践可能かどうかを検証していくわけです。
いくら第4段階までのバックテストでの成績が良くても、実際の相場によるリアルトレードで実践できないようなトレード手法では何の意味もありません。
いわゆる机上の空論というヤツです。
そのような事態を防ぐためにも、フォワードテストが必要不可欠となります。
その上で、このフォワードテストは、実際の相場で行う事を推奨していました。
デモトレードでテストをするトレーダーが少なくありませんが、デモトレードは本番環境と異なる点も多く、フォワードテストととして十分な検証ができないからです。
そんな本番環境でのフォワードテストにおける資金量は、万が一にも全損しても許容をできるくらいで問題ありません。
仮に少額だとしても、利益率で見れば、バックテストとの比較が十分に可能だからです。
その上で、第4段階のバックテストとほぼ同じくらいの利益率が出れば、トレード手法として合格になります。
総括。勝てるトレード手法、ロジックやルールの作成方法。
本記事では、以下の5段階によって、有効な勝てるトレード手法を作り上げる流れを解説してきました。
- 第1段階 ~考案~
- 第2段階 ~検証~
- 第3段階 ~再考~
- 第4段階 ~再検証~
- 第5段階 ~試運転~
改めて振り返ると、それなりの「手間」「労力」が掛かる事がお分かり頂けると思います。
ただ、それだけの努力を経るからこそ、勝ち続けられる有効なトレード手法、ロジックが生まれるというわけです。
第5段階までクリアすれば、後は、資金量を増やして実際にトレードするだけで問題ありません。
その際には、
1.どんな時にもルールを守る事
2.1を絶対に忘れない事
を順守してください。
少なくとも、バックテストとフォワードテストで十分な成績が出せているので、資金量を増やしても手法のルールさえ順守すれば、必然的に良いパフォーマンスが出るはずです。
後は、継続していけば収入はグングンと増えていくので、トレードが楽しくなっていくと思います。
このブログでは、当記事で解説した「トレード手法の開発法」に沿って、すでに確立したデイトレ手法を記事内で解説していました。
10%前後の利益率を一度の取引で出せていて、そのエントリー場所から決済までチャートで図解しているので、ぜひ以下の記事から参考にしてみてください。
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