「仕事が忙しくて自分でトレードができない」
「トレードの勉強をする時間さえない」
「EAを使って24時間ほったらかしで稼ぎ続けたい」

そんな考えを持つ方にとって自動売買ツールであるEAは、救世主とも言える存在かもしれません。

今回は、完全に全自動をアピールする、クロスリテイリング株式会社と奥谷隆一さんが販売するFXのデイトレードに特化したEA「シークレットセオリー・フルオートEA」のロジックも含めたレビューをしていきたいと思います。

シークレットセオリー・フルオートEA

当記事を執筆する数年前から販売されていたEAですが、読者さんからのレビュー依頼があった今、改めて中身を見ている状況です。

また、実際に販売から期間が経過しているものの、当記事の執筆時点でも未だに売れ続けているため、シークレットセオリー・フルオートEAが気になっているトレーダーも少なくないのだと思います。

そんなシークレットセオリー・フルオートEAですが、率直に言えば、肩透かし感を異常に感じる情報商材でした。

理由は下記のとおりになります。

  • EAによる自動売買を前面にアピールしているものの、購入後に教材を見ると「手動のトレードと併用」が推奨されている
  • 常にEAのパラメータを最適化する必要があり、その作業は購入者に依存している
  • ロジック自体があまり理に適っていない上に、極めて短期間のみの実績しかない

それぞれ掘り下げて解説していきたいと思います。

EAなのに、シークレットセオリー・フルオートEAは自動売買を推奨していない?

シークレットセオリー・フルオートEAを購入し、

「だ、騙された。」

と感じた人は多分少なくありません。

と言いますのも、シークレットセオリー・フルオートEAは販売ページの中で下図のように大々的に「全自動」をアピールしているものの、いざ購入して教材を見ると、自動売買ではない使い方が推奨されているからです。

完全なる「手のひら返し」にも程があると思いました。(笑)

シークレットセオリー・フルオートEA

シークレットセオリー・フルオートEAの虚言1

シークレットセオリー・フルオートEAの虚言2

シークレットセオリー・フルオートEAの虚言3

販売ページと中身で言っている事が「真逆」。手のひら返しのシークレットセオリー・フルオートEA。

そんな「手のひら返し」な教材の内容としては、決してEAだけに頼らずにトレーダーの裁量を交えてこそ有効性を発揮するというわけです。

それを言ってしまえば、最初からEAにする意味なんてないですよ。(笑)

実際に教材では、オートモードと手動モードの切り替えを促進して、EAの情報商材にも関わらず裁量トレードを推していました。

下図のように、EAの自動売買を前面にアピールしながらも、「スキルを身に付けて欲しい」とも言っています。

シークレットセオリー・フルオートEAのスキル発言

そんな「オートモード」「手動モード」の仕組みは以下のとおりです。

  • オートモード
    シークレットセオリー・フルオートEAのEAが完全自動でトレードをしてくれるモード
  • 手動モード
    シークレットセオリー・フルオートEAのEAをサインツールとして使い、実践者自身がトレードを行うモード

1つ目の「オートモード」こそが、一般に売られているEAの本来あるべき姿であり、そして購入者が普通に求めているものにほかなりません。

そもそも、「自動売買」「完全自動化」を前面にアピールしているわけですから。

ただ、前述のとおり、、シークレットセオリー・フルオートEAはその教材内において、決してEAに頼るなと言い放った上で、「手動モード」を推奨しています。

要するに、シークレットセオリー・フルオートEAのEAをサインツールの代わりにして、そのサインを購入者(トレーダー)自身が最終判断してトレードするのがベストですよと言っているんです。

正直、売買の最終判断をトレーダー頼りにする時点で、EAの意味はありません。

そもそも販売ページ上では何度も「自動売買」「完全なる自動化」をアピールしているので、それを見て、

「仕事が忙しくて自分でトレードができない」
「トレードの勉強をする時間さえない」
「EAを使って24時間ほったらかしで稼ぎ続けたい」

という思いを抱く方が、このシークレットセオリー・フルオートEAを購入されるのだと考えらえるわけです。

ですので、シークレットセオリー・フルオートEAを購入後に文字とおり「肩透かし」を感じた人は少なくないと思いました。

販売ページと中身で言っている事が「真逆」なわけですから、「肩透かし」どころか「怒り」を覚えた人も多いと感じます。

何せ、下図のように「救世主」とまで言い張っているましたし・・・(笑)

シークレットセオリー・フルオートEAは救世主なのか?

EAに頼らない手動モードのメリット

前述のとおり、手動モードがシークレットセオリー・フルオートEAの教材内で推奨されているわけですが、ネット上では、トレーダーの裁量を加えることによってEAよりも有利な場所でエントリーができる可能性があるという意見も少なくありません。

確かに、EAのサインが出る前からエントリーをして、ポジションを仕込んで置けば、その分だけ利幅が大きくなるため、利益率が高まることは確かです。

対してEAの完全自動売買であれば、サインが出た段階でようやくエントリーし始めるわけですから、トレーダーが手動でサイン表示前にエントリーしておく場合に比べて、得られる利幅に差が出てしまいます。

しかし、逆にサインが出る前にエントリーすれば、その後、実際にはサインが点灯せずに、「本来はエントリーすべき場所ではなかった」ということになる危険性が否めません。

何より、モメンタム、ピボットなどをはじめ、そのほか複数のインジケーターを数多く使っているEAとの事なので、詳しいロジックは「不透明」なわけです。

ですので、このシークレットセオリー・フルオートEAの「手動モード」を使って、トレーダー自身がサイン点灯前にエントリーして利幅を広げようという試みは、そもそも難しいと思います。

と言うより、肝心なサインを表示させるEA自身の具体的なロジックを「フラックボックス」にしてトレーダーに分からないようにしているため、サイン点灯前にエントリーしようとしても、その後サインが点灯せず、本来のエントリー場所ではない場面でエントリーしてしまうというケースが普通に考えられるはずです。

もしかすると、EAでは勝てない事を販売側であるクロスリテイリング株式会社さんと奥谷隆一さんは分かっている上で、このような仕様にしているのかもしれません。

あくまでも私の見解ですが、そこまで的外れではないかと思います。

この見解が的外れではないと思える根拠として、さらに以下のような要素がシークレットセオリー・フルオートEAにはありました。

シークレットセオリー・フルオートEAでは「自分で」EAのパラメータを最適化させる必要がある

常にシークレットセオリー・フルオートEAで稼働させるEAは、そのパラメータを最適化する必要があるとのことです。

その上で、そんなパラメータを最適化する作業は購入者に依存しています。

実際、パラメータ変更における確固たる基準があったり、クロスリテイリング株式会社さんが毎週のようにパラメータ変更の数値を提示してくれるわけではありません。

要するに、EAのパラメータ変更は完全に購入者任せになっているということです。

カーブフィッティングを購入者にやらせる?

もちろん、

「好き勝手にパラメータ変更してください」

というわけではなく、別途で、パラメータ変更をする実践方法のマニュアルが配布はされます。

下図のように動画での説明もありました。

パラメータ変更を常に必要とする記事

そんなシークレットセオリー・フルオートEAが提唱するEAのパラメータ変更は、ストラテジーテスターのバックテストを使用するような方法です。

ただ、実際のところ、この方法は限られた過去の期間内においてパラメータ変更をした上で、成績の向上を図るやり方に過ぎません。

要するに、その期間内でしか通用しないロジックを無理やりに引き出しているため、まったく理に適っていない方法なわけです。

やっていることは単なる帳尻合わせである「カーブフィッティング」だと思います。

参考:カーブフィッティングこそが情報商材のサインツールやEAでほぼ勝てない理由。

実際にカーブフィッティングは、ただ限定された期間内でのみパラメータ変更を実施して、生成を高めていき、そのパラメータを採用するという方法に過ぎません。

・・・この方法、理に適っていると思いますか?

私は上記の記事でも原理から解説していますが、カーブフィッティングはまったく持って理に適っておらず、勝てない元凶だとさせ思っています。

その限られて期間だけでしか通用せず、別の過去期間、現在進行形の相場ではまったく通用する道理がないからです。

そんな作業を購入者にやらせるわけですから、その辺りはどうなんだろう・・・と率直に感じました。

ただ、シークレットセオリー・フルオートEAのロジックそのものが優秀ならば、多少は勝てる見込みがあるかもしれません。

続いてはその辺りについても触れていきたいと思います。

シークレットセオリー・フルオートEAのロジックについて

シークレットセオリー・フルオートEAは、30分足をベースにしたFXのデイトレード手法~スイングトレード手法です。

基本的にEAであり、ロジックは完全に明かされてはいません。

明かされている部分としては、前述のとおり、30分足のデイトレード手法であり、

・「モメンタム」と複数のインジケーターを活用した上でのエントリー判定
・「pivot(ピボットポイント)」を利用して利確
・損切りには「ZigZag(ジグザグ)」を使う

というものです。

そんな「モメンタム」「pivot」はメジャーなテクニカル指標ではなく、むしろ非常にマイナーなものだと思います。

要するに、これらのテクニカル指標を頼りにして意識しいるトレーダーは少ない可能性が非常に高いわけです。

相場の原理原則として、売り注文が多ければ下落、買い注文が多ければ上昇になるため、より多くのトレーダーが意識している指標などを取り入れる事で、売買精度を高めていけるようになります。

ただ、「モメンタム」「pivot」のよるにあまりにも「マイナー」な指標に頼っても、意識しているトレーダーが少ないため、売買の精度は高まらない傾向にあるわけです。

しかしながら、販売側であるクロスリテイリング株式会社さんや奥谷隆一さんの主張では、「モメンタム」「pivot」は海外でそれなりに重宝されているとの事。

もちろん、その真偽を証明する術はありません。

言うだけはタダですから。(笑)

重要なのは、実際にシークレットセオリー・フルオートEAのデイトレード手法~スイングトレード手法で勝てているかどうか次第だと思います。

その上で、シークレットセオリー・フルオートEAの販売ページには、下図のような実績画像がありました。

シークレットセオリー・フルオートEAの実績1

これだけ見れば、トレード初心者の方は「凄そう」と思うかもしれません。

ただ、これは販売側であるクロスリテイリング株式会社さんが好き勝手に数字を入力したものなので、特に実績と言えるものではないわけです。

仮に実績が真実だったとして、上図をご覧頂けると分かるのですが、2,3,9,11月がマイナスになっています。

FXのデイトレード~短めのスイングトレードを軸にしたロジックなわけですから、マイナスが年に4ヵ月もあるのは、ちょっと成績として悪過ぎるのでは・・・と思わざるを得ませんでした。

長めに数日~数週間単位でポジションを持ち続けるスイングトレードならば、そもそもトレード頻度が少ないため、損切りした月は大きなマイナスを抱える事は仕方ありません。

マイナスの月がある分、大きなプラスとなる月があるため、結果として最終的なプラスを見込めるからです。

ですが、FXのデイトレードや短めのスイングトレードは基本的に日々トレードのチャンスがあるため、マイナスの日が合っても月内に十分に取り返せるチャンスが何度もあります。

そのため、FXのデイトレード~短めのスイングトレードを主体とするロジックにおいて、月単位のマイナスと言うのは、少し「痛い」と思えてしまうわけです。

そのほか、実績の証明として下図のようなものがシークレットセオリー・フルオートEAの販売ページには掲げられていました。

シークレットセオリー・フルオートEAの実績2

シークレットセオリー・フルオートEAの実績3

シークレットセオリー・フルオートEAの実績4

ただ、上図をご覧になるとお分かり頂けるのですが、トレードの実績は極めて限られた短期間での実績でしかありません。

文字とおり、数日です。

ですので、単なるカーブフィッティングによって、その数日間だけでも優秀な成績を残せたパラメータを採用し、EAとして販売しているだけではないかと思えた次第です。

自動売買のEAはプログラミングによって作られたものですから、過去のバックテストによる検証は、5年だろうが10年だろうが「数秒」で完了できてしまいます。

そのため、いくらでもEAの実績は長期間分を提示できるというわけです。

その上、掲載されている実績は5年分10年分と長ければ長いほど、購入を希望する方にとっては信用度が高まるため、購入率も上がる事は間違いありません。

ですが、あえて数日分しか公開しないということは、何かしらの理由があると考えられます。

その理由としては、前述のとおり、やはりカーブフィッティングによって理に適っていないロジックを持つEAを「無理やり」に作ったからではないかと思えてしまうのです。

実際に「モメンタム」「pivot」を軸にするロジック自体、意識するトレーダーが少ない上に、パラメータ変更を常に必要とするロジックであるので、少なくともシークレットセオリー・フルオートEAのロジックは理に適っているとは思えません。

ロジック自体があまり理に適っていない上に、前述のとおり、極めて短期間のみの実績しかありませんし、ほかの実績としては先ほど掲載したような単に数字を好き勝手に打ち込んだだけの実績画像しかないわけです。

以上を踏まえた上で、私としては、シークレットセオリー・フルオートEAのロジックそのものには特に有効性を感じられませんでした。

まとめ。シークレットセオリー・フルオートEAのレビュー。

この記事では、シークレットセオリー・フルオートEAに関してレビューをした上で、以下のようにまとめられました。

  • EAによる自動売買を前面にアピールしているものの、購入後に教材を見ると「手動のトレードと併用」が推奨されている
  • 常にEAのパラメータを最適化する必要があり、その作業は購入者に依存している
  • ロジック自体があまり理に適っていない上に、極めて短期間のみの実績しかない

何度か触れていましたが、そもそも理に適っていないロジックであり、その上パラメータ変更を常に必要としている時点で、購入の意味はないかなと思える情報商材でした。

何より、販売ページには「完全なる自動売買」を大々的にアピールしているものの、いざ購入後に教材を読むと、本来は自動売買が強みのEAをサインツールとして使い、「手動のトレード」を推奨しているという『手のひら返し』には驚きました。

販売姿勢として、それは大問題ではないかと率直に感じた次第です。

以上、シークレットセオリー・フルオートEAのレビューでした。

そもそもEAは、相場の原理原則から外れた性質を持っているため、私としては、どんなに優秀と言われるEAでも基本的には懐疑的に見ています。

その辺りの、EAが勝てない理由を掘り下げて解説した記事を用意していますので、良かったらお読みになってみてください。

>要注意。AI搭載は幻想?EA(自動売買システム)によるシステムトレードが勝てないわけ。

杉原。

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