杉原です。
特に資金を減らしたわけでは無く、デイトレードが怖くなる「エントリー恐怖症」のような精神状態になり、デイトレードから一時的に離れている/辞めてしまったという相談を受けることがありました。
そんな精神状態に左右されずにデイトレードをそのまま続けていれば、徐々に資金も増えていき、その資金量に比例して日々の利益も大きくなるはずでした。
ただ、相談された方は、このまま続けて資金の増加が見込めていても、それ以上にデイトレードへの恐怖感が勝り、どうしても続けられなくなっていたそうです。
この方のようにデイトレードが怖いという恐怖心の方が、収入の期待よりも大きく膨らんでしまうと、デイトレードを中断する/辞めるなどの選択を取ってしまうことも有り得るのかもしれません。
そこで当記事では、デイトレードを続ければ得られたはずの収益を失わないよう、デイトレードへの恐怖心を克服して実践を継続する方法を「精神論」を抜きにして、以下のような視点を交えて具体的な対策を解説させて頂きます。
- 経験不足による全体的な不安
- 含み損や損失などのマイナス
- 決済までの時間が長く感じる恐怖
- 万が一の大きな逆行に対する怖さ
- エントリーのチャンスが訪れない不安
それでは上記のような恐怖/不安を克服して、デイトレードの実践を継続するための方法をいくつかパターン別に解説いたします。
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法1.バックテストの徹底でデータを取る
まず最初に行うべき恐怖心への対策法は、バックテストを徹底することです。
実際の動いているリアルな相場ではなく、MT4やTradingview(トレーディングビュー)などのチャートソフトで、過去の相場でのデイトレード手法の検証を徹底していきます。
もちろん実際の相場と過去の相場では「臨場感」が異なることは否定できません。
しかし、相場はトレーダーによる「売り注文」「買い注文」の多い方に値動きが起こるという『原理原則』があり、そんな注文を出すトレーダーたちの人間心理は時代とともに移り変わるものではないので、過去チャートでも通用する手法は今現在の相場でも同じく通用すると考えられます。
そのため、過去チャートを使ったバックテストで十分な成績を残せれば、その検証結果は現在でも維持できる可能性が高いため、デイトレードへの不安/恐怖の抑制に繋がるわけです。
時間通りにチャートが完成していくリアルなチャートを使った練習とは異なり、バックテストはすでにチャートが出来上がっているので、いつでも好きなだけ検証ができるます。
そのため、いくらでも短期間でデイトレードに対する「経験値」を高めることが可能です。
ですので、バックテストを徹底して行えば行うほど、自分自身の経験不足を補って、デイトレードへの不安/恐怖を抑え込みやすくなると思います。
また、数年分という長期間のバックテストで、複数の銘柄/通貨ペアで検証すると、
・最大の含み損
・平均的な含み損
・最大の損切り幅
・平均的な損切り幅
が見えてくるはずです。
もちろん、これらは数ヶ月程度の検証期間では、あまり当てになりません。
偶然その数ヶ月が、検証したデイトレード手法に合っていただけの可能性があるからです。
ですが、最低でも4,5年分ほどの長期間を過去チャートで一気に検証すれば、検証した手法の「得意の相場」「不得意な相場」を含んで検証できるため、
・含み損
・損切り幅
の最大値や平均値に高い信用度が生まれることは間違いありません。
よって、資金が減る恐怖に直結しやすい「含み損」「損切り幅」を、実際にトレードを行う前のバックテスト段階で、ある程度の想定ができるようになります。
また、長い期間のバックテストにより『エントリー頻度』の平均値も見えるはずです。
エントリーの頻度、回数の目安(平均)が明確に分かれば、
「エントリーのチャンスがなかなか来ない不安」
「本当はエントリーのチャンスがあったのに、見逃したかもしれないという恐怖」
を抑え込めると思います。
少なくとも、バックテストで検証したデイトレード手法が平均1日1回のエントリー頻度であれば、偶然その日にエントリーのチャンスがなくても、翌日にはチャンスが来る可能性が高いと判断できるので、心配/恐怖はなくなると考えられるわけです。
その他、バックテストでによって、エントリーから決済(利確または損切り)までの時間、いわゆる「ポジション保有時間」も明確になります。
つまり、ポジションを持った状態の平均的な時間や、最大の時間が分かるので、
「まだ決済できない・・・」
などの恐怖、不安を感じる必要がありません。
以上、徹底した長期間のバックテストにより、
・経験不足という不安
・含み損や損切りに対する恐怖
・チャンスを見逃したという不安感
・いつになったら決済できるのかという怖さ
を抑え込みやすくなるので、デイトレードに対して抱く多くの「怖さ」「恐怖心」の克服に近づけると思います。
良ければ、当記事とあわせて下記の記事もご覧になってみてください。
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法2.フォワードテストで実践感覚を身に付ける
続いてのデイトレードへの恐怖心の克服法は、先程のバックテストと関連した検証で、実際の相場を使った「フォワードテスト」になります。
もちろん、バックテストによる検証でも、ある程度の不安や恐怖を取り除くことは不可能ではありません。
ただ、あくまでもバックテストは過去のチャートであり、実際の時間感覚で進まないため、どうしても疑似的な体験(練習)になり、ポジション保有時間の不安/恐怖を完璧に克服するのが難しくなります。
そこで、頭の中だけで行う疑似体験ではなく、本当の時間感覚でチャートが進むリアルな相場での練習が欠かせません。
また、変動するスプレッドや、スリッページなどを含め、バックテストでは得られない実際の相場での経験値は必要だと思います。
何より、自身の資金を投入し、その資金が含み損によって上下し、
・負けた際の損切り額
・勝った際の利益額
を実体験する「緊張感」ある練習により、デイトレードへの不安や恐怖の克服に役立つはずです。
いくらバックテストで好成績を出せても、実際の相場で自分の大事な資金が増減することで、デイトレードが怖いという精神状態になる場合もあると思います。
そんな恐怖心を取り払うために有効な手段こそが、実際に資金を投入した上でのフォワードテストに他なりません。
デモ口座を使うのは有効?
フォワードテストは、仮想の資金を与えられたデモ口座を使った方法もありますが、私はそんなデモトレードをあまり推奨していませんでした。
と言いますのも、デモ口座は自分の資金でない以上、含み損や損切りによる資金の減少に関わる「緊張」「恐怖」を感じにくいからです。
その上、デモ口座は実際のリアルな口座とは違うサーバーが使われるため、スプレッドの変動具合やスリッページなどの状況も同じではありません。
以上から、デモトレードでは「デイトレードが怖い」と感じる要因を最終的に取り除くことが難しいと私は考えていました。
だからこそフォワードテストは、自分が無くなっても構わない程度の少額でも構わないので、実際の資金を投入した上で行うことが有効だと思います。
そんなリアルな資金を使ったフォワードテストにより「緊張感」を体験し、その経験を増やすことが、デイトレードへの恐怖心を克服する大きな要素になるはずです。
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法3.自身の許容域に合わせた発注を行う
バックテストやフォワードテストを徹底すれば、以下のような要素はある程度、
・経験値が足りていない
・含み損や損切り額の恐怖
・ポジション保有時間の長さ
・チャンスを逃したのではないかと感じる恐怖
克服できるかと思います。
ただ、本格的にデイトレードで稼ぎ始めようとして、多くの資金を口座に入れると、慣れない内はどうしても「含み損」「損切り幅」などによる資金の増減が気になり、それがデイトレードへの恐怖心に繋がりかねません。
そこで、資金の量を多くしていく際に、初めの内は、ロットを下げたデイトレードを推奨していました。
本来はエントリーすべきではない場面で誤ってエントリーするミスで損失を出しても、ロットをいつもの数字よりも下げていれば、被害額は少なくて済むからです。
また、本当なら決済すべき場面を見逃がし、損切り幅が広がってしまっても、ロットを下げることで、こちらも損失額を最小限に抑えられます。
このように、慣れない間はロットをなるべく少なくしていけば、ミスによる損失の恐怖を抑えることが可能だということです。
また、ロットを下げる以外にも、エントリーと同時にロスカットの注文(ストップロス)を出しておくことも忘れてはなりません。
取り組んでいるデイトレ手法における損切り条件になった際、本当に稀ですが、
・自身のネットワーク環境
・業者側のネットワーク環境
などに障害が発生し、いざ損切りしようと思っても、注文が通らない危険性があります。
その場合、どんどん含み損が広がり、損失額が大きくなるのを見ているしかありません。
FX業者側の責任であれば、ある程度の補填をしてくれる場合もありますが、自身のネット環境が原因の場合は業者が補填をしてくれないので、大きな損失を受けてしまいます。
以上から、慣れない内はロットを下げることに加えて、エントリーと同時にストップロス注文を同時に出すことを推奨していました。
これらの対策により、損失額を限定させられるので、資金が減ることによってデイトレードが怖いという要因をある程度、解消できると思います。
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法4.追証が発生しない口座を使う
かつて発生したスイスフランショックをはじめとする、突発的に発生する以上に大きな値動きに対する警戒は、常に恐怖心に繋がるためデイトレードでは避けて通れません。
通常の相場状況であれば、上記のような値動きで大きく逆行しても、先に発注しておいたロスカットの注文(ストップロス)が発動し、正常にロスカットが行われます。
しかし、経済を揺るがすような異常な相場状況になると、注文量が異常に増えることで、各FX業者における注文処理のサーバーがパンクして正常に機能しません。
そのため、ストップロスが通らずに、正常にロスカットされないわけです。
その結果、異常な値動きによる逆行でロスカットが行われず、多大な「追証」(借金)をFX業者から請求される可能性も0ではありません。
特に国内のFX業者では、追証の制度があることで、正常にロスカットが行われない異常相場に遭遇した際に追証=借金を背負うケースがあります。
実際、過去に口座に投入していた資金以上の多大な追証(借金)を背負った方も少なくありません。
だからこそ、追証の危険性はデイトレードに対する恐怖へと繋がるわけです。
ですが、全てのFX業者が追証の制度を導入してはいません。
国内ではない「海外FX業者」は、仮にロスカットが正常に機能しなくても、追証がまったく発生しない『ゼロカット』という制度を導入しています。
そのため、「スイスフランショック」のような数年に一度あるか無いかレベルの異常相場で、ストップロスが作動せず、国内FX業者を使っているトレーダーたちが追証で苦しむ中、海外FX業者の口座を使えば追証による借金を背負うことは一切ありません。
以上から、本当に起こる確率は「稀」であるものの、万が一の異常相場に遭遇した際のリスク対策を考えて、国内FX業者よりも、追証が発生しない海外FX業者の利用を推奨していました。
下記の記事では、国内と海外のFX業者に関して、15項目を客観的な視点で比較しているので、良ければ本記事とあわせてご覧になってみてください。
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法5.相場の原理原則に沿ったデイトレ手法に取り組む
ここまでの対策法は、
・バックテストとフォワードテストの実施
・慣れない内はロットを下げることとストップロスの徹底
・追証が発生しない口座の利用
を中心に解説してきました。
続いては少し見方を変えて、そもそもの取り組むべきデイトレード手法に関しての話になります。
書籍やブログ/サイト、情報商材からサインツール、EA(自動売買ツール)・・・あらゆる形でデイトレード手法が公開されていますが、その大半は有効性が長続きしない傾向が否めません。
だからこそ、多くのトレーダーが長期間に渡って勝てる手法を探しているのだと思います。
本当に数多くの手法があるものの、一時的、特定の期間のみしか通用しないデイトレード手法であれば、長く続けるほど、徐々に勝てなくなっていことは避けられません。
要するに、そんな一時的にしか有効性が無い手法を取り組んでしまえば、資金が減る「恐怖」から逃れられないわけです。
そのような短期間でしか通じない手法は、相場の原理原則に沿っていないからこそ、短期的にしか有効性が発揮できません。
逆に言えば、相場の原理原則に沿ったデイトレード手法であれば、有効性が長期的に発揮されるので、日々の収益が安定し、資金が減る「恐怖」の根本的な克服へと繋がるはずです。
そんな「相場の原理原則に沿ったデイトレード手法」における『相場の原理原則』とは
相場の仕組みは、全世界のトレーダー/投資家から発注される「買い注文」「売り注文」で、買いまたは売りの多い方に値動きが発生するという原理原則があり、これは決して変わることはありません。
そして、そんな「買い注文」「売り注文」を出すのはトレーダーや投資家であり、確実に人間心理が反映されています。
ただ、そのEAを作ったのは結局のところ、トレーダーやエンジニアであり、いずれにしても人間心理の反映は確実にされていると言えるはずです。
そんな人間心理を考慮したロジックであることが、相場の原理原則に沿ったデイトレード手法になります。
実際のところ世に出回っている多くの手法が、
・テクニカル指標を根拠なく組み合わせる
・テクニカル指標のパラメータ(設定値)を相場に合わせて変更する
など、人間心理を無視した「理に適っていないロジック」を採用している場合が少なくありません。
人間心理を的確に反映したロジックに関しては、トレンドラインや水平線(水平ライン)などを利用した『ライントレード』を主体としたものが最も有効だと私は思います。
ラインはパラメータ(設定値)が無くラインを引くトレーダー同士で分析の差が少ない上に、ラインを引かないトレーダーの動向も探れる優れた指標です。
そんなライントレードが、いかにして人間心理を反映できていて有効かを、以下の記事で実際のチャート図を使って解説しているので、ぜひご覧になってみてください。
実際のライントレードにおける具体的なエントリー場所を含むロジックを、下記の記事でも公開しているので、必要に応じて参照して頂ければ幸いです。
>【17事例】1回で10%以上の利率も。fxやゴールドの勝ち方で『チャネルライン最強』デイトレ手法の図解。
>取引1回で2桁の利益率〜トレンドラインのブレイク手法『加速点テクニカル』〜
>含み損0の高勝率。移動平均線とトレンドラインの順張りデイトレ手法の図解。
>ロールリバーサル最強のFXデイトレ手法〜エントリー条件や有効性、意味、集団心理について〜
「デイトレードが怖い」恐怖心への対策法6.複数の手法を併用する
最後の対策として解説するのは、複数のデイトレード手法を併用するというものです。
どんなデイトレード手法であっても、
・利益率
・トレード回数(エントリー頻度)
には月単位、週単位で見ても、ある程度の上下は避けられません。
どんな手法でも、得意な相場状況、逆に不得意な相場状況があるので、エントリー回数や勝率などが変化し、それが成績に影響するからです。
特にFXであれば、取引対象が円や米ドルなどの「法定通貨」であるため、政治や国際情勢の影響を大きく受けてしまいます。
それにより、デイトレード手法によっては、一定期間、エントリーの回数や勝率が悪化し、成績にも悪影響が及ぶ場合が少なくありません。
その結果、1つのデイトレード手法のみに取り組む場合は、毎週、毎月の収益を安定が難しくなる可能性があるわけです。
そのような収益の「不安定さ」がデイトレードが怖いという恐怖心に繋がりかねません。
そんな不安定な収益を避けるためには、複数のデイトレード手法を並行して取り組むという対策が有効です。
特にデイトレードの場合、エントリーから決済までの時間=ポジション保有時間が短いので、1つの口座で複数のデイトレ手法を同時に取り組むことも不可能ではありません。
ポジション保有時間が短いほど、並行するデイトレ手法同士で、エントリーのタイミングが競合しにくいからです。
デイトレードの手法の中でも、スキャルピングに近いような、よりポジション保有時間が短い手法であれば、2つではなく3つなど、より多くのデイトレ手法を並行できます。
このように並行する手法が多いほど、それぞれの手法で
・得意な相場状況
・不得意な相場状況
のバランスが取れ、全体的に「エントリー頻度」「利益率」の安定化が図れるわけです。
別の口座に分けて複数のデイトレード手法に取り組む場合は、口座の分だけ資金が必要になり、全体的な利益率は特に変わりません。
対して、1つの口座で同じ資金を使って、複数のデイトレード手法に取り組む方が、利益率の向上に繋がるので推奨していました。
この方法により、エントリーの回数や利益率が週単位、そして月単位でも安定させられるはずです。
結果として、収益の安定化に繋がり、収入の不安定さというデイトレードの恐怖を克服することに繋がっていきます。
まとめ~デイトレードが怖い「エントリー恐怖症」を克服する方法~
以上、この記事では、デイトレードに対する以下のような恐怖心を克服する方法を6つに分けて解説させて頂きました。
- 経験不足による全体的な不安
- 含み損や損失などのマイナス
- 決済までの時間が長く感じる恐怖
- 万が一の大きな逆行に対する怖さ
- エントリーのチャンスが訪れない不安
そして、上記のような不安/恐怖を克服すべく対策として解説したものが下記6つでした。
- 1.バックテストを徹底する
- 2.フォワードテストを行う
- 3.初めはロットを下げつつストップロスを忘れない
- 4.追証が発生しない口座を使う
- 5.相場の原理原則に沿った手法に取り組む
- 6.複数の手法を併用して安定化を図る
これらの対策を行えば、デイトレードが怖いと感じる恐怖心は十分に克服できるはずです。
とは言え、特に5つ目の取り組むべきデイトレード手法が、最も成績を左右する重要な要素であることは間違いないと私は思います。
当ブログでは、相場の原理原則に沿ったデイトレード手法に関して、エントリー場所を含めたロジックを下記の記事で公開していました。
ぜひ当記事とあわせて下記もご覧になってみてください。
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