杉原です。

トレードの成績を大きく左右する「勝率」そして「リスクリワード(損失:利益)」。

情報商材をはじめ、ブログやTwitter、さらにはYouTube動画や書籍では、

「1勝9敗でも十分に勝てます」

という情報もあれば、自称勝っているトレーダーによる、

「私は勝率95%を超えています」

などの『勝率主義』な発言も多々あり、一体何を信じ、「勝率」「リスクリワード」のどちらを優先すべきか分からなくなるトレーダーも決して少なくありません。

ただ、仮に勝率を重視しても、リスクリワードを重視しても、パフォーマンス(成績)はロジックにも左右されるので、トレード手法次第ではどちらもプラス収支にはできる可能性があるはずです。

しかし、トレードはただプラス収支になれば良いわけではなく、少なくとも月間など「一定の期間でまとまった収益を出す事」がそもそもの目的だと思います。

その上で今回は、月単位の月利を高めるためという目的を据えた上で、勝率とリスクリワードのどちらを優先すべきかを解説していきたいと思います。

本記事の内容は、トレードの関わる全トレーダーのパフォーマンス向上に大きく貢献できるような内容なので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。

勝率とリスクリワードの関係性

月利を高めるという目的において、勝率、リスクリワードの関係性から、優先すべき方を打ち出していく次第です。

その上で、勝率とリスクリワード、それぞれを高めていく視点で解説させて頂きます。

まずは勝率の視点からいってみましょう。

勝率を高める視点

まず、勝率を高めるには、

・損切りを遅くする
・利確を早くする

ということが有効です。

少なくも利幅を伸ばすということは、それだけ時間が必要であり、その分だけ逆行するリスクも高まりますが、含み益が出た時点で即座に利確をすればその時点で「勝ちトレード」になります。

逆に、少ない含み損でもすぐに損切りをしていたら、「負けトレード」の増加は避けられません。

以上を踏まえた上で、勝率を高める極端過ぎる例としては、

・1pipsの利幅ですぐに利確する
・強制ロスカットされるまで損切りはしない

という戦略を行えば、必然的に勝率は大きく向上します。

ただ、ここでリスクリワード(損失:利益)を見ると、リスクリワード=資金分:1となるので、最悪なリスクリワードです。

強制ロスカットの基準は取引業者によって異なるため、損失を「資金分」と表現しました。

海外口座の場合であれば、強制ロスカットの基準は「証拠金維持率の20%や0%」ということが多く非常に緩いため、上記のような勝率を高めるための「強制ロスカットされるまで損切りはしない」という戦略では、負けた際には9割近くの資金を失う事となります。

ここまでの話は、理解を深めるためにも非常に極端な事例にしました。

要するに、勝率を追い求めれば求めるほど、必然的にリスクリワードが低下してしまうということです。

リスクリワードを高める視点

先ほどの勝率視点では、勝率を求めるほどにリスクリワードは悪くなってしまうという解説をしてきました。

続いてはリスクリワードを軸にした視点で考えていきましょう。

結論から申しますと、勝率とは逆にリスクリワードを追い求める事によって、勝率は下がってしまいます。

こちらも先ほど同様、理解しやすいように少し極端な例ですが、

・損切りは1pips
・利確は100pips

という戦略では、損失:利益のリスクリワードを見ると「1:100」なので、非常に素晴らしいリスクリワードです。

ただ、この極端な例でもお分かり頂けるかと思いますが、損切りを早める分だけ、必然的に勝率は大きく低下してしまいます。

さすがに上記は極端過ぎる例ではあるものの、基本的にリスクリワードを高めるということは、

・損切りを早める=損失を抑える
・利確を遅らせる=利幅を伸ばす

というアプローチになり、どうしても「負けトレード」の数が増えて、「勝ちトレード」の数が減ってしまいがちなわけです。

少なくとも、リスクリワードを高めるために利幅を伸ばそうとすれば、

「ポジション保有時間が延び、目標の利幅まで到達する前に、逆行して含み益がなくなり最終的に損切りになる」

という頻度が上がってしまいます。

そのため、どうしても負けが増えて、勝ちが減るということです。

以上のように、リスクリワードを高める行為は、必然的に勝率を下げてしまう事に繋がるという関係性があるという解説でした。

結論。勝率とリスクリワードの優先度。

ここまでは、勝率を追い求めればリスクリワードが下がり、リスクリワードを追い求めれば勝率が下がるという「逆相関」のような関係がある事を解説してきました。

そんな逆相関の関係ならば、

「両方の間を取るしかないのでは?」

という考えを持つトレーダーも決して少なくありません。

たとえば、間を取って、

・勝率50%
・リスクリワード1:1

を上回れば良いという考えです。

確かに間を取って、少しでも上記を上回れば、それだけ収支はプラスになります。

それは間違いありません。

ただ、そのプラスは本当にギリギリのプラスです。

本記事の目的は冒頭でお伝えしたとおり、

「月単位の月利を高めるためという目的を据えた上で、勝率とリスクリワードのどちらを優先すべきか」

というものでしたので、ギリギリのプラス収支では意味がありません。

「勝率50%」「リスクリワード1:1」を何とかクリアするような『最低限は負けない』というレベルのロジックを、あえていくつか並行させるという考えは、それほど悪くはありません。

1つのロジックだけでは今お伝えしたように大した収支にはならないものの、並行して複数のロジックに取り組めば、収支は掛け算で高まっていくからです。

その辺りの解説は、下記の記事で行ってしましたの、興味がありましたらあわせて目を通してみてください。

>最低限負けない。勝てるFXのデイトレード手法、ロジックの「最低ライン」について。

月利を高めるために優先すべきは「勝率」

以上、ここまでの解説を踏まえた上で、私が考える月利を高めるために「勝率」「リスクリワード」で優先すべきは、

『勝率』

になります。

もちろん、極端に勝率を求め過ぎて、

・1pipsの利幅ですぐに利確する
・強制ロスカットされるまで損切りはしない

のような戦略を取るという意味ではありません。

ただ、勝率とリスクリワードの間を取った上であれば、断然「勝率」を優先するということです。

たとえば、リスクリワードが1:1でも勝率8,9割なら全然そちらのロジックを採用します。

確かに「リスクリワードが1:1」というのは、お世辞にも優秀なリスクリワードとは言えません。

少なくとも、仮に平均の損失幅が7pipsだとしたら、平均の利益幅も同じく7pipsなわけですから、良いリスクリワードとは言えないわけです。

ただ、勝率が8,9割と高ければ、連敗によって資金が激減する確率が極めて低いので、その分だけロット数を上げられるメリットがあります。

そもそもトレードの収益は、

利幅×ロット数

なので、いくらリスクリワードが優秀で利幅を大きく取れるとしても、ロットが低ければトレード収益は大きくなりません。

逆にロットを上げてトレードごとの利益率を高めれば、必然的に月利も高まっていきます。

よって仮にリスクリワードが1:1と優れていなくとも、勝率が高い事でロット数を上げられる方を優先すべきだというのが私の考えです。

もちろん、ロットを上げるので、毎回の利益が大きくなる半面、損切り時の損失幅も大きくなることは否定できません。

ただ、勝率の高さで損失はすぐに取り返しができます。

少なくともリスクリワード1:1を維持できるのであれば、平均の損失額と平均の利益額が同じなので、一度の勝ちトレード(利確)のみで、その損失はカバーが可能だからです。

その上で、少なく見積もって仮に80%の勝率だとした場合、「連敗」するよりも「連勝」する確率の方が圧倒的に高くなります。

また、8割もの勝率があるので、仮に連敗してしまった際の「連敗数」よりも連勝した時の「連勝数」の方が明らかに多いはずです。

そのため、

勝率=80%
リスクリワード1:1

を維持できるレベルのロジックであれば、損切りが続く事による、

資金のショート
異常に大きなドローダウン

などを招く事は、ほぼないと考えられます。

よって、十分にロット数を高めることができるわけです。

そして、前述のとおり、

トレードの収益=利幅×ロット数

なので、ロット数を上げることにより、得られる利益が大きくなっていきます。

後は、そのまま「勝率80%」「リスクリワード1:1」のロジックを繰り返せば、必然的に月利が大きくなっていくということです。

まとめ。月利を高めるための「勝率」と「リスクリワード」の優先はどちらか。

以上、本記事では、月利を大きくするという目的を前提としたうえで、

勝率
リスクリワード

はどちらを優先すべきかの結論としては、リスクリワードは1:1程度でも十分であり、それ以上に『勝率』を優先的に高めた方がパフォーマンスは大きく向上するという解説を行ってきました。

リスクリワード1:1はまったく持って優秀なリスクリワードではありません。

ただ、そんな1:1程度のリスクリワードでも勝率を80%レベルまで高められるのであれば、取引量(ロット数)を上げる事ができます。

トレードの収益は『利幅×ロット数』になるため、ロット数を上げるほど得られる利益も大きくなるので、月利の向上に直結するようになるわけです。

もちろん、ロット数を上げる分だけ、損切り時における損失額の増大は避けられません。

ただ、利益額と同様に損失額も大きくなるものの、リスクリワード(平均損失:平均利益)1:1ならば、一度の利確でその損失を解消できます。

また、仮に8割程度まで勝率を高めていれば、連敗よりも連勝の方が圧倒的に多くなる見込みが高いので、ロット数を上げても「致命的なドローダウン」「資金のショート」はまず有り得ません。

以上のような背景から、私としては月利を高める上では、「リスクリワード」よりも「勝率」の方を優先した方が良いという判断をしていました。

その上で、私自身、1日あたり10%~20%ほどの利益率(月利で300%ほど)出せているのも、リスクリワードは1:1程度でも勝率を高めている事により、『ロット数』を上げているからこその結果となっています。

そんなデイトレ手法の一部を、エントリーから決済までを実際のチャートを使って図解しているので、ぜひ以下の記事もご覧になってみてください。

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