杉原です。

この記事ではメルマガ読者さまから頂いた、

・買いと売りの差分がそのまま値動きになるのか?
・買いと売りが完全に拮抗すれば相場は動かないのか?

このような質問への回答を共有したいと思い、ブログ向けに編集したものを転載しております。

株やFXはもちろん、225やゴールドなどのCFD、ビットコインなどの仮想通貨においても同じ相場の原理として共通するので、根本的な相場の仕組みを理解する上でぜひ参考にして頂ければ幸いです。

買いと売りの差分がそのまま値動きになるのか?

一個人ではなく全トレーダーから相場に出されるトータルの注文総量として、

仮に1米ドル150円の際に1000億円売り注文が入り、800億円買い注文が入れば200億円分下落するのでしょうか?

この質問に回答させて頂きました。

以下、回答です。

まず、差分の200億分が下落するとは限らないと思います。

少なくとも、1分足よりも小さい単位で「ティック」という数秒単位で動く単位があり、そのような細かな間隔、その瞬間瞬間において、

・買いが売りより多ければ上昇
・売りが買いより多ければ下落

このようになるのが相場における値動きの前提です。

ですので、この例において、売りが買いよりも200億分だけ多くて下落しても、次のティックにおける、

・買い注文
・売り注文

それぞれの数量によって次のティックで、

・下げが止まる
・逆に上がる
・もっと一気に下がる

などなど、連鎖して相場に反映されるようになります。

そのため、仮にティック単位で200億の売りが買いより多くても、次のティック、そのまた次のティックで、買いと売りのバランスは常に変動していくからこそ、単純な差分が下げ幅や上げ幅になるとは考えられないということです。

買いも売りも全く同じ注文数量の場合、相場は動かないのか?

上記の質問への回答が以下です。

ぴったり買いも売りも1000億円という話なら、原理的には仰るとおりだと思います。

ただ、実際のところ、買いも売りもぴったり同一の数量になることは、ほぼないと考えていました。

まず相場は選挙のような「投票」で、

・買い
・売り

を各トレーダーが自由に選択できるものの、選挙とは異なり1人1票ではなく、資金に応じて幾らでも投票=買い注文または売り注文を出すことが可能です。

ですので、ドル円を例にすれば、膨大なトレーダーがドル円を扱う(取引する)上で、各トレーダーが出す注文数がバラバラなので、買いと売りの総量がぴったり一致することは、ほぼ不可能だと思います。

ましてや、ドル円のように取引量が多ければ多い銘柄ほど、買いと売りの総量がぴったり一致する現象が起こるとは思えません。

まず、それぞれ注文する数量がバラバラなトレーダーが膨大な人数おり、そんなトレーダーたちが連続して取引するので、その分だけ相場全体に流れる買いと売りの総量が一致する確率は天文学レベルに低い可能性だと考えられます。

その上、各トレーダーの注文数が異なることに加えて、各トレーダーが注文を出すタイミングも同じではありません。

よって、膨大な人数のトレーダーが、自由な注文数量を自由なタイミングで出すからこそ、値動きが確定するティック単位において、

・買い注文
・売り注文

それぞれが完全に一致することは、ほぼ有り得ないと考えられるわけです。

ですが、例外として、買いと売りが一致して、相場が全く動かないケースが無いわけではありません。

それは、扱うトレーダーがほぼ0に近く、異常に取引量が少ない銘柄です。

例として私が以下の画像は適当に見つけた銘柄ですが、何個か赤の点が陰線(青)の前に5つ、後に1つ見られるかと思います。

取引数量が極端に少ない銘柄の事例

これは、

・始値
・高値
・安値
・終値

この4つが同じ価格を意味しており、

1.完全に買いと売りが拮抗
2.そもそも買いも売りもない

このいずれかの状態だからこそ、ぴったりと動かない相場になっていました。(赤の点)

このように取引量がほぼ無く、扱うトレーダーがほぼ居ないに等しい銘柄では、買いと売りが完全に拮抗する可能性は普通に有り得て、仰るように相場が「動かない」という状態になるわけです。

ちなみにですが、当然ながら、このような取引量が少ない銘柄は、テクニカルの効き目が明らかに弱いため、テクニカル分析を前提としたデイトレードでは取引すべきではないと思います。

テクニカル分析の本質は、各トレーダーの心理状況を踏まえた「統計」であり、トレーダーの数が少なければ少ないほど統計=確率の精度は高くなりません。

例として、コインを投げて表が出る確率は50%にも関わらず、4回しか投げない場合は4回連続で表が出て100%になるケースもあり、本来の統計=確率である50%とは遠い精度の低い結果になります。

このコインを投げる回数は、相場においては、その銘柄を扱う(取引する)トレーダーの数を意味しているからこそ、トレーダー数が少ない=取引数量が少ない銘柄は、そもそも統計であるテクニカル分析が効きにくくなるということです。

以上から、ファンダメンタルズ分析ではなく、テクニカル分析を前提としたトレードを行う際には、まずは取引量が多い銘柄(FXであれば通貨ペア)を選ぶことを推奨していました。

そんなトレードで推奨している銘柄として、下記の記事でいくつか紹介していましたので、ぜひ以下もご覧になってみてください。

>「最もデイトレに適した銘柄」ゴールドの特徴と注意点。

>本当にポンド円?デイトレに適したFX通貨ぺアの特徴と上位6つを紹介

>意外?デイトレでトレンド形成しやすい通貨ペアの数種類を解説

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